歯科助手を辞めたいと思う理由!歯科助手が異業種に転職するには?

仕事の不満

歯科助手の仕事に就いたものの、様々な理由から転職しようかと悩む人は意外に多いものです。そこには歯科助手という職業ならではの事情がいくつもあり、実際に離職率が高いことからも非常に根深い問題であることが伺えます。

つまり向いている向いていないに関わらず、歯科助手として働く中ではぶつかってしまう問題がたくさんあるということです。もしあなたが歯科助手の仕事で悩みを抱えていたとしてもあなただけに原因があるとは限りませんから、自分を責めすぎないようにしましょう。

なぜ歯科助手はせっかく始めた仕事を辞めたいと思うほど悩まされてしまうのか、転職はするべきなのか、そして転職するならどんな職種が良いのか、わかりやすく解説しながらご提案いたします。

歯科助手を続けるべきか今まさに悩んでいるというのなら、ぜひとも参考にしてくださいね。

歯科助手を辞めたい理由

では実際、どのような悩みが歯科助手を辞めたいと思う理由に繋がっているのでしょうか。多くの歯科助手の経験談を集めた中から代表的な理由をリストアップいたしました。

歯科助手は簡単な仕事ではありません

歯科助手を辞めたくなった人の中でも、勤め始めてからの期間が短い人に最も多い理由は「思っていたよりも大変だった」というものです。

医療系職業であることや助手という響きにより世間からはしっかりした職であると誤解されやすいのですが、実は歯科助手の仕事へ就くために必要な資格や経験は特になく、誰でもなれます。すでに歯科助手として働いている人であればもちろんご存知のはずですね。

資格がなくても就けるのに世間からはちゃんとした仕事として見られそう、そんな打算もあって歯科助手の仕事を選んだという人は結構いるのではないでしょうか。そして簡単に就けるなら仕事内容も簡単なはず、と思っていた人が特につまづきやすいように感じます。

歯科助手になるために資格はいらないといっても、働く現場は歯科医院という医療現場です。歯科医師や歯科技工士などが使う専門的な用語を理解して正確にサポートしなくてはいけません。そのため覚えることや習得しなければいけない技術が山ほどあります。

歯科助手はきちんと勉強して必要な知識を身に付けられる向上心がなければ続けられない仕事であり、軽い気持ちで始めた人はまずその大変さにぶつかってしまうのです。

問題のある教育体制

今や歯科医院の数はコンビニよりも多いと言われるほど、街には個人開業の歯科医院が溢れています。そのため歯科助手としての勤め先も総合病院ではなく個人医院である場合が圧倒的に多いです。

歯科医院に限ったことではありませんが、個人経営で職員が少人数しかいない職場では研修などの教育制度が整っておらず、未経験ではまず仕事を覚えることに苦労してしまうという問題があります。

役割ごとに1人~2人ずつ程度しか在籍していないのも珍しくはなく、同じ歯科助手が他にいなければ医師などに仕事内容を教わるしかありません。しかし当然それぞれが常に自分の仕事を抱えているため、落ち着いて教えてもらえるような時間を確保しにくいのです。

しかも歯科医師や歯科技工士や歯科衛生士などは資格を取る段階ですでに学校で必要なことは学んでいるのが前提であるため、仕事に関しては「できて当然」という意識の人も結構います。知識ゼロから仕事をスタートする立場の気持ちがわかりにくいのも、指導力不足の要因ではないでしょうか。

質問をする度に「そんなことも知らないのか」とため息を吐かれたという経験談も聞きます。そんな環境で向上心を維持しろというのも無理な話です。

責任感のある仕事でストレスを感じる

歯の治療は命に関わるケースこそ少ないものの、患者さんの生活の質に大きな影響を与えます。当然ミスは許されず、治療中は常に緊張感を保つことが必要です。

歯科助手の時の方がストレスやばかった!!!10えんはげできたし!!(TT)

患者の口腔内に手を入れることは医師や歯科衛生士など国家資格を持つ人しかできないため歯科助手が直接治療をすることはないのですが、器具の用意を間違えたりしないよう、指示を正しく聞き取れるようにとやはり神経を使います。

そして患者さんから見れば歯科助手も歯科医院のスタッフの一人ですから、治療について質問をされたり、時には不満を訴えられることもあるでしょう。それに対してきちんと対処できなければ、その歯科医院の信用にも関わってきます。

特別な志があって歯科助手になったという人でもなければ、責任を伴う仕事内容が次第に負担となり辛くなってきてしまうのです。

しかしそれだけならまだしも、個人医院が少人数でクローズドな環境であるのを良いことに、歯科助手が本来してはいけない治療行為をさせられているというケースも見受けられます。これは違法行為のため、発覚すれば医師はもちろん歯科助手も罰せられる場合があるのです。

通常業務に関わるストレスだけでも大変なのに、そんなリスクまで背負わされたとなれば歯科助手の仕事を辞めたくなるのも当たり前でしょう。

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少人数・女子だけを原因とする人間関係

院長に当たる歯科医師は男性である場合もありますが、その他のスタッフは圧倒的に女性が多いというのも歯科医院の特徴のひとつです。

女性が主体のコミュニティは人間関係の厄介事が起こりやすく、一度こじれると解決が非常に困難であるのはどこでも同じ。前述の通り個人医院は少人数体制のところがほとんどですから、人間関係に歪みが生じているとそのまま仕事にも影響が出てしまいます。

共通の敵を作ると結託しやすいという女性の性質も相まって、ひどい場合はいじめに発展することもあり、その時に最も標的にされやすいのが歯科助手なのです。

歯科医院で働く他の役割はほとんどがそれぞれ国家資格を必要とします。それに対して無資格でもできる歯科助手は言ってしまえば誰でもできる仕事のため、代わりはいくらでもいると軽んじられてしまいやすいのです。

いじめの標的を免れたとしても、圧倒的に立場が弱い状況の中で人間関係の影響を一切受けずに仕事を続けるというのは難しいでしょう。

せめて全員が仕事と私情は別と割り切ってくれれば就業中は煩わしくなく済むのですが、残念ながら女性は公私混同しがちなのも事実なんですよね。

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薄給激務

個人医院の場合スタッフは最低限の人数しかいないため、受付や電話対応などの雑務は手の空いている者で分担します。しかし基本的にみんな忙しい上、有資格者はその人にしかできない仕事が優先であまり手が空かないので、結局ほとんどの雑務は歯科助手に押し付けられてしまうのです。

せっかく通常の仕事に慣れて余裕ができても、そこに次々と雑務の処理が回ってくるのだからたまりません。そんな事情があり歯科助手の仕事は休み時間を確保するのも難しいほどの激務です。

医療に携わる仕事とはいっても、歯科助手は一般的な事務職と比べても給与の水準は変わりありません。資格も経験も不要なのですから当然といえば当然ですが、仕事内容の多忙さと照らし合わせれば割に合わないと感じる人が多いでしょう。

また、最低限の人員で回している状況では固定休以外の休みが取りにくいという不便さもあります。普段はそれで良くても、息抜きに旅行に行くことはもちろん冠婚葬祭や自身の体調不良ですら休みが取りにくいというのは辛いものです。

歯科医師、歯科衛生士との相性の問題

歯科助手は医師や歯科衛生士の指示に従って仕事をする場面が多く、彼らとの人間的な相性がそのまま仕事のしやすさに直結します。

中には自身のストレス発散目的でわざとわかりにくい指示を出す、患者さんの前であるにも関わらず理不尽に怒鳴り散らすといった嫌がらせをしてくる相手もいるそうです。そこまではなくとも、圧倒的に立場の弱い歯科助手が嫌な思いをしやすいというのは確かでしょう。

性格的な相性が合わなくて居心地が悪いという場合、残念ながら個人医院という環境だと状況が改善されることはあまり期待できません。

まず少人数体制であるがゆえに、なるべく関わらないという対応を取るのが難しいです。そして歯科衛生士などは貴重な存在なのでよほど悪質な行為をしない限り解雇されにくく、本人が自主的に辞めなければ職場からいなくなることもありません。

医師は本人がその歯科医院の経営者なのですから当然ずっと関わらなければいけませんし、雇い主である医師が辞めることがあれば、高確率で歯科助手の仕事もなくなるでしょう。

嫌な相手が職場からいなくなる確率はかなり低い、だったら自分がその歯科医院で働くのを辞めたほうがずっと手っ取り早いですよね。

「歯科助手を辞めたい!」と思ってる人は転職すること

ここまでに挙げた以外にも、人それぞれに歯科助手を辞めたいと思う理由はあると思います。しかしどんな事情にしても、今後どうするかの選択肢は主に以下の3つです。

  • そのまま現在の歯科医院で働く
  • 現在の歯科医院を辞めて別の場所で歯科助手として働く
  • 全く別の職種に転職する

最も避けたい選択肢は、このまま我慢して現在の歯科医院で働き続けることでしょう。すでに述べた通り、閉鎖的で少人数体制の個人医院は時間が経ったからといって状況が変わることは稀であり、そこに居続けてもただストレスを溜めるだけだからです。

ストレスでうつ病や自律神経失調症などを発症してしまうことになれば、人生にとって大きな損失となります。可能な限り早くその職場からは離れるのがあなたのためです。

では今の歯科医院を辞めるとして、次に悩むのは次も歯科助手としての仕事を探すべきかどうかですね。よほど歯科助手の仕事が気に入っていたり、やがては歯科衛生士の資格取得を目指したいなど、明確な意思や人生設計があれば再び歯科助手の仕事をしても良いと思います。

ただし歯科助手の仕事は長く続けてもキャリアを生かせるのが同じ業種に限られてしまうため、ずっと歯科医関係で働きたいというわけでなければ、他の職種に転職した方が将来的な選択肢は豊富になるでしょう。

若い内のほうが転職に有利で希望の職種にも就きやすいですから、嫌な職場でダラダラと働き続けて貴重な時間を潰してしまうよりもさっさと次に行った方が賢い判断です。

歯科助手の経験を活かした転職先

歯科助手から他の職種に転職しようと思ったら、また未経験からのスタートという形になってしまいます。けれどせっかくならば歯科助手として積んだ経験を少しでも活かしたいですよね。そこで、どんな仕事であれば歯科助手の経験が役に立ちそうかを考えてみました。

接客業・サービス業

様々な患者さんの応対をしてきた経験を活かすのなら接客業はいかがでしょうか。人と接することが好きで、何かをしてあげて感謝されることに喜びを感じる人が向いています。

販売業のように何かを売り込まなくてはいけない仕事だと勝手が変わってきますが、遊園地などの娯楽施設でお客様をご案内するような仕事や、マッサージなどの施術を行うサービス業であれば今までのやり方も活かせそうです。

ただ接客業はアルバイトやパートタイマーとしての求人が多く、正社員として採用されるとマネジメント系の業務がメインになってしまうことがあります。自分がやりたい内容と求人条件が噛み合うかどうか、よく吟味して探しましょう。

経理

几帳面で数字に強い人なら経理の仕事も良いと思います。歯科助手の仕事の中で会計や帳簿付けを経験していれば、是非ともそこをアピールしましょう。

難点はズボラな人には向かないということです。数字をひとつ間違えれば大きなミスになってしまう仕事ですから、雇う側もそこが信用できるかどうかを判断基準とします。同時に応募した人の中に簿記や経理の経験者がいれば、そちらが優先的に採用されてしまうでしょう。

経理の仕事に転職したければ事前に簿記検定を取っておくと有利なのですが、多忙な歯科助手の仕事をしながら勉強する時間も確保するのはなかなか大変です。

>>簿記検定(wiki)

一般事務職

特に将来的なプランはまだ無いけれど今の歯科助手の仕事は辞めたい、そんな人にはとりあえず一般事務職への転職をおすすめします。実際に歯科助手から転職する人が一番多いのも事務職です。

事務作業や電話対応などは歯科助手の仕事内容にも含まれるため、職種が変わっても意外とスムーズに対応できます。一般事務職は歯科助手と同じように無資格未経験でも就きやすく収入もほぼ変わりませんが、体力的には余裕があり自由に使える時間も確保しやすいのが魅力です。

後からやりたい目標ができた時にも、勉強するための時間があればステップアップを目指しやすいですよね。

一般的な企業で働くことで社会経験が一通りできることも、後に振り返れば役に立ったという意見をよく聞きます。歯科助手として働いていた個人医院の中がどれだけ狭い世界であったか実感するでしょう。

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