中高年の再就職は厳しいのか?転職を成功させるコツ

転職・就職

中高年、40代や50代になると再就職や転職が厳しいという現実があります。

実際に数字に現れてしまう部分もあり、若いころは経験や知識がないから採用されず、歳を取れば経験や知識で凝り固まっているからと、逆に敬遠されるという嘆かわしい状態だと感じる場合もあるでしょう。

しかし、実際に厳しいのはどの年齢でも同じであり、再就職や転職する時の心構えや考え方、行動の起こし方によっては、早い方ですと3ヵ月ほどで次の就職先が見つかる可能性が高まります。

これからの時代はさらに高齢の方でも働ける環境が整うことを考えれば、中高年の段階で転職や再就職を経験しておくのは非常に有利です。

今回は、なぜ中高年の再就職や転職が厳しいのか、また再就職や転職を成功させるコツや考え方についてご説明します。

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中高年の再就職(転職)は困難で厳しいの?

中高年ワーキングプアの多くは、正規雇用の職を希望しているものの、非正規雇用に甘んじている(不本意非正規雇用労働者)。中高年の不本意非正規雇用労働者は、2017年時点で167万人と、2016年の新社会人を上回る人数となっている。しかも、減少傾向にあるとはいえ、2013年から2017年の4年間で16.9%の減少にとどまっており、同期間に32.5%減少した若年層に大きく後れをとっている。

引用元:日本総研 – 中高年ワーキングプアの現状と課題
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/jrireview/pdf/10560.pdf

上記のように中高年の方の中には不本意非正規雇用労働者がたくさんおり、その上で若年層と比べて減少幅が少ないことがわかります。

給与的なピークは50歳~54歳を頭打ちとして、非正規であればさらに下がる傾向にあります。

正規雇用で働き続けてきた中高年の方であれば、非正規で働くという選択肢は取りたくないのに、不本意で働いても年齢的に給与が下がっていくとなれば厳しいと困難で厳しいと言わざるを得ません。

また、中途採用についても35歳以下というハードルが非常に大きな存在となっており、年齢制限によって応募資格がないと自ら判断しくてはならない状況でもあります。

その他にも中高年の方は若年層と比べて就職活動期間が長引く傾向にあり、早くて3ヵ月、長いと1年~2年もの間悩み続けている人も少なくありません。

長年の経験や知識だけでなく、それなりに蓄えがあるのが逆効果となっている場合もあり、余裕があるつもりが少しずつ貯蓄が目減りして、焦って不本意な条件の仕事や職種に勤めることになる方もいらっしゃるでしょう。

実際には年齢によってハンディキャップがあることは少ないですが、やはり年齢制限だけでなく、なるべく同じ業界か、今までの知識や経験や経験を活かした仕事がしたい、年収は下げたくない、ある程度の立ち位置が欲しいとなれば条件はさらに厳しくなります。

あなた自身が再就職や転職のハードルをさらに上げないようにするためにも、成功させるコツや考え方を見て、視野を広げましょう。

中高年が転職を成功させるコツ

まず中高年の方に伝えたいのは長年培った知識や経験、スキルや考え方、生き方など、自分自身の有り様や我を通しすぎないことです。

今まではこうだった。でも、これはから違う。しかし、その違うというのは今までの生き方を否定することでも、否定されることでもありません。

大切なのは中高年だから邪険にされそうだと思い込んだり、今まで頑張ったことが無駄になるなどの自己否定感などを持たないようにすること、ネガティブな気持ちで就職活動を行わないことです。

中高年の方が再就職や転職をする時に考えるべきことは何か、視野を広げるために必要なことについて、大きく分けて5つご説明します。

プライド捨てる

1.プライドが高くて扱いにくい
2.年齢が高いからといって偉そう
3.自分に自信があり、自分を曲げない

上記は中高年の方が思われやすいことですが、逆に言えば思い込みやすい部分でもあります。

中高年といっても今の時代の方であれば、そこまでプライドが高すぎたり、偉そうにしたり、頑固だったりすることもないはずです。

しかし、もし自分自身にプライドがあり、何らかの形で譲れない部分があるのなら捨てるべきです。

理由としては「柔軟な思考や行動」を妨げる結果となり、何を言われても素直に聞けなかったり、初心に戻れないまま肩書きや経歴で自分を押し通そうとするからなんですね。

もちろん、中高年だから誰でもそうだとは断言できません。しかし、経験や知識、スキルなどがあると人はどうしても「ゼロ」の状態から話すことができません。

例えば年下の面接官に何か言われて、ムッとしてしまったり、まだ若いんだからわからないんだろうなとバカにする気持ちがあれば、態度や言動に出ます。

プライドを捨てるというのは、今までの全てが否定されるのではありません。むしろ、今までの全てを活かすためにプライドを捨てるのです。

あなたが一番気にする年齢の部分を、あなた自身が最大の弱点にしないように心がけましょう。

プライドを捨てる方法は簡単です。わからない時は聞く、できない時は自分のやり方でごまかさない、失敗したら謝る、たったこれだけです。

おわかりかと思いますが、初心の心得であり、ごく普通の当たり前のこと、年齢に関わらず先輩を敬い、上司を慕うことを思い出しましょう。

俺の方が歳上だ!スキルや経験もあり、元○○だぞ!若いくせに生意気なやつだ!なんてこと、あなた自身があなたを苦しめる以外の何者でもないということをまずは理解してください。

むしろ、現代の40代、50代であればそこまで頑なな人も少ないはずです。実際に40代で転職する人の半数は3ヶ月前後で転職や再就職が決まっているので、厳しい、困難だとはいえ、着実に結果を出している人もいますから安心してください。

年収ダウンは当然と思う

中高年の壁となるのが転職や再就職の時の契約条件でしょう。福利厚生はともかく、年収のダウンは受け入れにくい部分でもあります。

年収が下がる位なら転職や再就職は止めよう。もし、そんな風に考えたのなら、何らかの原因によって職を失った時に非常に苦しむことになります。

もちろん、辞める必要もなくて、勤め先が倒産する心配がないならどう考えようと構わないですが、世の中何があるかわかりません。

前の仕事では年収○○円だった。だから絶対に譲れない。どんなに立派な経歴やスキルがあっても、そんな主張をする人を雇いたいと思う企業は少ないと言えます。

ただし、年収が下がることを当然、前提だとして受け止める必要もありません。

あなたの能力や経歴とマッチングする企業であれば、前職と同じ年収か場合によっては年収がアップすることも考えられるからです。

問題なのは応募先の企業の条件と合わないような年収を要求し、主張してしまうことです。最初から給与形態や大まかな年収が定まっていて、明らかに逸脱した年収を望んだとしても、要求が通ることはないと考えてください。

逆に言えば、あなたの望む年収の募集がない状態だとすれば、いつまでも就職できない状況が続きます。

妥協するのではなく、年収にこだわりすぎると絵に描いた餅で終わってしまうどころか、就職活動が長引くことになりますので注意しましょう。

また、妥協しないというのは再就職や転職できれば何でもよいと考えて、足元を見られないようにするという意味でもあります。

不本意非正規労働者の多くは企業とマッチングすることがタイミング的に難しいまま、生活に終われて仕方なく自分の望まない条件で働いている人だとも言えます。

高望みしすぎないこと、同時に自分を過大評価せず、自分の価値を再確認することを忘れないようにしてください。

やりたいことではなくできることで会社選びをする

転職や再就職となれば新しいことを始めたくなったり、キャリアチェンジをしたくなるタイミングでもあります。

もちろん、年齢に関わらず新しいことに挑戦するのは素晴らしいことですが、中高年の方ですと厳しい場合もあります。

例えば今まで縁もゆかりもないような職種を思い浮かべてください。デスクワークの人であれば外で働く仕事だったり、ガテン系の方であれば逆にデスクワーク、その他には飲食やショップの店員、宅急便の配送やコンビニのアルバイト、ファーストフードの店員など何でも良いです。

もし、あなたがどんな仕事でもゼロから学べると考えたとします。しかし、現実問題として雇う側にも選ぶ権利があることを忘れてはいけません。

他の人ができることは自分にもできると考えるのは良いことですが、必ずしも向いているかどうかという点は働いてみないとわからず、中高年の方ですと自分が向いているかどうかを探し続ける時間や労力をどこまで作れるかが難しい部分でもあるからです。

若い人が多い職場に飛び込んで、仕事や作業を年下から学び、なおかつ職場環境に馴染みながら仕事を続けられるのか。

または全くやったことがない仕事に挑戦して、何もわからずに失敗を繰り替えしたり、想像していたよりも大変で自分には向いていなかったと後悔しないかどうか。

もっと言えば、あなたが何でもできると思うことと、企業が求めている人材のミスマッチが起これば、双方が傷つく結果になるということを理解しましょう。

まず、どんな仕事でもやります。何でも頑張りますという精神論は捨てましょう。一番大事なことのように感じてしまう部分ですが「自分ができることをする」方が転職を成功させるコツとなります。

言い換えればあなたの経験やスキルを活かせる仕事、もしくは関連する業種や職種を選ぶ方が企業とマッチングしやすくなるということです。

企業がどんな人材を求めるのかを見極めることが大切であり、あなたが望むこととマッチングさせなければいつまで経っても就職することはできません。

ここでまた中高年特有の悩みが出てきます。今まで勤めた仕事以外で、自分のスキルの活かし方がわからなくなってしまうのです。

基本的には同じ業界か関連する業種を選び、全く別の仕事をするにしても、ゼロから学び始めるのではなく、自分の能力が活かせるもの、間接的でも直接的でも「既に何かできる状態」の仕事を探すことが重要です。

即戦力とまでは言いませんが、教えなくても問題ないスキルを持っている人材は強いです。企業も欲しがりますし、何よりもお互いに向上しあえる間柄になれるからです。

逆に言えばあなたの強みを活かせる企業とマッチングすれば年収面の心配は少なくなり、就活の期間も短くなります。

また、やりたいことをやるのと、できることをするのは大きな違いがあり、できることで新しい仕事や職種に挑戦するのは間違いではありません。

漠然としたやりたいことで全くのゼロから転職先の探しのは厳しくても、できることがある企業や職種であれば、新しいこととして、第二の人生として一歩踏み出そうとする時にも良い結果に繋がりやすくなります。

先入観を捨てる

中高年の方が就職活動をする時にありがちなのは視野が狭まってしまうことです。自分の能力に適した企業を見つけたのに、業界が違いすぎる点、自分の思い描く仕事ではない点、会社概要を見て未熟だから止めようと思うことなど様々です。

あなたが企業を選ぶ立場であるのは間違いありませんが、企業もあなたを選ぶ立場であることを忘れないようにしましょう。

応募してやってる。働いてやろうとしているなんて考え方ではまず無理です。

逆に言えばこんなところで働きたくないと考えてしまうことで視野がどんどん狭まってしまうということです。

あなたの能力で何ができるのかをしっかりと考えることが大切であり、今までの業界での経験や知識に縛られ過ぎないようにしてください。

企業側からすれば応募してきた人材の能力や経歴を見て、この人ならさらにこんな仕事が任せられそうだ、もしくはまさに欲していた人材であると感じてもらえるかもしれないのので、あれもだめ、これもだめと切り捨ててしまわないようにしましょう。

あなたのプロフェッショナルな部分を最大限に活用できるか、それとも半分でも役立てられるか、もしくは全く役に経たないかどうかは企業側が判断する部分でもあるからです。

また、長年の経験や知識などから、他業種や他業界のイメージを持っていた場合、勘違いや思い込みから応募候補に入れられないという可能性も考えられます。

明らかに異業種でも、スキルや経験が活かせるなら無謀ではないですから、頭を柔らかくして考えてください。

その他にも経験や知識だけでなく、あなたの性格に合った仕事を探すのもおすすめです。

例えば淡々と仕事をこなすのが好き、コツコツとした作業が好き、人と話すのが好き、何かを教えるのが得意など、何が芽を出すかわかりません。

長年企業勤めしたけど特技やスキルと呼べるものがなくても、経験によって得た性格や仕事に対する姿勢などもあなたの持っている武器になります。

視野を広くすためには年齢を意識し過ぎないこと、逆にきちんと意識することの両方が求められます。

相手が年下の場合、あなたが年齢相応の態度を取ってしまわないようにすること、同時に年齢を気にしすぎて相手に気を遣わせすぎないようにすること大切です。

年齢を重ねた分、頼れる後輩でありながら、人生の先輩として見てもらえるようにバランスの良い力加減を手に入れてください。

再就職先が決めるまで時間がかかること理解しておく

転職や再就職には時間が掛かります。なるべく無職になってから始めるのではなく、在職期間中から仕事探しを始めておきましょう。

収入がない状態での求職活動ほど大変なものはありません。貯蓄があるからと変な余裕を持ってしまい、少しの間休職期間を取ることも決して悪いことではありませんが、あくまでも次の就職先が決まってからにしましょう。

中高年となれば独身でも結婚していても日々や月々の出費はそれなりにあるはず。働いている状態、収入がある状態と同じ生活をしてしまうと大変なことになります。

仕方なく繋ぎのアルバイトを始めて必要に迫られたり、休みすぎてやる気が出ず、自堕落な生活から抜け出せなくなることもあります。

また、真面目に就職活動をしていても長引きやすくなる可能性もありますから、油断しないようにしましょう。

40代の方で3ヶ月以内に再就職できたのは半数というデータはありますが、50代となると3割の方しか3ヶ月以内には再就職できなかったというデータもあります。

働きながら就職活動をするのは長引くこともわかりますが、無職の状態で最初の1ヶ月は休もう、2ヶ月くらい休んでもバチは当たらないだろうと考えて、3ヶ月目から動き始めるようなパターンに陥って、自ら活動期間を伸ばしてしまうようなことは割けましょう。

中高年の方に限らず、悩んだり困っている時はあっという間に時間が過ぎてしまいます。困れば困るほど、悩めば悩むほど期間が伸びてしまい、気持ちがネガティブな状態になってしまうと面接や応募する時の文章や言動に現れてしまいます。

足元を見られやすくなることも懸念されますし、何よりもネガティブで暗く、卑屈な状態になればなるほど雇われにくくなります。

転職や再就職を考える時はなるべく前向き・ポジティブな気持ちを維持しましょう。一番良い状態の自分を面接のタイミングで出せるようになること、同時にいつでも一番良い状態の自分を出せるようにすることを意識しましょう。

少しでも人事や面接に関わった方、もしくは新入社員や中途採用で同僚が増えた経験がある方であれば、能力や経歴も大事だけど話してみた印象、コミュニケーションする時の雰囲気など、人として付き合いやすい人材が来てくれた方がうれしかったはずです。

逆に言えば面接時に「この人と働いてみたい」「この人に働いてほしい」と思ってもらえるかどうかが大切であり、そこには年齢は全く関係ありません。

また、就職活動の最初はやる気があり、勢いで何とかしようとしてしまいがちであり、時間が経てば経つほどやる気だけではダメだということに気がついてショックを受けたりもします。

あなたらしさ、人柄、普段の親切で丁寧な対応、年齢や性別分け隔てなく礼節を持つことなど、当たり前のようで忘れがちな部分ですから、横柄な態度、高圧的な口調などがクセになっている方は注意してくださいね。

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