山中武(@tyblogty)です。
ワールドビッグフォーで配当金が滞るトラブルが発生しています。一見セブ島の会員制リゾートを運営する会社にしか見えないのですが、実は隠れたビジネスを運営していたようですね。
調査を進めていくとマルチ商法や投資といった、過去の詐欺案件でもよく見かけたキーワードが出てきました。それではワールドビッグフォーについて紐解いていきながら、今後予想される展開についても触れていきたいと思います。
ワールドビッグフォーについて
まずワールドビッグフォーが一体どんな案件だったのかまとめていきましょう。
会員の方の間で結構問題になっているのですが、未だにHPは残っているようですね。ただHPを見る限りは普通のフィリピンのセブ島にある会員制リゾートです。HPには豪華な別荘の写真がずらりと並んでいますね。
1口25万円の会員費を2年間預けると、その期間この宿泊施設が利用できる仕組みだったようです。
フィリピンのセブ島に4棟も会員向け施設を所有するなんて物凄い資金力を持つ会社のように思うかもしれません。でもフィリピンの物価は日本に比べて非常に安く、日本で中古マンションを買うより安く豪邸が手に入ります。
しかも所有するとされる宿泊施設には借りているだけのものも含まれている可能性が指摘されていて、ワールドビッグフォーの資金力には疑問が残ります。
ワールドビッグフォーの実態
今回ワールドビッグフォーを取り上げたのは現在詐欺なのではとの疑念が広がっているからです。
とはいえ、ただの会員制リゾートなら詐欺なんて話にはなりませんよね。HPでは全くわからないようにカモフラージュされていますが、裏ではマルチ商法の形式で投資案件を展開していたようです。(セナーやアムウェイ、ワールドベンチャーズの記事)
会員は預けた会員費によって配当を受け取ることができ、新規会員を紹介すると、それに対する報酬を得られる仕組みになっていました。出資金額や会員獲得数によってランクが上がり、得られる配当も増えていきました。
投資案件の存在を一般に明かしていなかったのは、金融庁に無登録のまま出資を募っていたからですね。金融商品取引業や出資法に違反しています。とはいえ長く続く投資案件でもあり、何千万単位で出資していた方もいるようです。
ただ新型コロナウイルスのパンデミックが起こったタイミングで急に毎月支払われるはずの配当が止まりました。ワールドビッグフォーを運営するジャパンエアゾートインターナショナル株式会社の代表である行方栄治さんからはこれまで何度も配当が遅れる理由について公式説明がありましたが、どれも信憑性にかけます。
・パンデミックの影響で行方栄治さんがフィリピンに行けず出金処理ができない
・フィリピンがロックダウンされて対応できない
ロックダウンが原因で配当金が払えないとの発表があった時、フィリピンではすでにロックダウンが解除されていたこともわかっています。またこれだけネットが普及している時代に社長がフィリピンに行けない、会社に行けないからといって出金できないなんてありえないですよね。
これは配当金を払えない、払いたくないがためのただの言い訳でしょう。コロナを言い訳にしておけば納得する人もいて、騒ぎになるまでの時間稼ぎができると考えたんだと思われます。
ワールドビックフォーの会社情報
ワールドビッグフォーの会社情報を見てみると、気になる点が出てきました。ジャパンエアリゾートインターナショナル株式会社は一応法人登録されているのですが、日本事業所の住所がレンタルオフィスとの疑惑がもたれています。
レンタルオフィスだと簡単に事務所を閉めることができるため、気付いた時には連絡がつかなくなっていたなんてことになる可能性が否定できません。
ただジャパンエアリゾートインターナショナル株式会社の場合本社はフィリピンにあるため、日本事務所は一応置いてあるだけで会社の機能はすべてフィリピンにあるのかもしれません。
ただフィリピンの所在地を見てみると、なんとホテルの住所なんですよね。公開されている住所がホテルの部屋とレンタルオフィスだけとなると、さすがに怪しいですよね。この事実を知っていたら大金を預けようとは思わなかった会員の方も多いのではないでしょうか。
ワールドビッグフォーは会社の運営実態がはっきりしないことがわかってしまいました。
ワールドビッグフォー行方栄治氏の気になる過去
ワールドビッグフォーを運営する行方栄治さんについても気になる過去があります。
ジャパンエアリゾートインターナショナル株式会社の前に株式会社メモリアルなる別の会社の代表を務めていたようなのですが、この時脱税の罪で懲役刑を言い渡されています。株式会社メモリアルはゴルフ会員を集める会社だったようですが、判決を見るとごまかした金額が数億円と相当大きいですね。
前科があってもやり直している方は沢山いますが、脱税は重い犯罪です。こういった前歴がある方が紹介する投資案件に手を出すのはなかなか勇気がいりますね。
ワールドビッグフォーの今後
ワールドビッグフォーはこれまで会員に配当金や新規会員獲得報酬を支払っていましたが、その資金は一体どこからでていたのでしょうか。不動産投資などで資金を増やしていた形跡もないので資金の出所が謎でした。
ネット上には『フィリピンの銀行に高額な預金がありその利息で配当を配っている』との情報が出回っていました。ただフィリピンの銀行の金利は日本の銀行並みに低いです。ワールドビッグフォーは地元有力企業なわけでもないですし、銀行がわざわざワールドビッグフォーの預金に通常より高い利率を支払う根拠が全くありません。
おそらくワールドビッグフォーは新しく入った会員の会員費で全会員に配当を支払う、ポンジスキーム詐欺なんだろうと考えられます。(PGA投資やジュビリーエース・ジェンコ、ゴッドソードの記事)
ポンジスキームは新会員が順調に入って来ていて資金繰りが順調な間はあたかも優良な投資案件のようにきちんと配当が支払われますが、資金繰りが厳しくなった途端にいきなり配当が止まります。預けていた資金は持ち逃げされてほとんどの場合回収できないため、会員は多大な金銭的被害を被ることになります。
ワールドビッグフォーはこれまで30年以上続いていて、それゆえに安心して多額の出資金を預けていた人も多いと言います。ただ一旦配当金が止まった以上、今後配当が再開されたり資金が戻って来たりする可能性は低いと言わざるを得ない状況です。
まとめ
セブ島リゾート運営の裏でマルチ商法的な投資を長く続けていたワールドビッグフォーですが、とうとう配当が滞ったまま再開の兆しが見えないままになっています。
ポンジスキームは大きな災害が起きた時に破綻することが多く、新型コロナのパンデミックはワールドビッグフォーの運営にとって逃げる準備をする絶好の機会だったのでしょう。
一旦配当が滞ると、預けている資金が返ってくる見通しもなかなかつきません。マルチ商法的な投資案件は定期的に出現しますがその多くはポンジスキームなので、どれだけ魅力的な説明をされても関わらないようにしてください。