転勤が嫌なら辞めるのはOK!デメリットの多い転勤族は辞めましょう

仕事の不満

ある日突然、遠方の支社・支店で働くよう言い渡される転勤。ライフプランが崩されることから嫌がられる傾向にあるものの、年間60万人以上の会社員が転勤をしているのが現状です(リクルートワークス研究所調べ)。

FJQ(ファザーリング・ジャパン九州)の「転勤に関するアンケート」によると、3人に1人以上の割合(37%)で転勤を言い渡されたことを機に転勤や退職を選んだとのこと。

つまり、転勤で会社を辞めることは珍しいことではなく、むしろ転職理由としてはよくあることだと言えます。

「転勤ぐらいで会社を辞めるなんて社会人失格だろうか」「前職を辞めた理由が転勤だと言ったら、転職活動をしてもどこも雇ってくれないのではないか」と不安になって、転勤を仕方なく受け入れようとしている人は、無理をする必要はありません。

転勤族になりたくなければ、今の会社を辞めて転勤がない会社に転職すれば良いのです。多くの方が想像できる通り、転勤には数多くのデメリットがあります。

そして仮に転勤を断ることができたとしても、今の職場での居心地が悪くなるというリスクもあります。転勤を機に、改めて自分の働き方について考えてみましょう。

転勤をプラスに考える人は少ない!

そもそも、なぜ転勤というものがあるのか。転勤のメリットをご存知ですか?答えは「社内の新陳代謝が活発になるから」です。

オフィス内がいつも同じメンバーだと業務はマンネリ化しますし、会議で新しい企画やアイディアが出てきません。そうなれば当然、業績も停滞・悪化するでしょう。こうした事態に陥らないよう、新しい風を送るかのように人材の入れ替えをするのです。

ここまで読んでお分かりいただける通り、転勤のメリットは会社側にはあっても、雇われている会社員側にはほぼありません。転勤がメリットになるのは、次のようなレアなケースのみでしょう。

・仕事内容自体は気に入っているが、職場の人間関係が嫌なのでリセットしたい
・愛社精神が強く、この会社で評価を得るためにはなんだってする

>>職場の人間関係に疲れた人!仕事を辞める前の対策は?

一方で転勤のデメリットはたくさんあります。まず、一番大きいのはライフプランを崩されるということです。

結婚していて配偶者や子どもがいる場合は、家族を連れて行くか・単身赴任をするかという選択を迫られます。子どもの教育のために生活環境を変えたくない、マイホームを買ったばかりなので手放せない、両親の介護問題など、迷うポイントはさまざまです。

その結果、家族一緒にいたいと願いながらも単身赴任せざるを得ない人は増加傾向にあると、厚生労働省の「企業における転勤の実態に関するヒアリング調査」は発表しています。

既婚者の転勤は子どもや配偶者まで巻き込むからかわいそうだという理由から、独身者をメインに転勤を命じる会社も多々あります。しかし、独身者だって急に住むところを変えられてライフプランを崩されるのは嫌ですよね。

結婚していないだけで恋人や婚約者はいるかもしれませんし、転勤で住み慣れない場所に移ったために出会いのチャンスを失ったり、両親や親せきと会える時間が減らされたりといったデメリットもあります。既婚・未婚に関係なく、転勤はメリットが少ないと言えます。

また、転勤先で職場のトラブルやご近所トラブルに巻き込まれる可能性があることも転勤のデメリットです。

環境を変えなければ順風満帆に暮らせていたのに、転勤で異動したために余計な悩みやストレスが増えてしまってはたまったものではありません。このように、転勤のデメリットは人生の歯車を大きく狂わせかねないほど大きいものなのです。

転勤族なら転職してもいいのでは?

冒頭にも書いた通り、3人に1人は転勤を機に転職や退職をしています。実際に会社は辞めていないものの転職や退職を考えた人も合わせたら、6割の人が転職を快く思っていません。

厚生労働省によるヒアリング調査によると、転勤先がどの地域であっても転勤は嫌だと考える人が大半を占めるのだそうです。理由は簡単で、転勤をきっかけに体調を崩しやすくなった人や家庭内不和に悩まされる人が多いからです。

国もこの問題を重く受け止め、転勤を受け入れてくれた社員にはしっかり手当てをするよう会社に警告しています。

しかし、先述のFJQによるアンケートでは「転勤の時期や場所などについて会社や上司から配慮してもらえた」と感じている会社員はわずか45%と半分にも達していません。

転勤の負担を分かっていながら何の配慮もしてもらえないのであれば、こちらも会社を辞めて転職しても問題ないのではないでしょうか?

しかも転勤が多い会社の場合、原則として転勤を拒否できません。1人の転勤拒否を受け入れたら、ほかの社員の拒否も受け入れざるを得なくなるからです。

仮に1度は転勤を拒否できた場合でも、今後も転勤を命じられる可能性があります。そのときも同じように断れる保証はどこにもありません。

転勤を拒否できたとしても、その後会社員人生は悲惨である

転勤の拒否に成功した場合もリスクがいろいろあります。ひとつは社内の人間関係の悪化です。自分が転勤を断ったばかりに別の社員が転勤することになったとなれば、その社員に恨まれても何も言い返せません。

転勤した社員がオフィス内での人気が高い場合は、なおさらあなたは悪役になってしまうでしょう。「こんなときにあの人がいれば‥」などチクリと言われて、居心地が悪い思いする可能性も否めません。

また転勤を断った場合、上司の態度が一変する可能性があります。悪態をつかれたり、不当に評価を下げられたりして、出世を妨げられることも珍しくありません。

>>仕事や上司の理不尽でストレス・イライラ!理不尽の対処方法

残念なことに、転勤を拒否しつつ職場の人間関係も良好に保ち、出世も果たすといった自分に都合の良い展開はほぼあり得ないのです。転勤を命じられた段階で、転勤を受け入れるか転職するかの二者択一しかあなたには存在しないのです。

転職活動を1から始めるなんて‥と尻込みする人もいるかもしれませんが、7割以上の人が現在の収入から10~20%減ったとしても今住んでいる場所で働けるのであれば、転職でも構わないとアンケートで回答しています。

実際に転職によって収入がダウンするかどうかは別問題として、収入面で妥協してでも転勤したくないと思っている人が多いのが現状です。

>>転職を怖い・不安を感じるのは普通!怖い・不安と思う転職を乗り切るコツ

転勤が嫌で転職する時の注意点

転勤が嫌で転職する場合、ほかの転職者と明らかに状況が違う点があります。それは、とにかく時間がないということです。

どこの会社でも転勤を命じられるのは急です。国内の転勤の場合は早めに教えてもらえるとしてもだいたい1か月前から。場合によっては転勤2週間前に言われるということもあります。

一般的な転職活動は数か月~半年ほどかけるケースが多いことを踏まえると、いかに時間がないかが分かることでしょう。

だからこそ転勤を機に転職する場合は、速攻で「転勤を受け入れるか、会社を辞めるか」を決断しなければいけません。ほかの社員の目などを気にして迷うのは絶対に避けてください。とにかく自分の気持ちに正直になることです。

また在職中に転職先が見つからず、退職後に転職活動をするケースもあるとシミュレーションしておくと良いでしょう。結婚している場合は、在職中に転職先が決まらなかった場合の収入面や金銭管理をしっかり配偶者と相談しておきましょう。

早め早めに転職活動をしておくのが理想

転勤を受け入れないを決意したら、その日のうちから転職活動を始めましょう。間違っても「やっぱり転勤の話はなくなったよ」なんて、都合の良い展開になることを思いふけって現実逃避してはいけません。

転職活動の第一歩は応募書類の作成です。過去に転職活動をしたことがあり、パソコンに履歴書や職務経歴書のデータが残っているのであれば、添削した上で現職の経歴を書き足せばよいだけなので比較的簡単です。

これまで転職活動をしたことがない人の場合、職務経歴書を作成するのに時間がかかりますから、本やサイトで情報を入手してすぐにでも作りましょう。

せっかくのプライベート時間に書類を作るのは面倒に感じますが、本気で取り掛かれば一晩で作成できます。多少の自由時間や睡眠時間を削ってでも、すぐに準備を始めてください。

ここで行動できれば、転勤による数年間の拘束から解放されます。未来の自分や家族を幸せにするためだと思って、頑張りましょう。

転勤の少ない職種(業種)には何があるの?

転職を決めたら、どんな職種を選ぶかもすぐに決断しましょう。今度は転勤を命じられないよう、転勤が少ない職種を選ぶことが重要です。転勤が少ない職種には次のようなものがあります。

・経理事務
・一般事務
・法務、企画
・人事
・医療、福祉関連
・教育関連

人気のオフィスワークですが、総合職の場合は転勤を命じられる可能性があるため注意が必要です。

転勤が少ない企業を選ぶ上でもうひとつ重視すべきなのが、企業の規模です。企業の規模が大きいほど転勤のリスクは高くなります。

厚生労働省の調査によると、5000人以上の規模の企業は95.8%の高確率で転勤があります。1000~4999人規模なら82.9%、300~999人規模なら66.2%です。

一方で中小企業といわれる100~299人規模なら、転勤する確率が39%と一気に少なくなります。零細企業クラスの30~99人規模なら21.7%と、これも低い確率です。

人気の大企業に転職したいと思っても、転勤のリスクを考えたら選ばないのが賢明です。

また、中小企業や零細企業であれば、製造業やIT職の企業も選択肢に入れて問題ないでしょう。ただし、従業員数が少ない場合でも支社や支店がある場合は転勤のリスクが大きくなるので気を付けましょう。

時間がない中での慣れない転職活動は、なかなか困難ですよね。少しでも早く転職先を決めて安心したいと思ったら、転職エージェントがおすすめです。

転職エージェントに登録すれば、専属のカウンセラーがついて応募書類の添削や自分に合った職種や企業を紹介してくれます。さらに給与の交渉や入社日の調整といった難しい交渉も行ってくれるので、より良い条件の企業に転職するためにもぜひ活用してみてくださいね。

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