人事異動(部署異動)の理由は?不安な部署異動は拒否できるの?




「職場や仕事にやっと慣れてきた。このままこの部署でのんびりやってゆきたい。」などと思った矢先に、突如として言い渡されるのが人事異動の通達です。

「えーっ、なんで私が…、しかも興味無い部署に…!?」なんて事、ありますよね。そこで頭をよぎるのが「人事異動って断れないの?」というフレーズです。

さて、人事異動の通達は断れるのでしょうか?答えは「ある条件を満たせば断れる」です。その条件については本文でしっかりと解説しているので、人事異動を断りたい…とお考えの皆様はぜひ確認してみてください。

そして、「そもそもなんで人事異動が行われるの?」という素朴な疑問に関しても解説していますので、「人事異動を内示されて戸惑い中…」なんて人も是非本記事をチェックしてみてくださいね。




人事異動(部署異動)の理由

人事異動があると、新たな部署で新たにに仕事を覚えなくてはなりません。せっかくこれまで覚えた仕事がつかえなくなることもしばしばです。

そしてめんどくさく感じられるのが新たな人間関係の構築です。どんな上司なのか、どんな先輩がいるのか、はたまた後輩は仕事きちんとしてくれるのか…考えるだけで憂鬱になってくるものです。

そんなのダルい大変だし、できれば同じ部署に留まっておきたい…なんて人も多いですよね。

それでも会社は人事異動を迫ってくるものです。そもそもなぜ人事異動というシステムがあるのでしょうか?まずはその理由についてチェックしてゆきましょう。

ひょっとすると「人事異動をせざるを得ないな…」という理由を見つけられるかもしれません。

一方で、以下ご紹介するような例に当てはまらない場合、理不尽な人事異動として拒否できる可能性もあります。人事異動が断れるパターンに関しては後半で解説していますので、そちらもお見逃しなく。

職場の活性化

人事異動で挙げられるまず大きな理由が職場の活性化です。同じ部署でずっと過ごしていますと良く言えば阿吽の呼吸で仕事ができるようになるのですが、悪く言えばなれ合いが生じます。

なれ合いながら仕事をするのが必ずしも悪いとは言えませんが、仕事に対するイノベーションなどは生まれにくくなるものです。

また、同じ人材とばかり仕事をしていますと、他が見えにくくなってきます。例えば「なんで営業はこんな無茶な注文を取ってくるんだ!」とか「情シスはなんでこんな使いにくいシステムを導入するの…?」なんて事、よくありますよね。

それらは他部署での仕事ぶりが見えていない故の悲劇です。生産現場が見えていないからこそ無茶な注文を取ってきますし、やはり現場が見えていないから使えないシステムを導入しようとするものです。

そこで人事異動が役に立ちます。複数部署を経験した人材が増えれば、部署間のギャップはだんだんと埋まってゆきます。

また複数部署を経験するからこそ「生産現場と営業の連携が取れていないといった」問題点も見えてきますし、職場のカイゼンにもつながってゆきます。

そのほか、定期的な人事異動は社員間の交流を図るのにも役立ちます。

例えば仲の良かった先輩が営業へ移動したとすれば、営業に気軽に問合せができるようになりますよね。それは単純に「仲が良い先輩だから」という理由です。人事異動が無ければこういった交流は生まれません。

あるいは営業中に顧客から得た様々な情報を古巣である生産現場にフィードバックするなんてことも生まれますよね。

このように、職場を活性化させるため、定期的な人事異動が行われるのです。

若手にはよくある人材育成

人材育成のために人事異動を行うというのも良くあるパターンです。一つの部署だけでずっと仕事をしていますと、どうしても視野が狭くなってしまいます。それでは将来的に会社背負う人材は育ちません。

経理的な視点、人事的な視点、現場の視点、営業の視点などなど、様々な視点を持った人材を育てるためには本人に経験させることが一番です。そのため、若手人材はできるだけローテーションさせるという会社は多くあります。

なお人材育成のために移動させる場合、一般的に将来有望な若手から選ばれるものです。もしあなたが移動を命じられたのなら、将来有望な人材という証拠なのかもしれません。

そのほか、本人の適正を見極めるために定期的に仕事をローテーションさせるということも良くある話です。

人材の再配置のため

会社も仕事も生き物です。思いがけない商品がヒットして急な増産が必要になったり、あるいは予想以上にモノが売れず、急な減産が必要になったりなんて事は日常茶飯事です。

思わぬ大ヒット商品が生まれたのであれば、生産現場にも人が必要になりますし、営業だってここぞとばかりに力を入れます。

この場合、負荷を平準化するために人材の再配置が行われます。急に人を雇うワケにもゆきませんし、とりあえずは内部の人員で乗り切ろうとするワケです。

一方、予想もしなかった大コケですと、部署自体が無くなるなんて事も…。その場合にはなんとかほかの部署に人材を割り振るほかありません。

あるいは適材適所というのも人材再配置の良くある理由です。例えば妙にしゃべりが上手い人事がいたとすれば、一度営業の仕事を任せてみたいと考えるのは当然の流れです。あるいは現場改善などで妙に革新的なアイデアを出す人材がいれば、商品開発に抜擢するのも納得ですよね。

そのほか昇進・降格に伴う人事異動もあり得ます。「優秀な人材で昇進させたいけれどポストに空きがない…」なんて場合、人事異動させてでも昇進させるものです。優秀な人材は引く手あまたですから、然るべき評価をしなくては、すぐに転職してしまいます。

降格させる場合、あえて別の部署に異動させることもあります。同じ部署内で降格しますと、周囲もどう接して良いのか悩んでしまいますし、本人も居づらくなってしまいます。事実上の降格を人事異動というオブラートに包むということも良くある話です。

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不正防止

人事異動には不正を防止するためという側面もあります。同じ部署で同じ人員で仕事を続けていますと、仕事の役割は固定化されます。

誰もチェックする事が無いとわかっていれば、ついつい手を抜いたり、数字をごまかしてみたくなるものです。「納期ヤバいから不良品だけど今回だけ…後でつじつま合わせればよいから」のつもりがついついズルズルと不正を続け…。

経理担当者が会社のお金を使い込んだ程度であればまだマシで(もちろん大変な事態ではありますが)、不具合の隠ぺいが日常的に行われているなんて場合には最悪です。

公表すれば会社の信頼はガタ落ちですし、莫大な額の補償が発生することも。かといって公表しなくてそれが後でバレた場合には会社ぐるみでの隠匿ということになり…。いずれにしても地獄です。場合によっては会社の存続にかかわってきます。

そういった事を未然に防ぐために、人員の移動が行われるというワケです。人が定期的に入れ替われば、仕事の固定化も避けられますし、何より職場に緊張感が生まれます。

左遷や懲戒処分のため

イヤな話題ではありますが、左遷や懲戒処分としての人事異動もあるものです。縁もゆかりもない地方への出向や、やりたいとは思えない仕事への移動など、働く側にとっては一番いやなパターンの移動です。

ブラック気味の企業では「辞めさせるための移動」も残念ながら行われています。まったく仕事が無い部署で一日何をするでもなく、ただただ時間をやり過ごすだけの毎日…。はじめは楽でよいのですが、すぐにイヤになってしまいます。

事業方針のため

事業方針の転換による人事異動も良くある話です。事業を継続し発展させるためには、集中すべきところに人員を集め、不採算の部門は縮小してゆかざるを得ないものです。場合によっては部門自体が無くなるなんてパターンもあります。

この場合、部門自体が無くなるのですから、当然ながら移動せざるを得ませんよね。希望の仕事内容に就けるよう、祈るほかありません。

あるいは新規事業の立ち上げ時などには、大幅な人事異動が行われるものです。なにせ新規の事業ですから、幅広い知識を持ったチーム作りが欠かせません。

そういった場合、開発部門・生産部門・品質管理部門・設備管理部門・営業部門などなど横断的に人員が集められます。

新規事業部署への移動、新しい仕事に対し、やりがいを感じられる人であれば、これ以上ないチャンスです。一方で新しい仕事を重荷に感じてしまう人であれば、かなりやっかいな人事異動ともいえます。

人事異動の多い人の特徴は?

同期に比べ、妙に人事異動が多い人というのはどの会社にも居るものです。そういった人に共通している特徴は「すごく仕事ができる」 or 「すごく仕事ができない」の何れかです。

比較的大きめで、勢いのある会社ですと前者の「仕事ができる」パターンが多くみられます。将来の幹部候補生として、イロイロな仕事を経験させるための人事異動です。移動のたびにだんだんと役職も上がってゆきます。

一方で小ぶりな会社ですと、優秀な人材ほど囲い込まれる傾向にあります。「様々な仕事を経験させて、スキルアップを計りたい」と会社側も考えてはいるのですが、「目先の仕事を乗り切るため、優秀な人材を移動できない…」という現実があるものです。

小ぶりな会社でしょっちゅう移動させられる人は残念ながら「仕事ができない」と思われている可能性大です。部署のお荷物になってしまうため、何かにつけて放り出されます。そして猫の手でも借りたい部署がそれを引き取って…。その繰り返しです。

人事異動は拒否できるの?内示ならOK?

さて、ここまで人事異動の様々なパターンについてご紹介してきましたが、皆様に当てはまりそうな人事異動パターンはありましたか?

悩ましいのが、当てはまろうと外れていようと、人事異動がイヤという人にとって、イヤなものはイヤだという事実は変わらないということです。

そこで気になるのが「人事異動って拒否できるの?」ということですよね。

結論から言いますと、人事異動は基本的に拒否できません。おそらく就労規則には「業務上の必要性により、配置転換や転勤を命じることができる」といった一文が記載されているはずです。

この場合、人事異動は業務命令と解釈されます。業務命令に従わない場合、場合によっては懲戒解雇となってしまいます。それを不服として争ったところで基本的に勝ち目はありません。

「辞令じゃなくて内示の段階なら拒否できる?」なんて事が気になった人もいるかもしれませんが、内示の場合でも同じこと。基本的に業務命令として内示が出ていますから、拒否する事は基本的にできないとお考えください。

「じゃあどうしようもないのか…」と肩を落とされた人も多いかもしれませんが、特殊な場合によっては人事異動を拒否できる可能性もあります。

どういった場合が「特殊な場合」に当てはまるのか、次章で詳しく説明してゆきます。

人事異動を拒否できる理由

それでは早速人事異動を拒否できる特殊な理由についてご紹介してゆきたいと思います。人事異動を拒否したい皆様に、当てはまるケースがあるかもしれませんよ。

雇用契約書の内容と違う

もしあなたが「エンジニアとして働くために雇われた」であったり「○○地方限定で雇われた」という記憶があるのなら、まずは雇用契約書をチェックしてみましょう。

ひょっとすると雇用契約書の中に職種や地域を限定する旨が記載されているかもしれません。

この場合、職種や地域を越えて人事異動命令が出た場合には雇用契約違反です。従う必要性はないため、拒否する事が可能となります。

ただし、可能であることと、現実的に拒否できるかどうかは、また別問題です。

例えば「技術がわかる営業がいないと困るから少しの間だけでも…」とか「1年だけでよいから、○○営業所の若手を鍛えてやってくれないか」などなど、様々な説得が入ります。お世話になった人からのお願いですと、断りにくいですよね。

あるいは「戻ってきた時には〇〇のポストを空けておくから」なんて甘いお誘いがあることも。それを断るべきか否か、そして現実問題として断れるかどうか、悩ましい問題です。

家庭の事情

続いてご紹介する人事異動を拒否できるパターンは「やむにやまれぬ事情がある場合」です。

例えば「親の介護のために地元を離れられない」という人に対して、遠方へ移動しろというのは酷な話です。

あるいは、持病のためにどうしても大きな病院の近くに住まなくてはならない人も、そう簡単には移動できません。

こういった事情がある場合には、人事異動を拒否することも可能です。とはいえ。やむを得ない事情がある場合にはなるべく早く上司や人事に相談してください。代わりの人材を探し、調整しなくてはならないので、それなりの時間を必要とします。

移動予定日のギリギリになって「親の介護があるので無理です…」なんて伝えても「何をいまさら…」といったイヤな感じになってしまいます。場合によっては「嘘ついてるんじゃ…?」なんてあらぬ疑いをかけられてしまいます。

もちろん、急に親の介護が必要となる場合も現実的に起こり得ます。その場合はいたしかた無しです。

なお、自分自身の状況が「やむにやまれぬものなのか」悩んだ場合、まずは上司や人事に相談してみましょう。

ただし、あまりに正直に状況を話すと「あっ、じゃあ弟さんが近くに住んでいるし、大丈夫だよね!」などなど、強引に押し切られることもあるのでご注意くださいね。

会社や上司による嫌がらせ

例えば目障りな部下を遠方へ飛ばすなど、明らかに嫌がらせ的な人事異動も「権利の乱用」にあたるため、拒否する事が可能です。

ただし、この場合には「権利の乱用であること」を客観的そして明確に示す必要があります。時系列的に何があったのかを記録しておいたり、メールをきちんと取っておいたり、あるいは会話を録音しておいたりなど、かなりの労力を必要とします。

また、それだけの資料があったとして、上司もそう簡単に権力の乱用であることを認めることはないでしょう。かなりハードな戦いになることを覚悟しておいてください。

なお、そこまで上司と揉めている・いやがらせを受けているという人は、とりあえず上司とのやり取りを記録するクセをつけておきましょう。思わぬところで思わぬ記録が役立つものです。

人事異動が嫌なら転職すればいい

さて、人事異動を拒否する手段として「労働契約書に基づく拒否」「やむにやまれぬ理由による拒否」「権利の乱用であることを理由とした拒否」とご紹介してきましたが、当てはまらない人も多いかと思います。

そんな場合にどうすれば良いのか?答えはいたってシンプルで、「今の会社にはとっとと見切りをつけて、自分が望む職場環境での仕事を探す」というのが一番です。

上司から無茶な人事異動を命じられた人にとって、会社を去ることは負けのように感じられるかもしれませんが、そんな会社では遅かれ早かれ次のイヤなことが起きるものです。そんな職場環境はさっさと見限ってより良い職場を目指しましょう。

無理してイヤな職場環境で働く必要はありません!

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