既卒で就職できない人の理由?早くいい会社に内定をもらうコツはあるのか

転職・就職

学校を卒業してから1度も正社員として働いたことがない既卒者に対して、ネットでは「人生終了」なんて酷な言葉を投げかける人がいます。

確かに、新卒者と比べたら既卒者の就職が難しいことは否定できません。しかし、それだけのことで終わったという結論を出すのは単純すぎます。卒業と同時に就職できなかった人でも就活を成功させ、自分に合った仕事に就いている人もたくさんいるのです。

厚生労働省によると、2010年度からは新卒扱いで既卒者を採用する企業には奨励金を渡す制度を創設するなど、既卒者も就活を成功させる機会を増やすための風潮が強くなっていると報告されています。世間が既卒者の就活を後押ししているのに、当の本人が諦めてしまっては意味がありません。

既卒者も積極的に就職活動をすべきですが、新卒者と同じ方法では思うように内定がもらえない可能性があります。この記事では既卒者の就職に関する現状と、就活を成功させて内定をもらうためのコツを紹介します。

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既卒の就職が難しいのは事実なのか

就職・転職情報サービスのマイナビが実施した「2018年度就職活動調査」によると、大学や大学院を卒業・修了した後、おおむね3年以内に該当する既卒者の内定率は、45%だったそうです。

ちなみに2012年度に同じ調査をしたときの結果は、23.6%でした。既卒者の就活を成功させようという世間の動向もあってか、数字は上昇しています。しかし、今後この数字が伸びるとは断言できず、45~50%前後で横ばい状態になるという見通しが強いです。

一方で新卒者の内定率は上昇傾向で、2018年度の調査では83.4%に達しています。こうした傾向から、やはり就職は既卒者より新卒者の方が有利だということは否定できません。

しかし、「人生終了」とまでいわれる既卒者も半数近くは正社員になっていると思えば、少しは明るい気持ちになりませんか?しかも内定をもらえていない残り半数の既卒者も、就職活動のやり方を見直せば内定をもらえる可能性が残っているのです。

既卒者が就職できない主な理由

そもそも、なぜ既卒者は内定をもらえないのか?そこには既卒者という立場に対するコンプレックスや、就職することへの思い込みといった理由があります。既卒者でも内定をもらっている人たちは、こうした障壁を乗り越えてきているのです。では、具体的に既卒者が就職できない理由について説明しましょう。

面接時のやりとりに問題あり

特別なスキルを持たない既卒者だからこそ、面接で見せるコミュニケーション能力やアピール力は重要です。しかし既卒者のほとんどは面接が苦手です。

既卒者が面接を苦手とする理由はいろいろあります。単純に慣れていない、緊張する場面で話すことが苦手というのも当てはまるかと思います。しかし一番の問題は、負い目を感じながら話をするため、内容が曖昧で相手に伝わりにくいということです。

既卒者といってもまだまだ若いのですから、ポテンシャルや熱意を感じるところがあれば、企業側からすれば採用したいと思います。しかし、自分に自信がなく、熱意は感じられず、質問に対して明確な答えを返せないようでは、相手の人間性を見ることができないのです。

このように、既卒者は自分の本当の良さを伝えきれないまま不採用通知を送られている可能性があります。

自分が何をどうしたいのか?明確な理由を持ってない

既卒者の中には、「自分は何をしたいのか分からない」「将来どんな仕事に就きたいか分からない」といった迷いを学生時代の頃から抱えている人もいます。迷いが多いので、当然ながら就職活動に専念できません。熱意をもてないままとりあえず応募して、結局不採用だったという経験を何度もしたことがあるという人も多いことでしょう。

企業側はこれまで何百人、何千人と応募者を見てきているのですから、なんとなく応募した人というのはすぐに分かります。そして人材育成もコストがかかるのですから、熱意のない人を採用しようとは思いません。

テレビCMや広告で「好きなこと・やりたいことを仕事にしよう」というキャッチコピーが多く飛び交うためか、多くの人が好きなことを仕事にしなければいけないと思い込む人も少なくありません。しかし、仕事にしたいほど好きなことがそもそもないという人や、好きなことと仕事が結びつかないという人も多いことでしょう。

そういった人は、好きなことを仕事にしなければいけないという思い込みを捨てるのが得策です。マイナビの調査によると、実際に好きなことを仕事にしている人はわずか39%。半分にも満たない数字です。好きな業界に就職できなくても「細かな作業をコツコツ続けるのが得意」「人と接するのが好き」といった性格的な適正で自分に合った仕事を見つけることもできるのです。

こだわりの問題

「どんな仕事に就きたいか分からない」という人がいる一方で、「絶対にこの仕事じゃないと嫌だ」という思いが強すぎるせいで就職できない既卒者もいます。熱意があるのは良いことですが、こだわりが強すぎるとかえって自分の可能性の幅を狭めてしまう原因になります。

こだわりが強すぎる既卒者の傾向は大きく2パターンに分かれます。ひとつは特定の企業に執着するケースです。特に大手企業を狙う人に多く、「この企業以外は就職したくない」と思い込むせいで、仮にほかの企業で内定をもらっても就職できないまま年数を重ねることとなります。

大企業への思いが強すぎる人は、大企業に就職することがゴールになってしまっています。肝心なのは就職した後でどのようなスキルを身につけ、どんなキャリアを描きたいかということです。就職後の自分の姿をイメージすると、意外とほかの企業でも理想とするキャリアを歩めることに気づける可能性があります。

もうひとつは特定の企業を狙うのではなく、漠然と「こんな会社で働きたい」という理想が高すぎるケースです。あまりに高すぎる年収を希望したり、勤務地を絞り込みすぎたりといった方法で応募先を選ぶと、選択肢が少なくなって就職活動が困難になります。

既卒者が就職するためのコツ

先述の通り、既卒者が内定をもらおうと思ったら新卒者と同じ方法で就職活動をするのは間違いです。既卒者と新卒者は立場が違うので、しっかりと戦略を立てて就活を成功させましょう。ここでは既卒者が就職するためのコツを3つ紹介します。

自己分析をしっかりして自分を見極める

学生の頃の就職活動でも自己分析を行ったと思いますが、既卒者が就職活動をする際には、これまで以上に自分と向き合うことが大切です。学生の頃に頑張ったことを振り返ることは大切ですが、企業側は最近のあなたがどんな風に過ごしてきたかの方がより興味があります。

卒業後フリーターとして過ごしてきたのであれば、アルバイト経験を振り返り、どんなスキルを培ってきたのか、どのようにしてアルバイト先に貢献したのか、そして自分にはどんな適性があるのかを明確に述べることができるようにしておきましょう。

そして肝心なのが、自己分析した結果を応募先の企業のニーズと関連付けることです。

たとえばコールセンターに勤めていた人が旅行関連の会社に応募するのであれば、単純に電話応対の経験があると伝えるのではなく、「1日何件のクレーム応対行い、対応の良さが認められお客様に褒められた」「海外のお客様も対応した経験があり、現在は英語を勉強してTOEIC900点を目指している」といった具体的なエピソードも加えると良いでしょう。

上記の例のようにまだ資格を取得していない段階でも、勉強中である旨を伝えることも自己PRにつながります。

今まで無職だった理由をきちんと話せるようにする

既卒者を採用するにあたって企業側は最も気になることは、なぜあなたが新卒ですぐに就職しなかったかということです。特に無職だった場合は注目されるため、面接でこの質問を避けることは不可能に近いです。

既卒者が就職できるかどうかは、このブランク期間をどれだけ上手に伝えられるかということにあります。あなたが卒業後無職の日々を過ごしていたのであれば、どんなことをして過ごしていたのかを適切に説明できるようにしておきましょう。

そうは言っても、海外留学をしていた、家族の介護をしていたといった、やむを得ない理由を除いては説明するのが難しいというのが正直なところでしょう。しかし、ここはあえてポジティブに伝えられるように気持ちを切り替えることが大切です。

たとえば「こだわりが強すぎて特定の企業ばかり応募していたせいで内定がもらえなかった」というケースを例にとってみましょう。「最初はこの業界の仕事に就きたいという気持ちが強かったが、就職活動を通して業界のことを知っていくうちに自分が本当にしたい仕事は別のことだと分かった」と伝えれば、妥協して応募したのではなく、紆余曲折を経て応募先の企業を選んだのだという熱意が伝わります。

ブランクの期間も、よくよく振り返れば学生時代にはなかった学びを得た瞬間がきっとあるはずです。そこにスポットを当てて、前向きにブランク期間について話せるようにしましょう。

就職活動を本気でやる

既卒者の半数が就職できない理由で最も問題なのが、そもそも就職活動を本気でしていないということです。

就活していると言っても月に1社応募するかどうかといった状態だ、応募先の企業について何も調査していない、書類を十分に用意していないし面接対策もしていない‥これでは内定がもらえなくても仕方がありません。

改めて言いますが、既卒者の就職は新卒者よりも困難です。だからこそ、新卒者だったころ以上に本気で就職活動をしなければいけません。そして本気で就職活動するうえで欠かせないことが自己分析であったり、ブランクについてきちんと話せる準備であったりするのです。

既卒者はブランクが長くなるほど就職が難しくなりますし、本人も就職に対する熱意がなくなってきてしまいます。そうなる前に、いま一度気持ちを奮い立たせて就職活動を始めることが大切です。

しかし、自分を客観視することが難しいのも正直なところ。どんなところに適性があるのか、どんな経験をスキルとして職務経歴書に書いて良いのかといった迷いが生じる人は少なくありません。そんな場合は転職エージェントを活用するのがおすすめです。

転職エージェントに登録すれば、プロの目線であなたの適性やスキルを見抜き、自分の売り込み方をアドバイスしてもらえます。また、既卒者や未経験歓迎の仕事も紹介してもらえるので、自分に合った仕事を見つけやすいのも魅力的です。

転職エージェントというとすでにキャリアを築いている人のためのものと思われがちですが、既卒者の就職をサポートするサービスも数多くあります。

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