仕事に行きたくない…。そう思い始めてから何とか頑張って通勤しているけれど、重い足取りで思わず反対方向の電車に飛び乗ってしまいたくなるという人がいます。
同僚や上司の顔を見ているだけでイライラ、仕事中にもイライラの方が勝ってしまい、集中できなくて仕事の効率もすっかり落ちている…。
なんだか体調も優れないような感じで注意力も散漫になり、もう仕事を辞めるしかないのだろうか?と揺れ動いている人におすすめの、イライラ解消法を紹介します。
自分のわがままなのかもしれないとひたすら我慢を重ね、感情にフタをしてしまったり、頑張り過ぎて疲弊し、何もかも嫌になってしまったりする前に、1日も早く自分でできるケアを試してみることが大切なのです。
仕事でイライラしてしまう原因
一口に仕事でのイライラと言っても、その原因は十人十色です。しかし共通して言えるのが『心身ともに、大きなストレスがかかっている』ということです。
仕事場での人間関係や業務内容での難しさ、家庭や育児などプライベートでの悩み、健康問題、精神的なダメージなど、そのストレスの種類は多岐にわたっています。
イライラせずに仕事ができるようになるためにはまず、自分の仕事でのイライラの原因をしっかりと突き止めておく必要があります。
ストレス
人間が生きている限りストレスを全く感じずに過ごすということは、ほぼ不可能だと言われています。
必ずしも仕事だけにストレスを感じるのではなく、結婚や離婚、ペットや大切な人の死、引っ越しや部署替えなど人生の転機や節目と呼ばれている物事でも、人は大きなストレスを感じるのです。
しかし、毎日長い時間を過ごさなければならない『職場』という環境で特にイライラするというのは、それだけストレスの度合いも心身への負担も大きいと言えるでしょう。
仕事がらみのストレスの種類には、大きく分けて次の3つが挙げられます。
- 人間関係
- 業務内容
- 健康問題(生活習慣)
『人間関係』に問題を抱えることは、社会人に限らずどんな立場にある人でも、生きていくうえで、多くの人のストレスの原因になっているものです。仕事が多少うまくいっていなくても、その感情を分かち合える仲間がいる、上司が支えになってくれる、部下も前向な姿勢で付いて来てくれるとなれば、ストレスは軽減され、前向きになれるものです。
それがうまくいかない、とても苦手(嫌い)な人がいる、パワハラやモラハラが行われているともなれば、その人間関係はストレスでしかないのです。
『業務内容』というのは、自分のやっている仕事内容が合わないと感じていたり、自分なりに努力しているけれど、キャパシティーを超えた内容をこなさなければならなかったりという、課せられている仕事自体が大きなストレスになっているケースです。
>>もう無理で嫌な仕事の「限界サイン」は見逃すな!仕事辞め時のサインとは?
『健康問題』は、すでに持っている疾患だけでなく生活習慣が不規則で、食習慣も乱れてしまっていることから体調が悪化して、健康を害していることが原因でストレスを感じている状態のことです。生活習慣の改善や疾患の治療によって、仕事へのイライラが軽減される場合もあります。
仕事に追われている
ブラック企業という言葉がすっかり浸透しています。
名だたる有名企業でも、実はものすごく過酷な条件下での労働を社員に押し付けていて、悩んだ末に自殺に追い込まれたり、過労死したりしてしまったりというのは珍しいことではなくなりました。
第7回ブラック企業大賞2018
※ノミネート企業1.株式会社ジャパンビジネスラボ
2.財務省
3.三菱電機株式会社
4.株式会社⽇⽴製作所・株式会社⽇⽴プラントサービス
5.株式会社ジャパンビバレッジ東京
6.野村不動産株式会社
7.スルガ銀⾏株式会社
8.ゴンチャロフ製菓株式会社
9.株式会社モンテローザ
「自分の仕事量は多すぎて、いつまでたっても終わらない…。」と感じている場合や、家に仕事を持ち帰って休日も返上で仕事をしているとしたら、まさに仕事に追われているという状態なのかもしれないのです。
[box class=”box_style_gray” title=”仕事に追われている状態かどうかのチェック”]
- 一人で行う仕事をしている
- 周りに相談できる人がいない
- 万年残業状態
- 細かい作業が多い
- ミスを繰り返してしまう
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このような症状は、大きな組織に居たとしてもシステムエンジニアなど『1人で専門的な仕事を請け負っている部署』の人に特に起こりやすく、仕事量の多さや作業の細かさで疲れがたまっていきます。
納期が迫ってきても対応できるのは自分だけしかいない…。と、どんどん自分を追い込んでしまうことによってストレスが強くなっていくのです。
結果としてミスを繰り返すようになり、叱責されて自身を失うなどますます孤独感を強めるケースもあります。
理不尽
他人は自分の思い通りにコントロールできるものではないとわかっていても、その度合いが度を越したものだと、人は我慢の限界を超えてイライラしてしまいます。
どんなに頑張っても正しく評価されず、他人が自分の手柄のように横から奪っていく人がいるなどあまりに理不尽な職場では、『人間不信』になってしまいそうです。
またその逆に上司がミスをした場合に、部下である自分のせいにされるなどマイナス面では前面に出されてしまうなど、とにかく納得のいかないことが連続して起こる仕事環境にいる場合、イライラするのも無理はないでしょう。
>>仕事や上司の理不尽でストレス・イライラ!理不尽の対処方法
過労による睡眠不足や疲労
朝起きられない、せっかくの休日も目覚めればすでにお昼過ぎ…。という状態になっているなら、身体的にも過労が蓄積してしまっているのかもしれません。
食生活を始めとする生活習慣を見直しましょう。
[box class=”box_style_gray” title=”生活習慣チェック!”]
- コンビニ弁当やジャンクフードが多い
- タンパク質が圧倒的に不足している
- カルシウムが圧倒的に不足している
- 朝ごはん抜き、もしくは菓子パン、お菓子が朝食代わり
- 過度の飲酒や喫煙の習慣が辞められない
- 運動を全くしない
- 睡眠時間が6時間以下
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どんなに給料を多くもらっていても、『食生活は悲惨な状態』という人が増えています。コンビニ弁当やファストフードを食べてやり過ごしている人です。
手軽で安価ではありますが、多くの食品添加物が含まれた食事は確実に体を蝕んでいきます。
そして仕事でのイライラに悩む人に限らず、日本人は世界的に見ても『タンパク質』が足りません。肉や魚、豆腐などの大豆製品、牛乳やチーズなどを意識して摂り入れるようにしましょう。
また、イライラと言えばカルシウム不足が挙げられることはよく知られていますが、カルシウム単体では吸収が悪いといわれています。吸収をよくするためにはビタミンDも一緒に摂ることです。ビタミンDは魚やきのこ類に多く含まれているので、組み合わせて摂るとよいでしょう。
『運動不足』はデスクワーク中心で座りっぱなしの人に起こりやすく、全身の血流が滞るので代謝が落ちて冷えなどの不調につながりやすく、むくみや肥満の原因にもなります。
めぐりの悪い体ではよいアイディアも生まれにくく、老化を進行させて仕事への意欲が湧かなくなってしまいます。
そして『睡眠不足』は仕事の効率を下げるだけでなく、物事を前向きに考えられないメンタルを作ってしまいます。
これらに当てはまる場合にはできるだけ早く対策を取る必要があります。
>>毎日終電まで仕事するのは辛い!残業で終電まで働くリスク。残業代なしなら即転職
仕事中のイライラを解消する方法
これまで仕事中のイライラの原因であるストレスの元になるものについて解説してきましたが、ここからは実際にイライラを解消するにはどうしたらよいのかについてみていきましょう。
仕事のやり方を工夫したり、自分だけの力でなにもかも抱え込まないようにするために他人の力を借りたりする勇気も必要になりますが、結果として気持ちが軽くなりイライラしにくくなっていく方法を7つ集めてみました。
人に仕事を振る
仕事にイライラする人の特徴の一つとして、すべてを自分1人で抱え込んでしまっているという場合があります。
あきらかに自分の能力以上の仕事量をこなし続けるのは、心も体もいずれ壊れてしまいます。イライラしながら仕事をし続けるのではなく、作業の分担と効率化作業の分担と効率化を冷静な目で計画してみてください。
そしてその案を自分だけでまわりに割り当てるのは難しい場合には、上司や担当責任者にわかりやすくテキストなどにまとめて交渉します。
イライラが募っている状態のままで、口頭で他人に仕事を振るのは考えが伝わりにくいので、少し時間をかけてわかりやすく分担化を決めることがポイントです。
仕事をやらない
思い切って休むことも大切です。仕事にイライラする人は「休めない」という人が多いものですが、仕事中の休憩すら自分には許されないと思い込んでいる状態になっていることがあります。
これはとても危険です。しっかりと休憩を取って、時には早退してしまってもOKです。始めは罪悪感にさいなまれるしまう人もいるかもしれませんが、あえて休んでください。
そして有給休暇が余っているなら、思い切って長期間休みを取るのもおすすめです。有給休暇はその会社で認められた『休む権利のある日』です。
旅行に行ったり、ひたすら仕事のことを忘れられることに打ち込んだりするのです。
まわりの人が有給を使っていないのに自分だけ休めないと思うかもしれませんが、その場合有給休暇を使っていない人だけにフォーカスしているからです。
それなりに社員数がいる会社なら、有給休暇を満喫している人が必ずいるものです。
社員全員が有給なんて名ばかりでだれも使っていないというのなら…それはちょっと問題だと考えるべきでしょう。
>>もう無理で嫌な仕事の「限界サイン」は見逃すな!仕事辞め時のサインとは?
仕事に没頭するのは程々にする
自分には仕事しかないと思い込んでいる場合も仕事にイライラします。仕事に打ち込む、没頭するのは素晴らしいことですが、それしかないとなってしまうといずれ『燃え尽きてしまいます』
趣味や好きなことに打ち込む時間を『作る』のです。すっかり仕事人間になってしまっている人は、少し勇気を出して仕事をしない時間を作らなければ何時まで経っても同じ日々の繰り返しになってしまいます。
いきなり時間を取ることが難しい場合には、15分くらいでもよいので好きな音楽を聴いたり、本を読んだりするだけでも良いのです。
そこから少しずつ時間を伸ばしていきましょう。気づいたら、仕事のことを忘れることができていたという感覚が大切です。
作業する場所を変えてみる
会社の業務形態にもよりますが、近年は働き方のスタイルも多様化しています。パソコンなどをもってカフェなどのネット環境の整った別の場所で作業してみるのもおすすめです。
見える景色や周りにいる人が変わるだけでイライラはかなり軽減されるでしょう。テレワークなど、家での作業を許可してくれる会社も増えています。
精神的に安定して作業ができる場所で仕事をすることによって、身体的にも健康になり、作業効率も上がると感じるならば、オフィス以外の場所での働き方を会社に打診してみるのも一つの方法でしょう。
責任転嫁ではなくて自分の否も考える
仕事でのイライラには、環境や周りの人間の態度や仕事ぶりが大きく関係していることは確かです。
しかし、自分にはまったく非がないと考えるのは少々乱暴です。
自分だけが多くの仕事を抱えていると感じたり、部下がまったく指示を聞いてくれない、上司が嫌味な態度ばかりしてくると感じたりするのには、原因があるのです。
しかも自分にもその原因があるとしたら…と振り返ってみることも大切です。すべてを他人や環境、ひいては社会のせいにするのは簡単ですが、それではなかなか仕事でのイライラは改善されません。
自分の指示がわかりにくかったのではないか、言動や態度が悪かったのかもしれないなど反省することも忘れないようにしましょう。
『他人は自分の鏡である』という言葉もあります。自分にも否があるかもしれないと思いながら行動することで、まわりの態度も変わりイライラが軽減されることもあるのです。
深呼吸をする
仕事中にどうにもイライラしてきてしまったら、まず一番に行ってほしいのが『深呼吸をする』ことです。
イライラしていたり、怒りや悲しみに包まれていたりする時というのは思わず息を詰めてしまっていることも多く、呼吸が乱れて早くなっていることが多くあります。
イライラをなんとかしようとするのではなく、『イライラしていない状態の呼吸』の状態にあえて戻すのです。呼吸を整えることによって、乱れていた自律神経が整っていきます。
それによってイライラもやがて鎮まってくる…。
イライラするとタバコを吸いたくなるという人もいますが、タバコそのものよりも吸って吐く呼吸が、リラックスを呼び起こしているといわれています。
深呼吸して酸素をゆっくりと取り入れることで、健康を害さずに精神を安定させることができるのです。
マインドリセットができる呼吸法もあります。1分程度で行えるのでスキマ時間に行ってみましょう。
イライラ感情を露わにするのはNG
仕事に限らず、普段の生活の中でもイライラを始めとする、ネガティブな感情が顔や態度に現れる人がいます。
家庭の中でだれか一人がイライラモード全開の不機嫌顔で、言動やふるまいも荒れていたら近くにいる家族は恐怖感すら感じ、たまったものではありません。
会社も同じです。
イライラして口調がきつくなる上司に部下がビクビクしてしまい、ますますミスを連発したり、自分が不機嫌になることでいつの間にか関係のない人にまで不快な思いをさせたりしてしまう…。
つまりイライラしている嫌な雰囲気は伝染してしまうのです。
生産性も落ちてしまい、得られるメリットはほとんどありません。
そしてイライラ感情を露わにしてしまった本人が、後で自分を責めてしまうことも多く、その後の仕事の展開が不利になったり、同僚や上司、部下、取引先の相手にまで悪い印象を植え付けたりしてしまいます。
特に取引先の相手には『メンタルのコントロールの下手な人』というマイナスイメージを与えるため、信用問題にもなりかねません。
飲酒して仲のいい友人と話す
仕事でのイライラは、同じ職場の人にはなかなか話しにくいということも多いでしょう。そんな時には気の置けない仲のよい友人と話すことをおすすめします。
違う職業や立場にある相手に思い切って悩みを打ち明けることによって、思いがけない反応が返ってくることもあるでしょう。
できるだけ自分のことを認めてくれる「うん、うん」と話しを聴いてくれる相手だとベストです。
昔から知っていて何でも言い合える友達と、お酒を飲んでリラックスして楽しむのもストレス解消になります。
仕事にイライラしている状態のときは、どことなく『鎧』をまとっているような状態にあるからです。心も体も緩んでしまえる相手と過ごし、本音をぶちまける時間が大切です。
どこか気を張りすぎて、頑張り過ぎて顔はこわばり、体全体に力が入りっぱなしになっている状態を『やめる』のです。
そんな時間を持つことで、仕事のイライラとこれからどう向き合っていくのか、改善の糸口が見つかることも多いです。
自分ひとりで抱え込まず、仕事や会社という枠の中だけに閉じこもらないように周り全体を見渡してみましょう。
仕事でもプライベートでも自分の居場所をしっかりと持てること、見つけられることが『自分らしさ』を失わずに自分の人生を生きていける仕事をしたいものです。