親や祖父母世代の人の前で「うちの会社、安月給で嫌になるよ」なんて言おうものなら、「若いんだから当たり前」「生意気言わずにちゃんと働け」なんて言われることでしょう。
それもそのはず、親・祖父母世代は、現代の若者の安月給のリアルを分かっていないのです。
親世代が大卒初任給をもらった1990年代前半の初任給の平均額は、おおむね18万円以上。あなたがまさか、13~15万円の月給で「これじゃ安月給!」と不満に思っているなんて想像もしていないのです。
ではここで質問ですが、現代の20~30代はみんな月給が15万前後だと思っていますか?「うちも給料安いよ~」と言っている友人も、みんな手取り月給13~14万円くらいだと思っていますか?
そう思っているとしたら、大きな間違いです。2010年以降の大卒初任給の平均は、親世代を上回る20万円を記録しています。なんと、月収13~15万円のあなたは非常に大きな損をしているのです。
このまま、月給13~15万円の生活を続けていて良いのでしょうか?実際問題、今の月給だと生活費や未来への預金などにどんな影響が出るのでしょうか?そして、今より月収を数万円増やすだけで得られるメリットについても解説します。
手取り13~15万円で一人暮らしするとギリギリ生活
手取り13~15万円のあなたは、現在一人暮らしをしているのでしょうか?それとも将来的に一人暮らしをしたいと思いつつ、今は実家で暮らしているのでしょうか?
いずれにしても、手取り13~15万円の生活をこれからもずっと送り続けることは困難です。生活費の内訳を大まかに計算するだけでも、それを実感することはできます。
ここでは、手取り13万円の20代の人が都内で一人暮らしをした場合を想定してみます。都内の家賃の相場は6~7万円なので、あえて少なく6万円と設定しましょう。内訳は次の通りです。
- 家賃:60,000円
- 食費:20,000円
- 電気代:5,500円
- ガス代:3,000円
- 水道代:3,000円
- 通信費:7,900円
- 保険料:10,000円
- 医療費:3,000円
合計:112,400円
この金額はあくまでも普通以下の部類なんですよね…
ちなみに食費は、3食自炊することが条件です。毎日職場に弁当を作って持っていかなければいけません。余談にはなりますが月2万円の食費ですと1日660円になりますが…1食あたり220円(苦笑)
自炊の苦手な男子には地獄ですよね…彼女がいれば弁当作ってくれます。しかし彼女の維持するのにお金かかるし…(苦笑)残された道はママ活でしょうか(嘘)
電気代は、エアコンが活躍する時期は1,000円ほど上がる可能性があります。通信費に関しては、スマホとは別にWi-Fiを契約している場合はプラス3,000~4,000円かかることも…
ただ、最近は格安SIM、格安スマホがあるので助かりますね。安月給のオジサンは使ってる人多いですよ。そんなに不便は感じませんし…
>>正社員で40 歳なのに手取り25万円はダメだろ!旦那が40代手取り25万円なら転職させろ!
医療費は全くかからない月もあるかもしれませんが、インフルエンザの流行期などに一気にお金を使う可能性もあるので油断できません。
こう考えると、手取り13万円の一人暮らしでは、娯楽や付き合い、貯金などにお金はほとんど回せないことが分かります。
中でも、人付き合いに気分よくお金を使えないのはストレスが溜まりますね。仕事でイライラすることがあって、ぱ~っと飲みに行きたくてもお金がないから自宅へ直行‥。これはフラストレーションが爆発しそうです。
しょせんは人生お金なんですよね…悲しい話にはありますがこれが現実ですよね。
まだお酒の付き合いを我慢するだけなら良いですが、冠婚葬祭など一気に数万単位のお金が必要な付き合いが生じたときは、窮地に立たされます。こちらはなかなか断れないですからね。
ちなみに都内の家賃相場は6~7万円と書きましたが、6万円で必ずしも良い住環境を得られるかと言えばそうではありません。場所によっては、辛うじて食べるスペースと寝るスペースがあるといった、非常に狭い古いアパートしか借りられないこともあります。
かと言って家賃が安いところに行けば都心から離れるので、通勤が大変になるという悪循環。通勤が不便になるのも長期的に見れば大きなストレスですからね。
>>通勤時間に1時間以上は無駄!長い通勤時間はストレスになるので転職しよう
画像引用元:SUUMO
こうして色んな面から見ると、手取り13万・14万・15万円の一人暮らしが、いかに難しいことか分かるのではないでしょうか?
貯金額はどれくらいあるものか
先述の生活費内訳の通り、手取り13万円の人が都内で一人暮らしをしたら、1か月あたりの貯金額は、多めに見積もっても1万円前後となります。ただし、これも飲み会や趣味といった楽しみを全て我慢した生活の場合です。手取りが14万円、15万円の人でも1か月あたりの貯金額は1~2万円程度と大差ないでしょう。
安月給の人は人生オワコンですよね…
都内を離れれば家賃が安くなるので、さらに1~2万円貯金額を増やせる可能性があります。しかし、郊外に住む場合は都内に住む以上に交通費がかかる可能性があることを見逃してはいけません。車で移動しなければいけない、路線バスや鉄道で遠距離を移動する機会が増えると数千円~1万円前後かかるので、貯金額は多めに見積もっても数万円程度、5万円を超えることは難しいと考えられます。
こういった経緯もあり、年収が300万円に満たない20代の約40%の人は、貯金がないと回答しています。
預金がないと急な入り用な時に親や友人…最悪はカードローンに頼ることになるので、正直いいとは言えませんよね。
貯金がある場合でも平均額は約69万円と、決して多いとは言えません。節約をしてどうにか残ったお金を少しずつ貯めるといたった方法でしか、貯金できないというのが、手取り13~15万円の人たちの現実です。
正社員が安定した立場であると言われても、将来に向けての貯えができないのは不安ですよね。
結婚や子育てはできるの?
貯金ができないと気になってくるのが、「手取り13~15万円で、将来的に結婚や出産・子育てはできるのか?」という問題です。
たとえばあなたが男性だとして、パートナーになる女性には専業主婦として家を守ってもらいたいと思ったとします。あるいは彼女が病弱なので結婚を機に正社員をやめてもらい、気軽なパートで数万円稼ぐくらいで生活していきたいという場合でも構いません。
いずれにしても、手取り13~15万円では、パートナーどちらかの稼ぎだけでもう1人を養って生活していくことはできません。悲しいことではありますが、これが現実なんですよね。
生活費内訳の通り、手取り13万円では自分を養っていくので精いっぱいなのです。もちろん、手取り14万円や15万円の場合も例外ではありません。
手取り13万円、14万円の人って
転職とか別の事考えないのかな。やりがいがあるかもしれない
けど、給料低かったら嫌じゃない?結婚して子供ができても
給料低いまま生きてくのかなwそんなの子供が可哀想だと思う😭
— Haruna (@h____ru___777) 2019年4月15日
>>派遣社員(契約社員)結婚の男性に結婚は無理だろ!結婚するなら転職して正社員になること
手取り13万円で結婚しようと思ったら、絶対に共働きでないといけません。もちろん、お小遣い稼ぎの数時間のパートでは間に合わないので、パートナーにもしっかりと働いてもらう必要があります。
相手も同じくらいの収入か、それ以上に稼いでもらえば結婚後も2人で暮らしていけるでしょう。
ただし、結婚は夫婦2人だけの問題ではありません。両家との付き合いも生じてくるので、どちらかの両親が病気などで介護が必要になった、親戚関係で冠婚葬祭の出費が必要になったという思わぬところでお金が出ていくことも想定する必要があります。
それを思えば、いずれかは手取り15万円の壁を超えなければいけなくなるでしょう。しかし手取り15万円あっても似たような感じ…待ってるのは極貧の生活ですね。
さて、ここまでの話はあくまで夫婦2人だったらの話です。手取り13万円で子供を産み、育てたいということになると大きく事情は変わります。
まず、何と言っても出産にはお金がかかります。地域によって差はあるものの、出産費の相場は、約49万円とされています。ただしこれは、産院に入院する金額と分娩費のみの合計額です。
産院もピンからキリまであるので、評判の良い産院に通いたい、通いやすい産院が高額なところしかないといった場合は、さらに出費が増える可能性があります。
さらに出産の際は、妊婦の検診やマタニティグッズの購入にもお金が必要です。これらもプラスすると、出産費用はトータルで60万円近くかかることもあります。出産には手厚い補助制度もありますが、それでも20万円前後は自分たちで負担する可能性が高いことを頭に入れておきましょう。
手取り13~15万円の夫婦の場合は、計画的に貯金して出産に備えておくことが大切です。もちろん、手取り自体を増やすことを考えることも必要でしょう。
そして、出産後はさらにお金がかかります。子供はすくすく育ってどんどん体が大きくなるので、ベビー服などをこまめに用意するだけでもお金がかかります。また、共働きで保育園に赤ちゃんを預けたいとなると、毎月数万円は必要になります。赤ちゃんは保育園などで風邪をもらって来やすいので、健康面の管理にかかる費用も見逃せません。
手取り13~15万円の夫婦には負担が大きく感じられるでしょう。また、これらはあくまで生きてくための必要最低限の出費でしかありません。かわいい子供が生まれたら、いろんな経験をさせてあげたい、一緒にたくさんの思い出を作りたいと思うのではないでしょうか?
しかし、手取りが少ない場合はこうした娯楽面に費やせるお金のゆとりがありません。自分たちだけでなく、子どもに可哀想な思いをさせるとなると、今のままではいけないと考えることになるのではないでしょうか?
実家に頼れば両親が孫のためにお金を出してくれるかもしれませんが、そればかりでは心苦しいですよね。
また縁起の悪い話ですが、万が一離婚してシングルマザーになった場合は、支援制度を使えばどうにか子育てをすることはできます。
しかし、子どもが大きくなるごとに習い事をさせたい、もっと教養を身につけさせたいと思うことでしょう。しかし、手取り13万円くらいの生活でこれらを実現することは難しいということも頭に入れておきましょう。
結婚して子どもを育てたいと思ったら、手取り13万円・14万円・15万円の生活は脱出するのが賢明です。
月給手取り13~15万円は搾取されている?
現在の生活から未来の結婚や子育てまで、月給手取り13万円・14万円・15万円では幸せをつかむことは難しいと実感できたことでしょう。
お金で幸せは買えませんが、幸せになるにはお金がある程度は必要なのです。
そもそも手取りが少なかったら、出会いに消極的になって結婚まで辿り着けないかもしれません。
冒頭にも書いた通り、2010年以降は大卒初任給でも20万円もらっている人はたくさんいます。正直なところ、手取り13万円は最低水準なのです。
画像引用元:https://www.nta.go.jp/
20代前半男性の平均年収は265万とされています。手取りが13~15万円の場合、年収は多く見積もっても200万円に満たないので、平均年収と60万円以上の差があることが分かります。
ちなみに20代後半になると、男性は年収が370万円を超します。女性でも300万円に手が届く範囲になるのです。
これを踏まえると、あなたの手取りはいかに少ないかということが分かります。しかし、あなたの手取りが少ないのはあなたに能力がないせいなのでしょうか?ほとんどの人が、そうではないはずです。
正直なところ、最低水準の給与しか支払わない今の会社に感覚を麻痺させられているのではないでしょうか?
100歩譲ってボーナスがある場合はまだ救いようはありますが、手取りが13万円であることに加えてボーナスまで支給されなかったら本当に地獄ですよね。そんな会社にずっといるせいで、「結婚や子育てといった未来まで描けなかったら‥」「貯金ができなくて将来が不安だらけになったら‥」これでは何のために働いているのかと言いたくなりませんか?
最低水準の給与しか支払わない会社に長く居すぎると、30代後半~40代で手取り16万円くらいしかもらえなくても何とも思わない程感覚が麻痺してくる可能性があります。幸せな人生を歩むために、適正な給与が支払われる会社を改めて探してみませんか?
あと数万円手取りが増えれば人生激変!
あなたの手取りを5万円増やすことは、それほど難しくありません。適正な給与が支払われる会社を探せば良いだけです。
そして、手取りがあと5万増えたらどれだけ幸せな生活が送れるかイメージしてみましょう。
一人暮らしをする場合、より広くて快適な築浅物件に住めることでしょう。通勤に便利な場所を選ぶのも可能です。
そして、1日3食自炊しなければいけなかった食生活に別れを告げて、外食も楽しめるようになります。これで人付き合いも活発になりますね。ちょっとした趣味や娯楽も楽しめますし、貯金額も増やせます。今の自分も未来の自分も幸せにすることができますね。
手取り18万円以上くれる仕事はたくさんある
手取り13万円にプラスするということは、手取り18万円の仕事を探すことになります。
手取り18万円の会社というと、「特別なスキルや資格が必要なのでは?」「学歴がないけど大丈夫?」と不安になる人もいるかもしれませんが、実は資格や学歴はそれほど大きな問題になりません。
たとえば女性が就くことが多い一般事務や営業事務でも、手取り18万円もらえる企業はたくさんあります。現在営業職に就いている男性は、職種を変えずに企業を変えるだけで手取りが5万円アップすることがあります。
>>男性が事務職に転職するのは厳しいの?男性でも事務職に転職できるコツ
オシャレなアパレル店の店員でも手取り18万円以上貰っている人はいますし、接客が苦手な場合はドライバーや工場内での作業スタッフでも構いません。
ここまで紹介した職種は、企業によっては手取り20万円もらえるところもたくさんあります。もちろん、手取りが20万円になったからといって、資格や学歴を問われることはほとんどありません。
今まであなたが培ったスキルでも十分に戦力になります。ここまで分かったら、手取り13万円の会社に縛られれる必要はありませんね。生活を豊かにするための初めの一歩を踏み出しましょう!