栄養士・管理栄養士を辞めたいと悩む理由とその対策方法

仕事の不満

国家資格が必要な栄養士は専門性が高い仕事です。健康を支える食べ物を扱うため責任はとても重く、深い知識と高い技術が必要になります。

しかし、人に寄り添う栄養学のスペシャリストではあるものの、給料はあまり高くありません。収入や待遇が仕事の内容に見合わないため、辞めたいと考える人は増えています。

さらに、職場は学校や保健所など多方面にわたるので、同じ栄養士でも給料や仕事内容には大きな格差があります。「1日立ちっぱなし」「早朝からの調理」など、職場によってはハードワークなうえに薄給です。

実際に働いてみないとわからない部分は多く、理想と現実のギャップに戸惑う人は少なくありません。栄養士の離職率が他の職業より高いことからも、その辛さは伝わってきます。

では、心から栄養士を辞めたいと考えた時、どのように対策をすればよいのでしょうか?多くの人が「辞めたい」と思う理由を紹介しつつ、解決法やおすすめの転職先を紹介します。

栄養士・管理栄養士を辞めたいと思う理由

栄養士を辞める理由として1番多いのは給料の安さです。職場によっても異なりますが、栄養士の平均年収は250~400万円ほど。日本の平均年収である432万円と比べると、かなり低いのがわかります。

栄養士より専門的な知識を持つ管理栄養士ですら、年収はさほどかわりません。実務経験や勉強を終えて管理栄養士にスキルアップしても、資格手当で数千円しか上がらないケースまであるほどです。

特に30代以降の昇給はほとんどないので、将来に不安を感じて辞める人は多くなります。さらに、休日が少なかったり、労働時間が長かったり、給料が安いのに仕事内容は過酷です。

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「清掃」「食事の介助」「事務作業」など、本来の仕事ではない業務を押し付けられることも。大人数の調理に関わらなければならないため、かなりの体力が必要です。

大量の野菜を切ったり、揚げ物をしたり、限られた時間で過酷な調理を終わらせなければいけません。水扱いで手が荒れますし、火を使う調理場はとても暑いです。

それら全てをこなしたうえで、栄養指導や献立の作成といった栄養士の仕事をします。ハードワークで体を壊してしまい、退職に追い込まれる人もいるのです。

また、病院や介護施設など、朝ごはんを提供する職場は出勤が早い傾向があります。食材の仕込みも仕事のうちなので、早朝の5時や6時に出勤しなければなりません。

シフト制を導入している職場が多いため、生活はとても不規則です。休みの日にも仕事をしなければならず、家族や友人との予定は合わなくなります。

もちろん、「アレルギー」「衛生」「安全」の管理は栄養士としてとても重要な仕事です。一歩間違えば命の危険があるため、重責がのしかかります。

給料に見合わない責任と重労働が、多数の方が辞めたいと思う主な理由です。さらに、栄養士特有である人間関係の難しさが、頑張って働いている方を追い込みます。

栄養士は女性が多い職業なので、派閥ができていたり、お局様がいたりといったことは当たり前です。仲間はずれやイジメがおこりやすいため、ストレスが貯まるのは間違いありません。

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栄養士という職業への無理解によって、不当な扱いをうけるケースは多々あります。「献立を考えている」「食べ物を作っている」程度の認識しかないため、周囲に苦労を理解して貰えません。

献立や調理に深く関わるため、調理師と一緒に働くのが当たり前です。栄養士という立場上、新卒でも年配の方に指示を出さなければいけません。

いくら丁寧に接していても、「偉そう」「生意気」と思われてしまう可能性は高いのです。協力できなければ仕事にも支障がでますし、孤立すればとても辛い思いをします。

職場の規模が小さいなら栄養士はたった1人です。先輩に仕事を教えて貰うこともできず、孤軍奮闘を強いられるでしょう。

もう無理!と悩んでるなら転職する

栄養士であれば、資格をとって管理栄養士になることで資格手当が支給されます。できる仕事の幅が広まりますし、給料のアップが狙えるでしょう。

人間関係は丁寧な対応を続けることでいつか改善するかもしれません。周囲の意見を聞き、理解して貰えるように説明を怠らないことが重要です。

ただし、ブラックな職場でいくら頑張っても、無駄な可能性は高いでしょう。辞めて転職をしないかぎり、ハードワークの解消は期待できません。

>>もう無理で嫌な仕事の「限界サイン」は見逃すな!仕事辞め時のサインとは?

一度こじれてしまった人間関係を正すのは、かなりの時間と労力が必要です。嫌いな相手に気を使いながら仕事をしていては、ストレスが貯まるばかりです。

栄養士を辞めたいと心の底から思うなら、早めに転職を考えてください。不毛な努力を続けるより、給料や待遇が良い職場を見つける方が確実です。

この項目では栄養士におすすめの転職先を紹介します。転職の成功確率を上げるためのアドバイスもあるので、栄養士を辞めたい人はぜひ参考にしてください。

資格を使って転職する

栄養士の資格は様々な業界で役立ちます。需要が高く将来性がある職業なので求人は多く、選択肢が沢山あるのです。

・スポーツジム
・幼稚園
・学校
・福祉施設
・介護施設
・保健所
・食品メーカー
・病院

などなど、職場によって仕事内容や給料に違いがあるため、転職するだけで悩みが解消できます。苦労して取得した資格を十分に活かしつつ、よりよい働き方ができる求人を探しましょう。

たとえば、顧客に食事のアドバイスをするパーソナルジムの栄養士なら、キツい調理はほとんどありません。痩せるためのメニューを組んだり、相談に乗ったりといった仕事が主なので、「栄養士は嫌だ」と感じる人にもおすすめです。

スキルアップを目指す方なら、管理栄養士として療養食を考える病院勤務が良いでしょう。食品メーカーならば商品の企画や開発に携われますし、子供が好きなら幼稚園という選択肢も有りです。

また、薄給な栄養士ですが、公務員なら年収の大幅アップが狙えます。「管理栄養士」であれば、保健所や保健センターへの転職を目指すのが良い方法です。

公務員試験への合格が必須で倍率は高めですが、年収は民間と比べ物になりません。土日祝日が休みで福利厚生も充実しているので、働き方を1から見直したい人はぜひチャレンジしてください。

ただし、学校や介護施設のように大量の調理が必要な職場は、肉体的・精神的に辛いです。重い食材や調理器具を運んだり、調理師との関係が難しかったりととても大変なので、避けたほうが良いでしょう。

異業種へ転職する

どうしても栄養士として働くのが嫌なら、違う業種で転職先を探しましょう。栄養士として培ってきた経験を活かせる職場は、異業種にも沢山あります。

女性ならば未経験可の求人が多い事務職がおすすめです。デスクワークなので体力的な負担は少なく、働く時間はある程度決まっています。

転勤がなく定時に帰宅できることが多いので、結婚や出産を考えている方に最適です。転職すれば1からオフィス業務やパソコンのスキルが学べます。

栄養計算や書類作成など、栄養士がパソコンを使用する機会は少なくありません。事務の仕事にも役立つので、転職活動でも有効なアピールポイントになるでしょう。

また、調理師で身につけたコミュニケーションスキルを活かすのも選択肢の一つです。営業職は他の職種と比べて圧倒的に求人が多いため、様々な業界に挑戦できます。

顧客の信頼が評価に直接つながるので、実力でどんどん出世できます。契約すればするだけ収入があがる歩合制ならば、年収の大幅アップも夢ではありません。

>>実力主義の会社へ転職をするメリットデメリットは?実力主義なら外資系?

食品メーカーの営業なら、栄養士として培ってきた知識が役立つ場面は多いでしょう。厳しいノルマをこなす自信がないのであれば、決まった顧客を相手にするルート営業がおすすめです。

管理栄養士として研究職に就いたり、アパレル関係でオシャレな販売職として働いたり、可能性は1つではありません。栄養士より給料や待遇が良い職場はいくらでもあるので、積極的に異業種の求人をチェックしましょう。

>>30代で未経験の業種(職種)に転職するのは厳しいの?

栄養士・管理栄養士を辞めたい人への転職アドバイス

「栄養士は嫌だ」という気持ちだけで求人を探しても、転職活動は成功しません。まずは自分がどうして転職したいのか、明確にすることからスタートしましょう。

辞めたいと思った理由をリストアップすれば、求人選びの目安になります。「調理が嫌ならパーソナルジム」「子育てと仕事を両立したいなら事務」というように、現在抱えている悩みを解決できる職場が、転職先として理想的です。

栄養士をやっていて「辛い」「キツい」と思ったことでも、転職活動に活かせます。面接の時に経験として上手にアピールできれば、採用率があがるはずです。

一番避けたいのは転職先でまた失敗することです。良い働き方を実現できるような職場を見つけられないと、また同じことをくり返してしまいます。

転職エージェントを利用すれば、無料でプロのアドバイスが貰えます。あなたに合った職場探しを徹底的にサポートしてくれるので、本気で転職したいならぜひ利用してください。

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