正社員と違って、派遣社員は雇用先と派遣先が異なるため色々と迷ってしまいますよね。退職理由でごねることなく気持ちよく手続きしてほしいから派遣会社とは揉めたくない。なるべく詮索されず、派遣会社が納得してくれる理由はないものか。
そんなあなたに、今回は派遣社員を辞めたい!と思ったときにスムーズに辞められる方法を紹介します。
あなたの示した退職の意思に対して待ったをかけられるのは雇用主である派遣会社だけです。ですから、正しくは派遣会社が納得してスムーズに辞めさせてくれる方法という内容になります。
間違った行動をしたために派遣会社とトラブルになってしまった…なんて避けたいですよね。
辞めたいと思ったときにまず相談すべき人から、気持ちよく辞められるタイミング、無駄に引き止められない退職理由まで。ひとつひとつ丁寧に見ていきましょう!きっとあなたの悩みを解決する手助けになるはずですよ。
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今すぐ派遣社員を辞める手順
アルバイトでも「明日から来ません」は通用しないので今すぐ辞めるのは難しいのですが、辞めたいと思ったときにするべき事はたったひとつ、派遣会社に相談することです。
あとは派遣会社と派遣先との話し合いになりますし、手続きも派遣会社とのやりとりになるのであなたが頑張る必要はありません。
派遣先で社員と仲良くしていれば色々と個人的に退職理由を聞かれることもあるでしょうが、正直なところ派遣先に引き止められて辞められないという事態は考えにくいです。
あるとすれば、最初に相談する派遣会社に引き止められる可能性。派遣社員が辞めるということはそれだけ派遣会社の収入が減りますので、辞めないよう説得されることは考えられます。
ただし派遣社員の中には派遣会社の人とあまり関わりがないという人もいて、すぐ辞めたい等の無茶は当然話し合いになりますが、そうでなければ退職を切り出しても意外と淡泊で事務的に話が進むことも珍しくありません。
辞める・辞めないは自身の判断ですが、タイミングや相談する相手を間違えると派遣会社に迷惑をかけてしまうため、その辺の筋は通しておく必要があります。
まずは派遣会社に相談をする
仕事を辞めると直接迷惑がかかるのは派遣先なので、ついつい親しい派遣先の社員に退職の相談したくなりますよね。
気持ちは分かりますが、派遣社員でいる以上あなたの雇い主は派遣会社。相談するなら派遣会社の社員もしくは同じ会社に派遣されている派遣社員のリーダーにするべきです。
会社によっては複数の派遣会社を使ってスタッフを集めている場合があるので、必ず自分の派遣会社のリーダーに相談してください。
自分ひとりしか派遣社員がいなかったり、リーダーという位置づけの人がいない場合は、自分で派遣会社にコンタクトをとる必要があります。
担当者や派遣会社の連絡先は分かっているはずなので、なるべく早く辞めたいならまずは電話で相談。急ぎではなく計画的に辞めるなら更新時の面接で直接相談するのも良いでしょう。
くれぐれも自分の雇用主が派遣会社であることを忘れないようにしてくださいね。
派遣先の人間に相談するのはダメ
同じ社内で仕事をしているとはいえ、派遣先にとってあなたは別会社の人間。派遣先の社員としては、そんな相談をされても困るんだけど…というのが本音です。
なにより、仮に相談された派遣先の社員が「辞めるらしいけど代わりはいつから来るの」と派遣会社に聞こうものなら、派遣会社側は「聞いてないです…」としか言いようがなく立場をなくしてしまうので最初に派遣先へ相談するのはやめましょう。
派遣先にとって取引しているのはあくまで派遣会社であり、あなた個人ではありません。例え契約を切られるときでも派遣先から派遣会社へ伝えられ、派遣会社からあなたへ話が下りてくるのが通常。
派遣社員である限り、パイプ役である派遣会社を除いた派遣先とあなたとの直接的な話し合いはほぼありません。
まどろっこしく感じるかもしれませんが派遣会社が間に入ることで残業代を含めた給与が保証されるなど、あなたにも恩恵があるのです。あなたと派遣先の間にいる派遣会社を無視する行為はルール違反と心得ましょう。
派遣社員も辞職願は早めにする
派遣社員という性質上、あなたが辞めるのであれば派遣会社は代わりの人員を探す必要があります。派遣先の仕事を滞らせることがないよう派遣先に見合ったスキルを持ち、タイミングよく働き始められる人がすぐに見つかる可能性はそうそうありません。
複数の派遣会社と取引がある場合に代わりの人員が用意できなければ、他の派遣会社に枠を取られるケースも珍しくないので派遣会社は必死です。仮に他の派遣会社がいなかったとしても、代わりを見つけられなければ信用の低下は免れません。
派遣会社は派遣先から支払われた給与から派遣社員への支払い分を差し引いた残りを利益として受け取っています。派遣する社員の人数が多いほど利益が上がる仕組みなので、逆に人数が減ると利益減に直結するのです。
退職する意思が固まったらすぐに相談!これが鉄則です。
正社員と違って「2週間前」は遅い!
辞めるなら2週間前までに言えばいいよね?と思っていませんか。2週間前というのは正社員の場合によく言われる期限ですが正社員でも2週間前に言い出す人はなかなかいません。
じゃあいつぐらいに言えばいいの?派遣社員って使い捨てのイメージあるし、そんなに早く言う必要あるの…?と思うかもしれませんが、派遣社員だからこそ早く言わなくてはいけない理由があるのです。
会社の規模にもよりますが、正社員が辞めるときには同僚や先輩に仕事を引き継いでもらいます。ある程度仕事の内容を把握している人にすぐ託せるわけで、退職後も連絡を取り合うことが可能ですよね。
それに比べて派遣社員の代わりは新人が入ってくるのと同じなので仕事自体を覚えてもらうところから始めなくてはなりません。教育や引き継ぎに時間がかかります。派遣社員同士も初対面で、連絡先を交換するほうが少ないでしょう。
・募集をかける
・派遣会社が面接を行う
・派遣先を紹介し、本人の意思確認
・派遣先が面接を行う
・派遣開始、引き継ぎをする
この工程を考えると2週間では足りないという意味が理解出来ますよね、1ヶ月は欲しいところです。派遣先の人間と喧嘩をして明日から出社しません!なんてもってのほか。
円満退社したいならば、更新の際に「次回更新のタイミングで辞めたいと思っている」と担当者に伝えるのが一番です。
もし契約期間が残っていたとしても、正当な理由があれば応じてもらえるはずなので心配しなくても大丈夫。決まったらすぐに相談することが、スムーズに辞めさせてもらえる大きなポイントですよ。
派遣社員をスムーズに辞める言い訳
辞めたいと思ったときに悩むのは退職理由ですよね。本来は一身上の都合で構わないのですが、突っ込んでくる派遣会社があるのも事実。そこは今後の人間関係もあるので納得してくれる言い訳が欲しいところです。
体調不良であったり家庭の問題であったり、思いつくところは色々あると思いますが、年齢や立場によって使い分けるとスムーズに事が運びます。
ポイントとしては本当の理由を伏せて辞めたいのであれば、退職理由をあまり詳しく言わないこと。そして辞めるという意思表示をはっきりすることです。
「ちょっと考え直してみませんか」と言われて曖昧に笑ったり、ズルズルと更新の書類にサインすると辞められなくなりますよ。
体調不良
派遣会社としても派遣先としても度々休まれるのは困るので、体調不良を理由にしてしまえばスムーズに辞めさせてくれるのでは?と思いますよね。
実はコレ、一番使える代わりに嘘だとばれやすい言い訳なのです。
よく考えてみてください。仕事を辞めなくてはいけないほどの体調不良を抱えている人って、度々休んだり具合が悪そうだったりしますよね?
皆勤賞で残業までバリバリこなし、飲み会にも参加するような人には使いづらい言い訳です。使っても良いのですが疑われるとかえって面倒くさくなることも。
それなら体調不良を言い訳にちょこちょこ休めばいいと思うかもしれませんが、下手な小芝居をすると病名や症状などを突っ込んで聞かれて診断書を要求される恐れもあります。体調が悪いのに保険証を一回も使わずじまいというのもおかしな話ですよね。
使うときには、例えば男性特有のあるいは女性特有の方面での調子の悪さをアピールすると相手が異性の場合は特に突っ込まれにくいですよ。
家庭の問題
意外と突っ込まれにくい言い訳が家庭の問題です。個人の問題と違って配偶者が関わってくると第三者は口を挟めませんよね。パワハラ問題もあってプライベートなことをズケズケ聞いてくる人も以前より少なく、無難な言い訳といえるでしょう。
・配偶者の具合が悪い
・親の入院、介護
・配偶者の転勤
派遣会社の人と生活エリアがかぶっていない人ほど使えます。
特に配偶者の体調不良などは、突っ込まれたときに言葉を濁しても怪しまれません。「踏み込んだこと聞いてごめんね」で済むことがほとんどのはずです。
たまに無遠慮な人もいるかもしれませんが、そこは毅然と「あまり気持ちの良い話じゃないので。ご心配ありがとうございます」で流しましょう。
さらに突っ込まれにくく興味を引かない言い訳は、親の介護や入院でしょうか。若い人にはちょっと使いづらい内容ですが、親の衰えを感じ始める30代後半以降であればおかしくはありません。
実家がちょっと遠くであれば、なお良しです。
転勤等は住所のことを考えると使えない言い訳のようですが、転送届を出しているので書類は現住所に送ってくださいと言えば問題ありません。もしくは実家の住所を伝えておくという手段もあります。
この言い訳を使う場合は同じ派遣会社を通じて再就職は考えていない場合でしょうから、後々嘘とばれても支障はないはず。
使いやすい言い訳ではあるのですが、プライベートな話を頻繁にしているようなら要注意。ふとしたところで矛盾点を突かれ、言葉につまる可能性もあるので用心しましょう。
自分には不向きな仕事
入って間もない時期であれば、これもありです。人間なので向き不向きはありますし、思っていた仕事内容と違っていたなんてことは実際ありますので、その辺りもついでに付け加えれば言い訳として使えます。
試用期間を設けているところがほとんどなので、特にその期間中であれば問題なく辞めさせてもらえるでしょう。
試用期間を過ぎたタイミングでも、最初に説明を受けた仕事内容とかけ離れた仕事だった場合には相談してみる価値があります。
気を付けたいのは「こういう仕事をさせてもらえると思っていた」「人と合わない、待遇が悪い」という派遣先に対する不満を理由にすること。これは口にしない方が無難です。
不満が解消されれば辞めないと思われ、最初からは難しいけれどゆくゆくは望みの仕事ができるとか、派遣先に掛け合ってみるから待ってと説得モードになる確率が高いので要注意。
もし説得モードに押し切られてしまった場合は少し間をおいて、やっぱりこれ以上は我慢できないから辞めると言い切ることをオススメします。
キャリアアップできない
派遣社員は、派遣先にとって仲間であって他所の人という微妙な立場です。即戦力を求められながらも大事なフォルダにはアクセスする権限がなかったり、プロジェクトのメンバーになれなかったりと寂しい思いをする場面も多いはず。
派遣先の社員ではないため当然キャリアアップなどは望めません。キャリアアップをするには派遣先の直接雇用になれば良いのですが、なかなか難しいのが現実です。
私の方が仕事はできるのに…と不満に思うことがあるかもしれません。ただ、派遣先としては面接やテストなどの難関をくぐり抜けて入社した正社員を主力メンバーにして仕事を盛り上げていきたいわけです。
有限契約の派遣社員にプロジェクトの途中で辞められる可能性もありますし、正社員を派遣社員の下に置くと不満が出るのは必至。
派遣社員でキャリアアップすることがなぜ無理なのか分かりますよね。
ただし、ある程度の規模の会社で経験を積んだなら、それを武器にもっとよい条件を探すのはあなたが持つ当然の権利。経験プラス役立つ資格を取得し、今の状態なら他でどのくらいの給与が期待できるかをリサーチしてみましょう。
その情報をもとに退職を切り出せば、止められる可能性は低いはず。派遣社員でいる以上、大幅なステップアップは職場を変えることでしか実現できないと派遣会社側も理解しているからです。
将来的に何をしたいかがハッキリしている人ほど、この言い訳には説得力が加わり話もスムーズに進みます。
ただし、同じ派遣会社を通してステップアップするつもりがない場合はごねられる可能性もあることを覚えておきましょう。
派遣のままでは将来不安
労働者派遣法で2015年に改正された3年ルールをご存じですか?同じ事業所に派遣できる期間「原則3年」というものです。
派遣社員という雇用形態で長年働いている人には衝撃的な内容だったので話題になり、テレビでも取り上げられました。
簡単に説明すると、3年を超えて雇いたいなら正社員に切り替えたり、無期契約に転換したり、労働者の生活が安定するように雇用形態を考えましょうねという改正だったわけです。
これだけ聞くと耳障りのよい話ですが、すんなり「じゃあ正社員にしましょう」となるかというと厳しいのが現実。正社員を雇いたくないから派遣社員という形態を利用している会社が多いわけですから、そう甘くはありません。
派遣社員にはとても厳しい内容。ただ、厳しいからこそ派遣のままでは将来不安なので正社員を目指したくなったという言い訳にも真実味を与えてくれます。
ただ、あまり3年ルールを表に出すと「じゃあ無期契約にしましょうか」と言われる可能性があるので注意してください。
辞めないよう不安を解消するための案を提示されると話がこじれてしまいます。
長年勤めても退職金も望めませんよね、不景気になれば一番先に切られますよね、それで正社員と同じ待遇受けられますか…と言えば、それ以上何も言われません。
とにかく派遣という枠から出たいんだ!という意思を伝えるのがポイントなのです。
正社員のほうが得である
そんなの最初から分かりきってるじゃない、今さらそんなこと言うの…と呆れられそうですが、20代の若者であれば言い訳として通用するでしょう。
・憧れの企業で仕事ができる
・時間給なので残業すると給与も良く、魅力的
こんなきっかけで派遣社員を選んだ若者も多いはずです。
入社したての正社員に比べると、残業時間によっては派遣社員の方が手取りが良いというのはよくある話。憧れの企業のハードルがさほど高くないというところに惹かれても若いうちは仕方がありません。
ところがいつの間にか逆転し、仕事内容でも給与でも差がつき始めると「やっぱり正社員のほうが得」と感じ始めるのです。
特に正社員を羨ましく思うのは体調を崩したときでしょう。派遣社員は時給制が多いため、インフルエンザなどで一週間欠勤するともはや死活問題です。
その代わり残業代はきっちり支払われるというメリットもありますが、同じ働くならイザというときに保証のある正社員が良いですよね。
若者しか使えない言い訳とした理由は、年齢があまり上がってしまうと正社員になること自体が難しくなるからです。特別なキャリアや技能があれば別ですが、そうでなければ大卒の若者相手に厳しい就職活動になるでしょう。
20代そこそこの若者が「今なら正社員は目指せるし、派遣社員のままでボーナスや退職金がないのはキツい」と言えば、派遣会社も頷くしかありません。
ならば紹介予定派遣でどうだと言われる可能性もあります。一般派遣と違って、一定期間の派遣社員を経て派遣先に直接雇用されるというもの。
直接雇用の内容が契約か正社員かにもよりますが、内容が悪くないなら乗ってみるのも良いでしょう。ただし、その場合は直接雇用になったときの条件や待遇をしっかり確認しておくこと。
あとになって「こんなつもりじゃなかった…」と後悔しても後の祭りです。