疲れているけれど、すぐには休めない…。そんなときには「クイっ!」と栄養ドリンクで「カーッ!」とエネルギーチャージ!?いえいえ、そのスタイルはちょっと古いかも(笑)
コンピニで普通になにげなく売られているドリンク類にも十分、疲労回復効果があります。続けていけば必要な栄養素もしっかり摂れるから、体に優しいのが嬉しいですよね。意外に知られていない、さまざまなドリンクの持つ疲労回復効果についてご紹介します。
疲労回復に欠かせない栄養素
疲れた体に一番必要なのは休息ですが、仕事に勉強に忙しい人にとっては、すぐには横になれないことも多いですよね?そんなときの体は人知れず無理がかかり、必要な栄養素はどんどん減少。スッカスカ状態です。そのうえ疲労物質がたまっていくという悪循環に陥ってしまいます…。
「なかなか疲れが取れない」というときには、休息を取る前の頑張りタイムの時点からドリンク類で栄養を補うのが手軽でおすすめです。「たがが疲れ」と軽くみていると大きな病気につながることも多いので、この機会にぜひチェックし直しましょう!
疲れた体のすみずみまで行き渡らせたい栄養素たちは次の通りです。
ビタミンC
ビタミンCは多くの人が知っている有名な栄養素ですよね?黄色くて酸っぱいレモンのイメージがありますが、ビタミンCは実は無味です。美容効果でも知られ、お肌のためにとサプリメントで日常的に補っているという人も多い栄養素ですが、疲労回復にも大きな力を発揮します。
ビタミンCの持つ抗酸化作用はメラニンやシミなど、肌の老廃物を排出させますが、日頃のストレスなどや激しい運動などによって生まれた活性酸素を体の中から取り除く働きもします。
活性酸素は疲労の原因物質
細胞を傷つけて疲れや病気を引き寄せてしまいます。ビタミンCを摂ることによって、そんな活性酸素からのダメージを受けにくくなるので、おのずと疲れにくく風邪などを引きにくい体になれるのです。
ビタミンCは、水溶性で体のなかにとどまっていられないので、こまめに摂取しましょう。
ビタミンB1
人間が生きていくのに欠かせない、三大栄養素である「たんぱく質・脂質・糖質」をエネルギーに変えるときに欠かせない栄養素、ビタミンB群のなかの一つがビタミンB1です。
ビタミンB1は、毎日忙しくて、スポーツで筋肉を使う人の疲れに効果的ですが、皮膚や粘膜の健康維持をする栄養素でもあるので、ビタミンCとビタミンB群がタッグを組むとさらに美肌効果にもつながります。
ビタミンC同様、体内に長時間とどまっていられない性質を持つので、ドリンクなどでこまめに補給したい栄養素なのです。ビタミンB1を単独で摂取するのではなく、ビタミンB群あるいはマルチビタミンなどで複合的に摂るのがおすすめです。
BCAA(分岐鎖アミノ酸)
BCAAは「バリン・ロイシン・イソロイシン」と呼ばれる体に嬉しいアミノ酸です。
運動すると筋肉は傷ついていきますが、それはBCAAが分解されてしまうから、それが筋肉痛の原因にもなります。そんなBCAAを運動の前に摂取すると運動後の疲れが軽減されるほか、運動中、運動後いつでも補っておくと筋肉が傷つきにくくなるので疲れ知らずになり、パフォーマンスがアップします。
ドリンクタイプなら手軽なので、ジムでのトレーニング中に飲む人も多いですね。運動と切り離すことのできない栄養素です。
定期的に運動しているけれど疲れが取れないという人におすすめです。
コンビニで買える疲労回復のための人気ドリンク
これから紹介するのは、普通のドリンク売り場にある手軽に買えるものばかりですが、すぐれた栄養素や働きを持っています。自分の体質や補いたい栄養素に合わせてドリンク選びをすれば、疲れ知らずに過ごせますね。
牛乳
「牛乳=カルシウムでしょう?」と思われるでしょうが、牛乳には実に多くの栄養素が詰まっています。
ビタミンA・B群・E・カルシウム・鉄分・たんぱく質などがバランスよく入っているので、疲れているときに甘い清涼飲料水やコーヒー・紅茶を選ぶよりもずっと体をいたわることができるドリンクといえますね。
カルシウムでイライラ防止、トリプトファンが入っているので眠る前に飲むとリラックスして安眠につながります。乳脂肪分の違いや産地によって味の違いも楽しめますね。
豆乳
豆乳の原材料である大豆にはレシチンという栄養素が入っています。このレシチン「若返りの栄養素」とも呼ばれていて、細胞をリフレッシュさせるので筋肉疲労などの肉体疲労をはじめ、イライラを抑制する働きもするので精神的な疲労にまで効果的なのです。集中力を持続させるとも言われているので、仕事の合間に飲むといつもよりはかどるかも!?
女性ホルモンに似た働きをする、イソフラボンでも知られる豆乳です。PMS(生理前症候群)やホルモンバランスの乱れによるイライラにもおすすめ。
黒酢飲料
サプリメントや調味料としてもよく知られている黒酢は、17種類のアミノ酸からできています。そのうちの8種類は人間の体内ではつくることのできない「必須アミノ酸」も含まれているので、飲むだけで手軽に疲労回復効果が期待できる優れものです。
黒酢はそのままでは飲みにくいため、果汁などに混ぜてあってストレートで飲めるものから、水や牛乳などで希釈して飲むタイプがあります。ただしあくまでも「酢」なので、すきっ腹などに飲むと胃壁を荒らして胃痛や腹痛などの原因につながることもあります。食後や食中に飲むなど、続けやすい飲み方で取り入れることをおすすめします。
フレーバーの種類が豊富になりました。自分が飲みやすい味の黒酢飲料を探してみましょう。
100%柑橘系ジュース
果汁の中でもオレンジやグレープルーツなどの柑橘系のジュースは、砂糖不使用の100%のものなら疲労回復効果があるといわれています。ビタミン類や食物繊維も豊富なので食欲のないときにも、体をいたわりながら疲れを癒します。
100%と表示されているものの中には「濃縮還元果汁」と「ストレート」の2タイプがありますが、濃縮還元タイプの場合、あとから砂糖を添加されているものも多いので要注意です。「ストレート果汁」と表示されているものを選べば効率的に疲れをとることができます。
なお、グレープフルーツ果汁は飲み合わせの悪い薬もあるので、医師の治療で服薬中の人は確認してくださいね。
飲むヨーグルト
カルシウムが豊富なヨーグルトは毎日でも食べたい健康によい食品ですが、手軽に出先でも取り入れたいなら、ドリンクタイプがおすすめです。
使われているヨーグルトの菌の種類によって効果に違いがあるので、飲み比べてみて自分に合ったものを選ぶのも楽しいですね。R-1ヨーグルトなどはインフルエンザの予防にも効果的というデータもあり、免疫力を高めて疲労回復効果できます。
口当たりがよくてゴクゴク飲めそうな、容量の大きいタイプも多い飲むヨーグルトですが、糖分が多く含まれているものもあります。糖分の摂りすぎは体に負担をかけて疲労が取れにくくなるので、カロリーオフなどを選びましょう。
トマトジュース
ダイエット効果や美肌効果があるといわれているリコピンが多く含まれているトマトジュースは、高い疲労回復効果もあることが認められています。運動前に飲むと、運動後の疲れが軽減される効果があるといわれているので、日ごろからトマトジュースを摂り入れておけば、疲労に負けない体のベースをつくることができるのです。
体によいイメージのトマトジュースですが、塩分の入っているものも多いので注意が必要です。たくさん飲みたい人は塩分の入っていないものを選ぶようにしましょう。
甘酒
「飲む点滴」とまで称される甘酒には次の2種類があります
・米と米麹から作られる:ノンアルコール
・酒粕をつかって作られる:アルコール1%未満のソフトドリンク
どちらもコンビニやスーパーで手軽に買うことができ、エネルギーをしっかり取り入れられますが、アルコールに耐性のできていない幼児や子どもにはノンアルコールの甘酒だけをあたえましょうね。
疲労回復になぜよいのかというと、ビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群をはじめ、必須アミノ酸が豊富に含まれていることと、ブドウ糖の働きで素早くエネルギーチャージできる性質をもっているからです。
朝食時に飲めば、時間のない時の栄養補給に。寝る前に飲むと疲労回復効果をさらに高めることができます。
緑茶
緑茶といえばカテキンですよね。このカテキンは80℃以上の高温で溶け出すため、茶葉から濃く出して飲むことがポイントですが、いつも自宅で緑茶を飲める環境にあるとは限りませんよね?
ペットボトルなどの緑茶ならカテキン量が安定し、高濃度のものを飲みたい人には「濃い」緑茶も選べます。そのぶんカフェインも強くなっているので、胃腸の弱っているときには向きません。
通常も空腹時ではなく食後や食中に飲むようにしましょう。
動脈硬化やがん予防、歯周病予防など幅広い効果が期待できるといわれ、体が疲れると同時に疲弊するといわれる肝臓の疲れを取る効果もあるそうです。体の土台から疲れをとりたいなら毎日継続して緑茶を飲む習慣をつけるとよいでしょう。
カテキンの濃さを高めたトクホ(特定保健用食品)などはダイエット効果も期待できます。
疲労回復にエナジードリンクは効果あるの?
栄養ドリンクとしてコンビニでも存在感のあるエナジードリンクは、疲労や眠気をすぐに吹き飛ばしてくれることから多くの人に愛用されています。
でもエナジードリンクの主成分はカフェインです。そんなカフェインは強い覚醒作用があることから使われているのですが、取り扱いには注意が必要なのでまとめておきますね。
エナジードリンクのメリット
・飲んでから20~30分くらいでの即効性がある
・目が覚める、元気がみなぎる効果を体感できる
・ジュースのように飲みやすくおいしいものも多い
・ここぞ!というときに便利
エナジードリンクのデメリット
・飲みすぎると副作用が起こることがある(頭痛・吐き気・胃腸障害など)
・最初はよいが続けていくうちにカフェインに耐性ができてしまう
・効き目が体に残り、寝付けなくなることも
・カフェインが抜けたときのリバウンドが辛い
・糖分で太る
このようになっています。
でも決められた量をきちんと守りって使うなら、エナジードリンクの即効性を生かして「ここぞ!」という頑張り時、勝負時に頼れる存在であることは間違いないでしょう。そんなエナジードリンクのおすすめを3つ紹介しましょう。
MONSTER
通常の缶ジュースよりも少しスリムな缶ですが、容量は多めです。大きくつけられた「モンスターの爪痕」らしきものがデザインされたユニークなデザインと高含有なカフェイン量で、男性からの人気の高いエナジードリンクです。
「ちょっと漢方のような、モンスター独特の味にハマっている」というファンも多く日本国内では5~8種類、海外ではなんと34種類ものフレーバーが発売されているのだとか。
実際オリジナルのモンスターエナジーには高麗人参が配合されています。オリジナルの味はエナジードリンクの中では甘めですが、ノンカロリーやシュガーフリーもあるので気になる人はフレーバーをチェックして選びましょう。
・容量:355ml
・カフェイン含有量:1本あたり142mg
レッドブル
赤い雄牛が向かい合ってツノを突き合わせているトレードマークでおなじみのレッドブルはオーストラリア生まれ。世界160ヵ国以上で販売され、エナジードリンクの世界シェアNo.1というから驚きですね。レースやモトクロスなどスポーツだけでなく、アートやダンスなどイベントを多く主催しているメーカーとしても知られています。
カフェインのほかにはアルギニン、ナイアシン、パントテン酸が入っているので多忙な学生やビジネスマン、長距離ドライブの時などの集中力や眠気の気になる人にピッタリです。容量もカフェインもモンスターより少なく、味は「オロナミンCとかジュースっぽくて飲みやすい」という感想を持つ人が多いようです。
・容量:250ml
・含有カフェイン(250ml中):80g
リポビタンD
「ファイトー!一発」のキャッチコピーやエネルギッシュなCMでおなじみの、超ロングセラー栄養ドリンクです。
エナジードリンクが清涼飲料水であるのに対して、このリポビタンDは医薬部外品となっているので、飲んでスッキリしゃっきり覚醒!というよりは栄養をジワジワと体に送り込んで、体調を改善の方向に導いてくれる要素が強くなります。
タウリンとビタミンB群の相乗効果で疲労回復の力強いサポーターです。ノンカフェインタイプや子ども用もあります。
・容量:100ml
・含有カフェイン:50mg
コンビニで手軽に買えるスムージーは良いの?
さまざまな野菜や果物を組み合わせて作られるスムージーですが、いまではすっかりコンビニのドリンク売り場にも定着しています。使われる材料によって違う自然の色がなんとも美しく、味もおいしくてどれにしようかまよってしまいますよね?
でも疲労回復の目的でスムージーを選ぶなら断然「グリーンスムージー」がおすすめですよ。
グリーンスムージーの特徴
・小松菜・ほうれん草・ケールなど毎日摂りたい緑の葉野菜に加え、リンゴやバナナ、キウイなどのフルーツを合わせて作られています。
・カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛・ビタミン・ミネラル・食物繊維がバランスよく含まれているので疲れた体が欲しがる栄養素がバッチリ入っています。
カフェインや糖分を含む飲み物は疲れる原因になる?
疲れた時についつい手が伸びてしまいがちなコーヒーやコーラなどの清涼飲料水ですが、飲んだ時はスッキリと気分がよくなっても、あとから胃痛がしたり、もたれたりと具合が悪くなった経験のある人いませんか?
カフェインには目を覚ましてくれる覚醒効果があり、飲むと眠気が吹き飛んだような、元気になったような感覚を与えてくれますが、その分、カフェインの効果が抜けた後はどんよりと疲れを促進させてしまいます。
カフェインだけでなく、一緒に含まれている糖分には依存性もあるので「甘いものを食べだすと止まらない~!!」となりやすく、血糖値の急上昇&乱高下を繰り返して体を余計疲れさせてしまいます。
糖分を処理する「副腎」という臓器をフル稼働させることになるので、「疲れを取るつもりが体の中から疲れさせていた」という残念な結果に。疲れていてほとんど食べ物の入っていない状態の胃腸には、カフェインの刺激は強すぎなので胃腸障害につながりやすいので、注意が必要です。
まとめ
毎日の仕事や家事、学校など疲れている人が多いですよね。規則正しい生活や質のよい睡眠が大切だと誰もがわかっていてもなかなか…。ならば、せめて日頃摂取する飲み物を疲労回復効果も期待できて、体に優しいドリンクを意識して選んで取り入れましょう。
そしてどうしても休むわけには行かない、今頑張れなきゃ!というときにはエナジードリンクの力を借りることもあってもよいのです(飲みすぎないように!)もちろん体の中だけでなく精神的なことも疲れにつながりますので、ストレスの解消もお忘れなく。
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