「夜勤専従の看護師」「工場の夜勤勤務」「タクシーやトラックの深夜ドライバー」など、夜勤がある仕事はハードワークの代表です。夜勤手当はつきますが、体への負担は通常の業務とは比べ物になりません。
「キツイ」「転職をしたい」と思いながらも、なんとか耐えて働いている方は多いでしょう。しかし、人間の体は昼に活動して夜に寝るように出来ており、逆になれば健康を損ねてしまいます。
「辛い」「しんどい」と感じているなら、体や心への負担が限界に近づいているサインです。そのまま無理を続けていれば、深刻な事態に発展する可能性があります。
給料が日勤よりも高いのは魅力的ですが、夜勤には見過ごせない様々なデメリットがあります。夜勤のリスクや危険性について解説するので、日勤の仕事に転職をしたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
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夜勤デメリット!夜勤をしんどくツライと思う理由
一般的な職場であれば昼間に働いて夜に寝るのが当たり前であり、夜勤の給料が高い理由はハードで辛い仕事だからです。夜勤を続けているとどのようなデメリットが発生するのか、1つずつ解説していきましょう。
自律神経の乱れによる体調不良
人の体は自律神経によってコントロールされています。活動をしている時の「交感神経」と、休んでいる時の「副交換神経」のバランスは、健康な生活をおくる上でとても重要です。
朝に目覚めて夜に就寝する規則正しい生活をいっていれば、体内時計は乱れません。しかし、夜勤で働いていると昼夜が逆転しますし、同じ時間に寝て同じ時間に起きる生活は不可能です。
働いている昼間に「交感神経」が働き、寝ている夜に「副交感神経」が働くのが正常な状態ですが、逆になると体のリズムが乱れてしまいます。
「イライラ」「不安」「無気力」といった精神的な不調から、「食欲不振」「めまい」「便秘・下痢」といった身体的な症状まで、体に色々な異常があらわれてしまいます。
自律神経と女性ホルモンは大きく関係しているため、女性は特に影響を受けやすいと言われています。「月経の不順」や「肌荒れ」など、健康や美を損ねるので注意してください。
夜勤をしていて体調や気分が良くないと感じるなら、自律神経の乱れが原因かもしれません。自律神経を整えるには生活習慣の改善が必須ですが、夜勤を続けたままだと困難です。
体の不調によるストレスは、自律神経の乱れを悪化させます。悪循環になってしまえば、自力で治すのは不可能です。症状が悪化して自律神経失調症になれば、医師の治療と通院が必要になってしまいます。
うつ病や不眠症、無気力の問題
睡眠には脳や体の休養や、病気の予防といった役割があるので、不足してしまうととても危険です。良質な睡眠が十分にとれなかった場合、寝付きや睡眠時間に様々な悪影響がでてしまいます。
「夜勤でも昼間に寝ればいい」と思っていても、人間の体は昼間に睡眠をとるように出来ていません。昼間はカーテンを閉めていても明るく、車や人の声といった騒音も多いため、グッスリ寝るのはほぼ不可能です。
眠りの質が悪くなるので休息としての効果は薄く、休日を睡眠に費やしても疲れがとれません。不規則な生活を続けることで自律神経が乱れてしまえば、不眠症になってしまいます。
睡眠不足だとパフォーマンスが下がるので、仕事の効率が悪くなってしまいます。集中力の低下や業務中の激しい眠気によって、ミスは増えてしまうでしょう。
夜勤がある「工場勤務」「ドライバー」なら事故の危険性がありますし、「看護師」「介護士」は命にかかわる仕事です。ちょっとした不注意でも、取り返しのつかない事態に発展します。
対策として睡眠薬や睡眠導入剤が考えられますが、繰り返して使用すると効果は薄れてしまいます。依存性があり長期間の使用には向かないので、あまりおすすめできません。
さらに、不眠症や自律神経の乱れはうつ病や無気力状態をまねきます。働く気力がなくなったり、必要以上に落ち込んだりと、精神的な不安に悩まされてしまうのです。
夜勤で働いているままだと状態の回復は難しく、悪化すれば通院が必要です。休職や退職に追い込まれるケースは多いので、生活の維持すら困難になってしまうでしょう。
ガン・脳卒中・冠動脈疾患のリスクは2倍以上になる
夜勤による睡眠不足や自律神経の乱れは、「高血圧」や「免疫力低下」の原因になります。高血圧は動脈硬化をまねきますし、免疫力が低下すれば病気にかかりやすくなるのです。
夜勤の仕事をしていると、「認知症」「生活習慣病」といった様々な病気にかかる危険がアップします。「ガン」「脳卒中」「冠動脈疾患」といった命に関わる病気のリスクは、日勤の人と比べて2倍以上です。
自覚はなくても体への負担や疲れは蓄積されており、いずれ健康に多大なる悪影響を及ぼします。今は大丈夫でも年齢を重ねればどんどん危険は増していくので、転職するなら早めに決断してください。
規則正しい生活は無理
夜勤がある仕事だと、睡眠や食事の時間が不規則になります。夜型の人でも決まった時間で生活していれば体内時計は少し整いますが、日勤と夜勤が不定期だと狂ったままです。
夜勤だけの職業でも多くの店舗は昼間にしか開いていないので、休日は日中に活動するしかありません。メリハリのないチグハグな生活が続くため、とても不健康です。
生活のサイクルが乱れれば、どのような時間に起きても仕事中のダルさや眠気に悩まされます。性格にも影響があるという研究結果もあるため、神経質になりイライラしやすくなってしまうでしょう。
また、食事を決まった時間に食べれなければ、消化器の不調を起こしやすくなります。代謝が悪くなったり、脂肪が蓄積しやすくなったりと、太りやすい体質になってしまうのです。
夜勤中の食事制限はとても大変ですし、怠ればメタボリックシンドロームや糖尿病のリスクが倍増してしまいます。
友人や家族、恋人と遊ぶのは厳しい
夜勤がある仕事をしていれば、一般的な生活時間と大きくズレが生じます。日勤で働く人と真逆の生活をしているので、友人や家族と予定を合わせるのが大変です。
休日はほとんど重なりませんし、疲れが溜まっていればせっかくの休日でも遊ぶ気力がわかなくなります。友人や恋人と遊ぶ時間の確保は難しく、疎遠になったり破局したりするリスクは高まるでしょう。
人間関係が希薄になりますし、出会いの場も少なくなるため、新しい友人や恋人がなかなか出来ません。楽しみや他人との交流がないただ働くだけの毎日になれば、仕事をするモチベーションは低下します。
また、家庭を持っている方ならば、家族サービスを行うのは困難です。生活にすれ違いが生じるので、配偶者や子供に寂しい思いや我慢をさせてしまいます。
子育てにあまり参加出来ないため、配偶者にかける負担が大きくなってしまうでしょう。それでも家族と一緒に過ごしたいなら、貴重な睡眠時間を削らなければいけません。
独身なら辛いのは自分だけですが、結婚や出産をすれば家族にも迷惑がかかります。家庭を作った後のことを考えるなら、夜勤がある職場は辞めるべきです。
生涯夜勤に振り回される人生
基本的に年齢や昇進を重ねても夜勤はなくなりません。出世をして日勤だけになるケースは稀なので、定年まで不規則な生活をする羽目になります。
20代や30代ならまだ若さで耐え切れますが、40代や50代になれば体力は低下してしまいます。今でも「辛い」「しんどい」と感じているのなら、年をとれば尚更でしょう。
「疲労」「病気のリスク」は年齢を重ねれば重ねるほど、重くのしかかってきます。一生涯無理なく働ける職場かといえば、答えはNOです。
結婚や出産でライフスタイルの変化があっても、夜勤がある仕事のままだと対応は困難です。女性の場合は子供が小さいと夜勤で働くのは難しく、夜間保育に預ければかなりのお金がかかります。
夜勤をこなしていても、出産と同時に退職を余儀なくされるケースは少なくありません。本当に自分が長く働き続けられる仕事かどうか考えれば、おのずと答えは出るはずです。
デメリットの多い夜勤をする必要はありません
夜勤には手当が付きますが、考えられるメリットは本当にそれだけです。「体調の悪化」「病気のリスク」「人間関係が希薄になる」といったデメリットと比べれば、まったく割に合いません。
仕事を続けるには健康であることが最低条件であり、無理をして体を壊してしまえば本末転倒です。深刻な病気やうつ病になってしまえば、働くことさえ難しくなります。
辛い夜勤を続ければ失うものはあまりに多く、デメリットを抱えながら働く理由や義務は一切ありません。
「同僚に迷惑をかける」「まだ頑張れる」とそのまま働き続けても、辛くしんどい現実はそのままです。自分が元気に働くために必要な条件を、改めて見直してみましょう。
早い段階で日勤のみの仕事に転職すればいい
夜勤で働き続けても辛さは増すばかりで、自ら体を痛めつけているのと同じことです。無駄に迷って時間を消費すれば、健康を害する危険性は高まります。
転職活動には一定の期間が必要であり、年齢を重ねればそれだけ不利です。「転職先が見つかるか心配」「同僚に迷惑をかける」といった理由があっても、転職をためらうのは時間の浪費でしかありません。
「寿命が縮む」「働けなくなる」というデメリットに比べれば、転職への不安はとても些細です。夜勤がある仕事よりも日勤のみの仕事の方が多いため、同じ業種でも転職は難しくないでしょう。
少しでも「辛い」「しんどい」と感じるなら、早い段階で夜勤がある今の職場から離れてください。我慢して働き続けていても、体調不良や体の負担は改善されません。
多少給料が下がっても健康には変えられませんし、求人選びによっては待遇アップが期待出来ます。夜勤だと一般的な企業の就業時間とかぶらず、面接のスケジュールを組みやすいので、働きながらでも転職活動を行いやすいという利点があります。
体への負担が限界に達する前に、夜勤のない仕事に転職しましょう。日勤だけの仕事になれば、体の不調や過酷な労働から開放されます。