高卒の転職は厳しいの?高卒が転職を成功させるコツは?

転職・就職

高校を卒業してすぐに就職したけれど思い描いていた仕事とは何か違う。転職するにも高卒だから転職先が見つかるのか不安で踏み出せない…なんて悩みを抱えていませんか?

学歴だけではないと言いつつも、学歴がなければそもそも就職するのが難しい現実。せっかく就職できたのだから定年まで働けと言われればごもっとも、でも充実感や達成感を求めてより良い職場を探してみたい気持ちは捨てきれませんよね。

大学を卒業した同級生は何も気にせずポンポン転職しているのに、自分は学歴が気になって今の職場から動くことができない。ここを辞めてもし転職先が見つからなかったらと思うと、どうしても二の足を踏んでしまいます。

多少物足りなくても、自分はここであと何十年頑張るしかないのかと諦めるのはまだ早い!戦い方を知れば転職も難しくはありません。

転職活動で学歴を武器に使えない場合にどう戦えばよいのか、自分の持っている強みとは何なのか。高卒が転職を成功させるコツを紹介していきます。

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高卒者の転職したくなる理由

文科省の調査によると高卒予定者の就職内定率は91.9%と9年連続で前年を上回っており、大卒者の就職内定率87.9%と比較しても高水準であることが分かります。

高卒で就職をする場合、就職活動は個人で行うのでなく学校が先導することがほとんどです。「ここの卒業者を採りたい」と毎年のように学校側へ求人を出す地元企業もあるため高卒者の就職内定率は高いのですが、問題は離職率。

選択肢の幅が狭いため多くの求人と比較して決めたわけではないこと、昇給に関する条件や福利厚生などに目が行きづらく学校側も「求人情報のここは要チェック」といった指導が行き届いていないことで、就職後に失望してしまうケースは後をたちません。

「働くこと」に対する期待や憧ればかりが先走るので、総支給から引かれるものが多く手取りを見て現実に引き戻された人もいるはずです。

学校とは違った人間関係に悩み、想像していた内容とは違う仕事で悩んでいるときに大学へ進学した同級生たちの楽しそうなキャンパスライフを垣間見てしまうと、数が月前までは同じ環境だったがゆえに立場の違いを感じて落ち込みますよね。

厚生労働省のデータによると就職後3年以内の離職率は高卒が39.3%、大卒が31.8%で約8%の差がありますが、その差はほぼ就職一年目でついた差です。

高卒の就職一年目における離職率がいかに高いのかが分かります。それでは一年目で離職を決意させてしまう要因について詳しくみていきましょう。

薄給によるやる気の低下

最近では高卒者を積極的に採用しようという企業が増え、高卒者の就職活動は売り手市場と言われています。

・若者を育成したい企業の狙い
・面接のボイコットがない
・内定辞退者がほぼいない

新高卒者の就職活動は企業と応募者の間に学校が介入します。応募者が面接をボイコットしたり、せっかく内定を出したのに辞退者が出て補充したかった人数が確保できなかったりといった企業側の悩みが解消されるメリットがあるのです。

ところが売り手市場とはいえ高卒の初任給は決して高くありません。

保険料などを引かれた後の手取りが夏休みのアルバイト代と大して変わらなかったら、やる気をなくしますよね。

定期昇給制度がある会社ならまだ踏み止まれますが、昇給もろくに望めないとなると辞めたくなるのは当たり前です。

思ってた仕事と違う

希望に胸をふくらませて就職をしても、いざ働き始めれば社会の厳しさを身にしみて感じるものです。

ですから思っていた仕事内容と多少違ったくらいで「辞めよう」とはなりませんが、そこに人間関係の難しさがプラスされると心はグラつき始めます。

厚生労働省調べ「新規高卒就職者の事業所規模別離職状況」を見てみると、事業所の規模が小さく社員の頭数が少ないほど離職率は高くなっています。

数えるほどしか人数のいない職場で人間関係に悩まされ小規模ゆえに部署替えもなく、仕事も面白くないとなれば思考はどんどん辞職に向かっていきますよね。都会での通勤地獄を避けられない場合は体力も削られて三重苦。

大卒に比べて情報量も選択肢も圧倒的に少ない状態での就職のため、環境はかなり重要なポイントになるのです。

学生の友人との価値観の違い

正月休みや連休に帰省した友人たちと遊ぶのは楽しいものです。

高校時代に戻って楽しく盛り上がれると思いきや、相手は学生で自分は社会人。まったく話がかみ合わず、学生生活を満喫している友人たちの中で孤独を感じてしまうなんて経験ありませんか。

明日はどこに行こうかと盛り上がる友人を横目に「明日も仕事だからそろそろ…」と腰を上げなくてはいけない自分が悲しくなってしまいます。

一歩先に社会人になることで学生よりも使えるお金はありそうですが、社会人になると稼ぎが全部お小遣いになるわけではありません。学生時代には親に払ってもらっていたモノが支出となって消えていくので、むしろ使えるお金は稼ぐ大学生より少ないのが現実。

就職したてのツラい時期を友人と共有できないことは、高卒で就職した人にとって精神的に一番しんどいことなのかもしれません。

高卒の学歴で転職は厳しいのか?

就職後、特にスキルも取得することなくすぐ転職しよう!ということであれば間違いなく厳しいです。

新卒時には就職先も限られて選択肢は少なかったかもしれませんが、経験もスキルも「なくて当たり前」の状態でした。

転職活動となると企業側が求めるのは即戦力ですから学歴も職歴もスキルもろくにない人材では採用するメリットがありません。

大学生よりも一歩先に社会に出ているので武器にできるのは社会人としてのマナーや常識が身についている点、そしていくつかの実用的なスキルが備わっていれば鬼に金棒です。

専門性がない限り、大卒でも4年間を遊んで過ごせば就職活動では必ず苦労します。同じ年数をできる限り頑張って多くを身につければ、4年後にあなたの価値は遊び暮らした大卒よりも高くなるはずですよ。

学歴不問の求人数は案外少ないけど問題はスキル

求人情報をながめてみると、やっぱり学歴不問の求人は少ないなという印象を受けます。

職種によっては専門知識が必要なためにどうしても大卒がほしいという企業もありますから仕方ない場合もあるのですが、転職サイトに目を通しても大卒と比べて応募先が限られてしまうのは確かです。

学歴に一生縛られると落ち込みそうになりますが、大丈夫。学歴のみが重視されるのはあくまで新卒のときだけです。

新卒は学歴しか材料がないのでどうしても大卒有利になりますが、転職で重視されるのは実績やスキル、そして職歴。つまりどれだけ会社に貢献できる能力があるかが判断材料になります。

即戦力になり、しかもまだ伸びしろありと思われた者勝ちなのが「転職」なのです。

大卒や専門学校卒も競合になる

当然大卒や専門学校生も就職活動していますから、それらは全てライバルになります。

転職することで年収を上げステップアップしている人もいるので、そういった百戦錬磨の大卒者と並べば苦しいですが、相手が新卒であれば小さくなる必要はありません。

企業にとって新卒者の教育は大変な負担です。人手も手間もかかるからこそ、決まった次期に大量採用して一気に教育を施すのです。

大量採用の時期を外れた繁忙期に新卒教育は難しいので、時期によっては即戦力になる転職者が圧倒的に有利になります。

条件の良い企業の倍率は高くなる

条件のよい企業に就職したいのは当たり前、皆が狙うので当然倍率も高くなります。

一人しか採用枠がないところへ5人の応募くらいなら面接までしてもらえる可能性は高いのですが、もし100人の応募者がいたらどうでしょう。とりあえず書類選考でふるいにかけますよね。

条件が良く応募者の多い企業の求人では、まずふるいに残らなくては面接に進めません。

ふるいと聞くと真っ先に浮かぶのが大卒以下は落とされるイメージです。しかし企業側も実績という土産を持った有益な転職者を学歴というふるいで排除するほど乱暴ではないでしょう。

倍率が高いからと応募を引っ込めず、自身の強みを武器にどんどん参戦すべきです。

転職活動に失敗して派遣社員やフリーター、ニートに落魄れる

実家暮らしで収入がなくなったとしても生活に困らないという場合、頭をよぎってしまうのが「仕事、辞めようかな」という考えです。

高卒だと進学した友人はまだ学生ですから、焦りを感じにくいという環境も背中を押す要因になります。

本来なら在職中に転職活動をしてなるべく間をあけたくないと考えるものですが、とにかく一旦辞めて仕切り直し!という考え方で転職先を決めることなく辞めてしまうとあとが大変。

新卒の就職活動と違って転職では前職を辞めた理由を必ず聞かれます。特に就職後3年以内の転職ならよほどの理由がない限り「すぐに辞めてしまう可能性をはらんだ人」と思われてしまうため採用されにくいのです。

転職活動が上手くいかず、それでも働かなくてはと次に選択しがちなのは派遣社員やフリーター。働かないよりは良いのですが安易に足を突っ込まないことをオススメします。

理由は間つなぎのつもりでも働き始めると就職活動はしづらくなりますし、収入が入って就職を急ぐ必要がなくなるとズルズル続けてしまう可能性が高くなるからです。

若いうちは体力もあり残業が多かったりすると稼いでいる気分になるのですが、福利厚生や給与に加え雇用の安定感は正社員とは桁違いに低く、長く続けるには不安があります。

契約を切られる場合もあり、最悪ニートになって親を泣かせる可能性も否めません。

>>派遣社員は社会の底辺なのか?派遣社員で働くデメリット!

基本は転職先を確保してからの退職。退職するからには今よりも自分の意に沿ったところ、条件の良いところに行かないと転職の意味がないと思いませんか。

よりよい職場を求めるなら辞めてからではなく、「転職したいな」と思っている今から転職活動を始めましょう!計画的な転職が成功のカギになりますよ。

高卒が転職を成功させるコツは?

高卒が転職を成功させるコツとして次の2点を押さえておきましょう。

・アピールポイントの把握
・条件を絞る

転職活動は自分を売り込む営業のようなもの、自分の強みであるポイントを積極的にアピールして企業に振り向いてもらう必要があります。そのためには自分のアピールポイントは何なのかを知っておく必要がありますよね。

また、企業選びをする際に「ココだけは譲れない」条件を決めておくことは重要です。転職するからには何か条件があるはず、それをしっかりと確認し必要最小限に絞っておくことで結局前の職場と変わらないという事態になるのを防ぎましょう。

自分の棚卸をする

転職するにあたって、まずはアピールポイントとして使えそうな能力やスキルを書き出してみましょう。どんな仕事を主に担当していたかを具体的に言えるようにしておく事も必要です。

転職でものをいうのは経験・実績・能力です。そんなの思いつかないと悩むかもしれませんが、同じ年齢の大卒と比べると4年も多く社会人生活をしているのですから何もないはずありません。

「この年齢で、もうそんな仕事ができるのか」と思わせたらこっちのもの。

転職活動の武器となる項目なので、しっかりと固めておくことをオススメします。

自分の条件を明確化する

せっかく転職するのだから、あれもこれもと多くの条件をつけるのは選択肢を無駄に狭めるだけです。

転職活動も最初のうちは納得できる職場を探そうと厳しめの条件をつけたりするものですが、日が経つにつれ決まらない焦りから条件をどんどん捨てていくというのは良くある話。

条件をスリム化するのは良いことですが転職を有意義なものにするためにも、譲れない条件を明確にしておきましょう。

どれも譲れなくて絞れないという場合は、その条件が将来も見据えて出したものかを考え直してみてください。

例えば前職よりも良い給料が欲しいという条件は今しか見てないですよね。入社時は多少目減りするかもしれませんが、定期昇給制度がしっかりしていて手当も付くとなればどうでしょう?

欲しい条件と必要な条件は異なります、それを念頭において本当に譲れない条件を洗い出すのがポイントです。

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