派遣社員は社会の底辺なのか?派遣社員で働くデメリット!

雇用形態が幅広く用意されている昨今、「働き方の正解は正社員だけじゃない」なんていう人も少なくありません。高校や大学を卒業した後、非正規雇用で働く人の多くは、派遣社員としての働き方を選んでいるのではないでしょうか?

厚生労働省の調べによると、平成29年の段階で非正規雇用で働く人の割合は37.3%という高水準にまで達しました。

これを聞くと、「非正規雇用が多いってことは派遣社員で働いている人も結構多いんじゃない?」「やっぱり正社員じゃなくても良いじゃないか」と思うかもしれません。

しかし、この数字のからくりに騙されてはいけません。ここ最近、非正規雇用の割合が増えているのは、高齢者が増えているからです。

高齢者が退職後も働かないといけないといった事情があることから、やむを得ず非正規雇用を選んでいるに過ぎないのです。

現に非正規雇用で働く人の内訳を見てみると、69.5%の人がパートかアルバイトで働いています。実は派遣社員で働いている人は、全体の6.6%しかいません。

しかもこの派遣社員の中には、学生が1日限定で働くといった単発系の仕事も含まれます。そう考えると、社会人として働くようになってなお、派遣社員としての働き方を選ぶのは、いかに少数派かということが分かるのではないでしょうか。

なぜ、派遣社員として働く人が少ないのか?その答えはいたって簡単、「派遣社員で働いてもメリットが少ないから」です。

それどころか、派遣社員として働くことにはデメリットがつきまといます。具体的にどんなデメリットがあるのか、この記事で注目していきましょう。

「派遣社員=社会の底辺」だと思われる理由

「派遣切り」や「年越し派遣村」といった言葉がニュースを駆け巡った過去があるせいか、「派遣社員=社会の底辺」というレッテルを貼る人が少なからず存在します。非常に悲しいことですね。

先に言っておきたいのですが、派遣社員で働く人そのものに能力がないということはありません。

むしろよく知らない会社に派遣されて、その場ですぐに実力を発揮しなければいけないのですから、ポテンシャル自体は高い人が多いと言っても過言ではないでしょう。

しかし、「派遣社員=社会の底辺」というレッテルがあなたの能力を判断する前に、あなたに強烈な負のイメージをもたらすのも事実です。これも、派遣社員で働くことのデメリットのひとつといえるでしょう。

そして「派遣社員=社会の底辺」といわれる理由には、待遇の悪さがあります。

待遇の悪さとは、金銭面での問題だけではありません。社会人として積み重ねる経験にも限界があります。

なぜなら、派遣社員はあくまでよそから来た人材だからです。同じくらいの能力を持った同年代の人材が正社員と派遣社員にいたら、今後の会社のために、上司は正社員の方にいろんな経験を積ませてスキルアップさせるでしょう。

こうした様々な面から派遣社員にはデメリットがあるというわけです。さらに具体的な例を紹介しましょう。

簡単に解雇される人材である

派遣切りという言葉がある通り、派遣社員とは簡単に解雇される立場にある人材です。派遣社員が解雇されやすい傾向は、景気・不景気に関係なく変わらないでしょう。

なぜなら、派遣元が派遣先に合った人材だからと思って送り込んでも、派遣先に「思っていたのと違う」と判断されたらすぐに契約打ち切りになることも珍しくないからです。

派遣先にイマイチと思われる理由は、仕事のスキルが足りないだけではありません。社風に合わない人材だ、今の社内の人間関係の輪を乱す存在だと思われただけでも、契約が打ち切られることがあります。

こうして派遣先にクビを宣告されることが続くと、派遣元からの信頼も失って、悪循環に陥ります。

会社の業績が悪化したら、派遣社員の立場はますます悪くなります。人件費を削減したいと思ったとき、まず選択肢に浮かび上がるのが派遣社員です。

会社にもよりますが、自社で選んだアルバイトやパートより、派遣元から送られてきた派遣社員の方が立場が弱く、クビになりやすいというところもあります。

正社員ほど強い立場にないものの、アルバイトやパートは原則、契約期間内は解雇できない決まりになっているためです。

こう考えると、派遣社員の立場は非常に弱いことが分かります。景気が良くても失敗できないプレッシャーがすごい、景気が悪くなったらさらに契約打ち切りの恐怖が強くなる‥これでは、心身を健康に働くのが困難ですね。

給料は安くボーナスもありません

通訳や翻訳といった特別なスキルがある場合は別ですが、派遣社員の時給はおおむね1,500円とされています。もちろん、これより少ない場合も多々あるのが現状です。

「でも時給1,500円ならそれなりに高いじゃん」「下手な正社員の給料を自給換算するより高いんじゃないの」と思う人もいることでしょう。

しかし忘れてはいけないのが、この時給には交通費が含まれていることがほとんどだということです。交通費は福利厚生だから払う義務がない・派遣社員に交通費を支払わなければいけないという法律がないという理由から、派遣で働く場合は交通費が支給されないことが多いです。

もしあなたが交通費支給で派遣として働けていたのだとしたら、それはラッキーだといっても過言ではないでしょう。

交通費にかかるお金は、月単位で数万円ほどかかります。仮に時給1,500円で働き、20数万の給料をもらっても、これでは結局アルバイトで稼ぐ給料と変わりません。

現に、派遣社員が自由に使えるお金は月16万くらいが相場とされています。若い頃はそれでもなんとか生活していけるかもしれませんが、将来的には難しいというのが正直なところです。

そしてもうひとつ、派遣社員と正社員の決定的な違いがあります。多くの派遣社員が察していることと思いますが、それは「ボーナス(賞与)」です。

派遣社員の給料は派遣元から支払われるため、会社の業績が良くなろうとボーナスが支払われることはありません。

まれに、とても優秀な派遣社員には派遣元が厚意でボーナスをくれることがありますが、基本的にはないものと思いましょう。

それに、こちらが必死で働いてどうにかボーナスを貰っている横で、たいして働いていない正社員がボーナスを貰っているという光景も腹立たしいですよね。金銭面でのしかかる、派遣社員のデメリットは大きいです。

世間体や正社員との格差

全ての人が平等であるのは当たり前のことですが、仕事においては正規雇用と非正規雇用の格差を感じるのは避けがたい問題です。

いつもの職場で自分と同じ派遣社員とばかり顔を合わせていると感じないこともありますが、社会的に見れば、派遣社員で働いていることは「不安定な仕事」「社会人としての振る舞いはできるのか」といった悪いイメージが先行してしまいます。

未だに日本の会社は、年功序列や終身雇用がある正規雇用が一般的なせいもあることでしょう。

たとえ社会的に格差を感じても、自分は自分らしく生きていければそれで良いというなら、派遣社員もアリかもしれません。

しかし、結婚したい・家庭を築きたいと思ったら、やはり派遣社員は大きな壁になります。

まず、結婚する相手を作ろうと思っても、派遣社員だと収入が不安定なので真剣に付き合う対象に見られません。

仮に真剣に付き合える恋人ができても、次は相手の両親に反対されることでしょう。しかし、家庭を養えるだけの稼ぎがない派遣社員では、「それでも結婚する」と言い返せません。

若い頃は1人で気ままに生きていたいから派遣社員でもいいやと思っていた人も、結婚や親の介護などを考えるようになると、「やっぱり正規雇用の方が良い」と思って転職活動を考える傾向にあります。

社会という漠然とした視線で格下に見られる以上に、大切な周りの人に迷惑をかけたくない・安心させたいという思いが、自然とそういう決断をさせるのです。

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待遇の問題

正社員と比べると、派遣社員は待遇が悪いとよく言われます。先ほど取り上げた交通費が良い例ですね。交通費は福利厚生にあたるため、派遣社員は支給されないことが多いのです。

ここで勘違いしてはいけないのは、派遣社員には福利厚生が全くないというわけではありません

ただし正社員と比べると、権利を取得するための条件が厳しいという明確な違いがあるのです。

派遣社員にも介護や育児休業に関する福利厚生が用意されていますが、取得しようと思ったら、同じ事業主のところで1年間以上継続して雇用されていなければなりません。

加えて介護・育児ともにより細かな条件があり、育児の場合は次の3つをクリアする必要があります。

・子供が1歳になった後も雇用される見込みがある
・子供が2歳の誕生日を迎える前々日までに契約の期間が満了する
・契約満了後に契約更新の見込みがある

育児や介護といったあわただしく状況が変わる中で、これらをクリアすることは容易ではありません。

社会保険も同様に、加入するための条件が決められています。加入しようと思ったら、まず雇用期間が2か月になる見込みがなければいけません。その上で、労働日数が1か月間に所定された日数の4分の3以上かつ、1週間の労働時間が所定の4分の3以上になる必要があります。

派遣元の会社によっては、このラインを絶妙にクリアさせない労働条件で雇用させて社会保険に入ろうとしないケースもあるので、注意が必要です。正社員だったらこういった心配がないというのも、大きな差ですね。

有給休暇を取得するのも、ひと苦労です。派遣社員が有給を取得しようと思ったら、基本的に事前申告をしなければいけません。

これは法律で決められていることではないのですが、派遣元が派遣先の会社に頭が上がらないという位置関係から、自然とこの図式が生まれてしまいました。

有給といえば、GWのような長期休暇の前後に取得して休日をさらに長くしようとするケースがありますが、派遣元と派遣先という立場から、派遣社員がこうした時期に有給を取得することは難しいです。

こうしたことから、派遣社員は有給を取得する時期にも気を使います。

福利厚生や有給休暇など、正社員にあるものは派遣社員にもあるのが基本ですが、その権利を行使するまでの道のりに大きな違いがあることを覚えておきましょう。

>>派遣社員から正社員になれる?正社員になるメリットは?

3年・3ヶ月ルール

ひとつの職場で長く働き続けることができない点も、派遣社員のデメリットです。

派遣社員は「派遣法」という法律のもと雇用されており、この法律ではどんなに長くても3年以上は同じ職場で働けないものとされています。これを専門用語で「抵触日」といいます。

この法律は、「3年以上働かせるなら派遣ではなく正社員として雇いなさい」という大義名分のもと生まれました。

ある意味、労働者のためを思って作られた法律ではありますが、実際に3年過ぎたからといって正社員にしてもらえることは少なく、どちらかというと「もう来なくていいよ」と言われることの方が多いのが現状です。

こうした背景があることから、派遣社員として働く場合は3か月ごとに契約更新があります。ここで恐いのは、3か月後の契約更新で必ずしも雇ってもらえるという保証はないことです。

3か月後の自分は無職になっているかもしれないという不安を漠然と抱えながら働き続けるよりは、じっくり腰を据えて正社員として働く方がライフプランを描きやすいという違いがあります。

低能な人間のやる肉体労働と思われてる

派遣社員の社会的な立場の弱さもあってか、「派遣の仕事はどんな学歴・職歴の人でもできる簡単な仕事ばかりだ」という目で見る人が少なからず存在します。

派遣社員の仕事といえば倉庫や工場内での作業といった肉体労働ばかりだ、というイメージが根付いてしまっているのです。

その視線が、派遣社員の肩身をますます狭くしているという悪循環もデメリットのひとつと言えるでしょう。

派遣社員といっても仕事の内容はそれぞれなので、特別なスキルを持ち、正社員よりも稼いでいる人も存在します。

企業のシステム設計を担うエンジニアや、国際会議専用の通訳などがこれに該当しますが、世の中の多くの人はこういった人達が派遣社員として働いていることは知らないでしょう。

そのため、派遣社員の仕事内容に対しても負のイメージを抱きやすいのです。

責任感の希薄な楽な仕事と思われてる

仕事内容に対するイメージも相まって、派遣社員は責任がなくて気楽な働き方だというレッテルを貼られることも少なくありません。

確かに、気楽に働く派遣社員が多いのも事実です。たとえば、次の定職に就くまでのつなぎとしている人、時給制に甘えてダラダラと業務時間をやり過ごす人など、働くことに対する意識が低いまま社会人生活を送っている人もたくさんいます。

派遣社員はあくまでよその会社から来てもらっている人材なので、正社員ほど残業させられないといった立場の違いから、嫌味も込めてそう言われることもあるでしょう。

しかし、仕事に対する責任感というのは雇用形態に関係なく持つ人は持っています。逆に正社員でも責任感を持たない人もたくさんいるのです。

それにもかかわらず、気楽に働いているという目で見られるのは辛いですね。しかし、こうした偏見があるのも派遣社員の実情なのです。

スキルアップは無理

派遣先の会社が、派遣社員を新入社員のように時間をかけてじっくりと育て上げることはありません。

ここまで解説してきた派遣社員の特徴から、なんとなく理由を察している人もいることでしょう。

理由は2つで、「派遣社員はどんなに長くても3年しか職場にいない」「あくまでよその会社(派遣元)から送ってもらっている人材に過ぎない」からです。

人材育成には時間もお金もかかるため、どうせならずっと会社に在籍するであろう人間に投資したいと思うのは当然のことです。だからこそ、派遣社員は選択肢から外されます。

また、よその会社の人間に重い責任の仕事を任せるくらいなら、自社の人間に任せたいという考えになるのも自然の流れと言えます。そのため派遣社員はどれだけ頑張っても、責任ある仕事を任せてもらえません。

いくらポテンシャルがある人でも派遣社員として働き続けていたら、スキルを磨くのにも限界が生じます。

若い頃はそれほど差を感じなくても、正社員として働く同世代がどんどん出世していくと、能力の差が開いてしまったことに愕然とするでしょう。

スキルアップをしたいと思ったら、やはり正社員として働く方が有利です。

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