年功序列がまだまだ定着している日本の企業。勤続年数が長くて年齢を重ねているというだけで、能力が低いのに高収入を得ている人を見ていると、ちょっと納得がいきませんよね。
しかし、実力主義を取り入れ始めているところも増えており、実力主義の会社では若かったり勤続年数が少なかったりしても、それに見合う待遇が与えられます。そんな働き方があたりまえになっているのが外資系企業です。
すでに、そんな実力主義の会社への転職を考えたことのある人も多いかもしれません。自分をもっと試してみたい、このままで終わりたくないと思っているなら、実力主義の会社で働くことに向いている人だと言えるでしょう。
でもその前にそもそも自分が実力主義の会社に本当に合っているのかを知り、メリットやデメリットについても知っておくと転職を成功させることができます。実力主義の外資系企業に転職する際の注意点についても紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
実力主義(成果主義)とは
実力主義というのは、言うまでもなく実力によって得られる報酬が変わる主義のことです。年齢や性別にかかわらず高い能力や実績を上げている人には、それに見合った待遇があたえられますので、圧倒的にやりがいが違います。
高額な商品を売買したり、自分の技術や能力を生かして多くの顧客を集めたりする職業に実力主義の会社が多く、頑張って成果を上げれば上げるだけ報酬に反映される世界です。
その分、忙しさや仕事のキツさはかなり大きくなりますが、自分の能力を最大限に生かしてどんどん成長していきたい!という上昇志向の人にとっては、生きがいにもなりうるのが実力主義の会社で働くということです。
実力主義(成果主義)の会社で働くメリット、デメリット
能力に自信があって、実際にしっかり仕事の成果を出しているなら、思い切って実力主義の会社に転職してさらにレベルアップしていきたいと考える人は多いでしょう。
しかし実力主義という世界は、決して生ぬるいものではないということを覚えておいてください。だからそれだけ高い報酬が得られるのですから、さまざまなデメリットを受け入れてこそ手に入れられるメリットだとも言えるのです。
実力主義の会社で働くメリットとデメリットについてわかりやすく解説します!
メリット
大金を稼げる
日本の一般的な企業に勤めていると、とにかく長くコツコツと働き続けてお金を貯めない限り、大金と呼べる金額を手にすることは難しいのが現実です。若い世代でスバ抜けて大金を稼いでいる社員はほとんど存在しないでしょう。
しかし実力主義の会社は違います。実力があれば若くても入社したばかりだとしても、それに見合った報酬が与えられます。
能力を認められると人は俄然やる気が出るものです。成果を出すごとに収入がアップしていきますので、若くても大金を稼げます。
それまでの会社で低い給料しかもらえなかった人でも成果さえ出せれば、圧倒的に手取り金額が増えることは珍しいことではありません。
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出世できる
実力主義の会社では、仕事の成果によって大金を得られるだけでなく、それに見合った役職もしっかりと与えてくれます。社会的な地位を実感できるのです。もちろん年齢は関係ありません。
仕事ができれば若くても役員になることも可能で、上司の方が年下というのは実力主義の会社ではごくごく普通に見られることです。
そのためあなたが実力主義の会社に転職したときも、自分より若い上司にこき使われることは覚悟しなければならないでしょう。そして一気に出世して、今度はその人よりも上の立場になるというミラクルを起こせるかもしれません。
役職を与えられることで、より責任は増していきますが、さらなるやりがいに通じるということにもなるでしょう。
モチベーションは高くなる
実力主義の会社で働くとそれまでに勤めていた会社の人間とは、仕事に対する「熱さ」がまったく違うことにきづくはずです。まわりのみんなが、仕事に対しての意識が高いのですから、がむしゃらとも言えるような頑張り方をしています。
そのため実力主義の会社で働いていると、まわりの人に影響されて、自分のモチベーションが自然に高まっていくことに気づくでしょう。
それまでおとなしかった人でも実力主義の会社という環境に身を置くことによって、仕事への熱い情熱が引き出されていくケースは多くあるのです。
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デメリット
正当に評価してくれないこともある
実力主義の会社では、そのトップに立つ社長や上司の評価がすべてといっても過言ではありません。そのためきちんとしたマニュアルもないことがほとんどで、評価の仕方に私情が絡んでしまう可能性も高いというデメリットがあります。
営業職などは、実績や能力がそのまま数字として見せつけられるので別になりますが、それ以外の職種の実力主義だと、どうしても正当な評価ばかりがなされるワケではないす。
そうなると、実力主義の会社に入ってめいっぱい頑張っていても、社長や上司と考えが合わなかったりすると、なぜか上にあがれなくなっているという不条理な現実を引き寄せることになります。
実際に成果を出し続けて頑張っているのに、なかなか認めてもらえないというジレンマに陥ってしまうでしょう。
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思った以上に成果を出せず撃沈する人も多い
実力主義の会社で仕事をするきっかけは、自分には能力がある!と実感したり思ったりしたからという人も多いでしょう。
しかし、いざ中に入ってみると自分よりも頭の切れる優れた人材ばかりで、まったく仕事について行けなってしまう人も少なくないのです。それはもしかしたら、最初から自分の能力を過信しすぎていたからかもしれません。
「この会社でなら、自分の能力を最大限に生かせるだろうから思いっきり成果を出して大金を稼いでやる!」と意気込んで転職しても、思った以上に過酷で全然成果を出せずに撃沈…そして退職を余儀なくされることは起こりうるのです。
成果重視によるプレッシャー
実力主義の会社では、成果を上げることばかりが重要視される傾向にあるため、常に緊張感に包まれています。人によっては、まったく気の休まる暇がない環境だと感じてしまう場合もあるでしょう。
その状態がポジティブに働いているときは、モチベーションのアップにつながりますが、ネガティブになっているときには、成果を出し続けなければ…という重いプレッシャーがズーンとのしかかって来るように感じるのです。
プレッシャーに弱いタイプの人だと、そのまま自分を見失ってつぶれてしまったり、周りの評価が気になり過ぎて、それまでのように本領発揮できなくなったりしてしまうこともあります。
あまり良いとは言えない職場の人間関係
実力主義の会社で働くことで、自分の仕事の能力を認められて満足のいく収入を得ていたら、職場の人間関係はさぞ良さそうだとイメージする人も多いかもしれません。
テレビなどで取り上げられるようなベンチャー企業などの実力主義会社では、社長と友だちのように接していたり、和気あいあいとした雰囲気などをアピールしたりしていることがあるからです。
でも実際には職場の雰囲気が悪い場合も多いのが、実力主義の会社の実情です。成果を上げた人をねたんだり、ときには出世を妨げようと密かに足を引っ張ったりする人もいます。結構ドロドロです。
それだけでなく、自分の能力を認めて欲しい!自分の考え方ややり方が一番だ!という主張の強い人間が集まっているのが実力主義の会社の特徴でもあります。
みんな仲良く、楽しく働きましょうという平和主義の人はほぼいないと考えられるので、ぶつかり合いのバトルになることも多く、人間関係は決して円満とは言えません。
>>職場の人間関係に疲れた人!仕事を辞める前の対策は?
実力主義(成果主義)の仕事
実力主義の仕事として世の中に知られている5つの職業について解説します。それぞれの共通点としては、基本給や固定給と呼ばれるものは普通もしくはそれ以下であるのに、手当や歩合が付くとかなりの高給になることです。
それはまさに成果主義である証拠で、それだけやりがいが感じられ「夢がある」という言い方もできます。営業職などが一般的に知られている実力主義の仕事です。
不動産の営業
不動産の営業は、実力主義の代表のような仕事です。土地や家屋など数千万から数億円までの高額な取引を行うことや、賃貸物件なども取り扱います。
求人は年齢制限や経験を問わないので、入社するときの敷居は低い業界です。しかし競争も激しい世界なので数か月や数年で辞めてしまう人も多く、比較的人の出入りは激しいと言えるでしょう。
しかし宅地建物取引主任者や管理業務主任者、不動産鑑定士などの資格を入社後に取れる支援体制が整った会社も多く、それらを生かせばさらに高収入が望めます。
基本給は20万円前後であっても、高額物件が売れれば50万~100万円くらいの歩合が付くことも珍しくはなく、若くして高級車に乗ったりブランド品を身に着けていたりいる社員も見かけます。
しかし、売り上げがまったくなければ、固定給の身に戻ってしまうので人によって落差の激しい仕事でもあります。
そして、不動産という買い物は顧客にとっても一生に一度というケースが多く、それだけ責任が重い仕事と言えるでしょう。しかしそれを叶えた喜びを分かち合う幸せがさらなるやりがいにつながっていくのが不動産の仕事の醍醐味です。
保険の営業
保険業は安心を売っています。まさに顧客の人生をまるごとサポートすると言っても過言ではない仕事です。そのため契約が成立すれば長期的に利益が見込める仕事なので、歩合による高額の収入を得られます。
もちろん未経験者や若い人でもやる気があれば、どんどん受け入れてもらえる業界ですので比較的挑戦しやすい仕事と言えるでしょう。ただ、保険の勧誘は他人から嫌がられることも多く、なかなか契約が取れなくてすぐに辞めてしまう人も多いようです。
保険は一度入ったら終わりではなく、その人のライフステージに合わせて保険のかけ替えをしたり、ランクアップさせて行ったりすることを上手に進められる話術も必要です。
新しい商品もどんどん出てくるので、保険のしくみについてわかりやすく的確に説明できなければ顧客に伝わりません。
そのため、保険について学ばなければならないことは範囲が広く、トップセールスマンになると、幅広い知識を持っている人が多くなります。
そして顧客からの信頼が得られると、さらなる顧客を紹介してくれるなど、人と人とのつながりが密になる仕事です。営業成果という数字だけではなく、その人の人柄も大きく関係しています。
車の営業
車の営業も、車をたくさん売った人がどんどん上にあがっていける仕事です。車は決して安い買い物ではありません。歩合制の会社が多く、買う人も売れば売るだけ収入が入ってきます。
売上げがハッキリと数字に表れるので、車の営業という仕事は、とてもわかりやすい実力主義そのものです。
国産車の場合はショールームにじっとしている営業マンは少なく、外回りがメインで直行直帰も多いようです。お客さんの都合にしっかりと合わせて、車と関係のない話にも付き合うなど社外でのきめ細かな対応ができる営業マンが成績を伸ばしているようです。
外国車は車そのものの単価が高いためか、訪れたお客さんに営業するスタイルというように少々働き方が違います。
いずれも年齢や入社時期にかかわりなく、ガッツリ稼げる仕事が車の営業なのです。
タクシードライバー
タクシーの運転手の仕事も実力がはっきりとあらわれる歩合制です。そのため頑張って売り上げを伸ばした人は、高収入を手にすることができます。夜勤もあるため、体力があって自己管理がしっかりできる人が成功しやすいでしょう。
20代で月に60~70万円稼ぐ人もザラにいますが、交通状況や車の所持数などによって仕事量が違ってくるので、都心部と地方では収入に違いはあります。
それでも、走るコースや顧客を待つタイミングなどで収入が大きく変化するので、研究を怠らない前向きな人は成功しやすい業界と言えるでしょう。
ただ、車という密室空間に顧客を乗せて運ぶため、予想外のことも多く起こりますから、冷静な対応ができるメンタルの強さも求められます。
ベンチャー企業
若い社長が多いベンチャー企業も、実力主義の会社が中心になります。中にはまだ世にでてまもない新しいビジネスを手掛けていることもあり、社長と一緒に仕事を作り上げて共に会社を成長させていくという働き方です。
ベンチャー企業には、少人数で運営されている会社も多く、そうなると多額の利益を上げたときに配分される金額もおのずと大きくなります。
実績を上げたのが自分なのであれば、すぐに役職がついて社会的地位が与えられるのが早いのも、ベンチャー企業ならではの特徴です。
新しいことに挑戦したい人、好きなことのためならどんなに残業が多くて休みが少なくても頑張り続けられる!という高いモチベーションを持った人におすすめです。
外資系企業のメリットデメリット
日本の企業に比べて働き方やシステムに多くの違いがあるのが外資系企業です。外資系企業の多くは実力主義が中心で、そんな企業に転職を考える人は年々増加しています。外資系企業で働くメリットとデメリットについて解説します。
メリット
外資系企業と日本の企業との大きな違いは、年功序列制度と退職金制度がないことです。そして、仕事の成果を出すことで待遇が変わる実力主義であるため、若い人でも実力があれば高い報酬を得ることができるというメリットがあります。
そして日本とはそもそも習慣や文化が違うため、それが如実にあらわれているのが「休日」の取りかたです。
日本では、休日や有休はあって無いものというところがあります。残業して休日も返上で働くのが美徳とされているような…。しかし外資系ならば比較的休日はキッチリとあり、残業も少ない会社が多いのです。
ただ、外資系企業にも自分の成果のためなら、休日出勤や残業をいとわないという人はたくさんいます。それは、日本人のように「会社のために尽くす」意味合いのある残業や、休日出勤ではありません。
デメリット
よいことばかりのように見える外資系企業ですが、実はデメリットもあります。それは実力主義であるがゆえに、人の出入りがとても激しいことです。それは日本の実力主義の比ではありません。
各個人が上にのしあがることをメインに考えているため、熾烈な競争の中で働かなければならないのです。
成果を出せて高収入だった月は良いのですが、そうでなかった月には収入がガクンと激減してしまいます。そんなアップダウンがあるだけならまだしも、ずっと不調が続くと会社に居続けるのはしんどいでしょう。
「昇給するか退職するか」の白黒をハッキリ付ける考えの会社も多く、一度入社したからと言って退職するまで安泰ではないのです。突然の解雇を言い渡される場合もあります。終身雇用制や年功序列は日本企業ならではの制度だということを忘れてはなりません。
また、日系企業のように福利厚生は整っていません。そのため住宅手当や育児補助、ましてや社員寮などは皆無です。
デメリットは多いが「やる気」のある人は即転職
デメリットを見ていくと、実力主義の会社への転職はちょっと考えてしまうという人も多いでしょう。それは悪いことではありません。転職前にしっかりとリサーチし、考える時間を取ることはとても大切です。
しかし、仕事というのはまさに人生そのもの。しかも一度だけです。ですから自分の出した成果でどこまでやれるのか挑戦するために実力主義の会社で働くことで、ガラリと人生が変わる可能性はあります。
例えば40代でリストラされたなどというと、夢も希望もなくしてしまう人も少なくありませんが、実力主義の会社への転職が成功すれば、成果次第では月収100万円を超えている人もいるという現実があります。
逆に20代前半で勤めている会社に疑問を感じて、もっとやりがいのある仕事をしたいと実力主義の会社に入社したら、どんどん頭角を現してそれまでの何倍もの収入を得ることも夢ではありません。
つまり年齢や学歴、経験よりもその人のモチベーション(やる気)を重視してくれるので、今のままで終わりたくない、自分の能力を試したいという人は、思い切って実力主義の会社に転職することをおすすめします。
不況や厳しい経営状態の現代ですから、終身雇用だけにすがっていても、いつ何時急変するかは誰にもわかりません。大企業に入ったからと言って必ずしも安泰とは言えないのです。
実力主義の会社で稼げるときに稼いで基盤をつくるという新しい考え方をして、自分のやりたいように働きかたをシフトしていく人もいます。
しかし、その場合には信頼できる会社に出会うことがなにより重要です。それはなかなか大変な作業でもあり、自分一人では情報が少なくて不安になってしまうこともあるでしょう。そんな時に頼れるのが転職エージェントなのです。