収入に直結するとともに、健康にも多大な影響がある「残業」は労働者として非常に大きい悩みとなる部分です。
月80時間以上の残業は「普通」か「きついか」?と問われれば業種による部分が大きく、収入のことを考えると「きつくてもやるしかない」ですし、収入を度外視しても心と体にとっては「きつい」というのが現実的な答えだと言えるでしょう。
一般常識で考えれば月80時間(1日4時間の残業w)の残業はしたくありませんよね…しかし生活のため(=お金)のために無理してるんですよね。ロトに高額当選すれば、残業ばっかりのブラック会社なんて即退社しますよね(夢)
ざっくりとしたことを言えば、月80時間以上の残業は過労死レベル、死に至る可能性があり、決して無視できることではありません。
月80時間の残業は #過労死ライン である事。この点を再認識しなきゃいけませんよね。これ以上の残業時間を厚労省が設定するなら罪だと思うし、これ以上の残業をする労働者は未来ある若者に対して死ぬまで働く事を許すのだと思う。改善のチャンスはそうない。今変えなきゃ。 https://t.co/PFDA0L9oi0
— 小野勝広/ジーネット株式会社 公式アカウント (@Ka162701) 2019年3月16日
今回は既に月80時間以上の残業をされていてお悩みの方、または転職や再就職に向けて次の職種が慢性的に残業が多い場合に自分がどうなってしまうのか、どう考えるべきなのかご説明します。
残業80時間は「普通」か「きつい」か
はっきり言うと時間に余裕が全くありません。息をつく暇もなく仕事をして、帰ったら寝るだけの生活しかできないということ。
これでは結婚どころか趣味に費やす時間もありませんし、日々の楽しみを見つけることもできません。
趣味に費やす時間はともかく、残業のおかげで結婚は無理でした…なんて人もいると思う。残業のせいで結婚が無理だなんて先進諸国では日本や韓国ぐらいではないでしょうか(惨めですよね)
>>仕事して帰って食べて寝るだけの生活は「ただの社畜」! 社畜を抜け出す方法
実際に月80時間~月100時間前後の残業をしてみると、恐ろしいことに生活のリズムさえ慣れてしまえばきついことはきついですがこなせてしまうことに気が付きます。
これはとても怖いことであり、企業側が「なんだ、死なないじゃん」と思うのと同時に労働者側が「残業しないと給料が安いからきつくても残業するしかない」という悪夢のような公式になってしまう原因となっているんですね。
大手企業、有名な会社による過労死の報道を見ている時でも「残業で死んでしまうなんて怖いね」くらいにしか感じないようになってしまいます。
マー君の父、塚田浩さん(仮名)は、和歌山県橋本市の自治体職員だった。かかえきれない仕事の山に押しつぶされ、2000年3月に自ら命を絶った。当時46歳。働きすぎが原因でうつ病になり、最悪の結果に至る「過労自死」の典型例といえる。
画像引用:http://editor.fem.jp
本当に残念なことなのに、もうそれが普通に感じてること自体がおかしいですよね。
業種によっては精神的にも肉体的にも追い詰められているのに、再就職先を探す時間が無い、引っ越す余裕が無いなど、転職さえもできない状況に追い込まれてしまい、結果として残業を続けるしか選択肢が無いというのが現実でしょう。
しかし死ぬか?転職か?と悩んだら、普通は択一で転職だと思うけど…働き過ぎで死ぬなんて普通ではありません。
しかし、生きているから良かったものの、心と体に影響が全くないなんてことはあり得ず、報道されているのは氷山の一角、水面下では苦しみながら、死ぬに死ねない非常に厳しい状況の労働者も多く存在しているのは確実です。
病に陥ると復職すらできなくなります。なんで早め早めの転職は大事なんですよね。
自分以外にも長時間労働に慣れてしまう人がいること、職業を選べなかったり、簡単に転職や引越しができない状態や、辞めてしまうことで他人に迷惑を掛けてしまうかもという気持ち、または自分がいなければこの職場は回らないという責任感など、様々な悩みを抱えてしまうことで、悩むくらいなら残業して今の生活を維持しようと考えてしまうのです。
自分さえ我慢すればいい…この考え方は日本人独特だと思うんですよね。これが日本に残業(それもサービス残業)を蔓延させてる原因かもしれませんね…嫌なことは嫌!ダメなことはダメ!と欧米人のようには言えないんですよね。
実際に三食ご飯が食べれて、住むところもあり、生きるための賃金が得られてしまうと、ギリギリの生活をしていてもこれは普通なんだと感じてしまうこともあります。
また、他の職場を知らない場合ですと、同じ職場の人が当たり前のように残業していると自分も残業して当たり前になり、残業しない人の方がおかしい!と考えたりもします。
みんな頑張ってるのに一人だけ早く帰るなんて!と残業しない人を責めたりする職場環境があるのも現実問題として存在しており、誰が悪いのか?何が悪いのか?という核心的な部分に触れることもなく、日々が過ぎ去ってしまいます。
皆が残業してるのに、自分だけ先に帰社すると村八分になりますもんね。
長時間労働は絶対に「きつい」はずなのに「普通」になってしまわないようにするためにも、長時間労働は「普通ではない」ということ、自分では長時間労働が「普通」だと思っていても、心と体にとって「きつい」ということを改めて理解しておきましょう。
残業があるのはしかたのない問題です。しかし月80時間の残業は「きつい」んです!間違っても「普通」ではありません!「普通」と思うこと自体狂ってますよ(汗)
月80時間の残業は過労死レベル
残業についてはイレギュラーな場合もあれば、人手不足によって状態してしまうこともあり、必ずしも否定できるものではありません。
人数が足りない状態、足りているけれど、病気やけがによる急な休みや冠婚葬祭、有休の消化が重なれば企業の責任というよりも仲間同士でフォローしなければならない場面もあります。
まあこの問題はしかたありませんね…
仕事が回るか、回らないかを現場の人間が悩んでいる時点で実際にはアウトですが、人がいない、急な休みで誰もいないけど、今日は会社休みにしよう!なんてことにはなりませんよね(笑)
人がいなくても仕事を回さなくてはいけないと、責任感を持っている人なら誰でもそう思いますし、必ずしも残業を嫌々やっているとも限らないからです。
しかし、一度でも人がいない状態で仕事が回ってしまうと、今の人数でも残業すれば人が居なくても大丈夫と会社側が判断し、求人を出しても応募が来ない、人が入らないと言いつづけられ、結局は長時間残業が当たり前になってしまうということになりかねません。
零細企業だと、よくあるパターンですね。以前、豆腐屋で配達のバイトをしていたのですが、まさにこんな感じでした。「まあ人を雇用してくてもやれるし…このままでもいいか」と。その結果、私の残業時間(無給)が増えるですよね。問題発言にはなりますが、クソもクソです!(怒)
ある程度の残業は仕方ありませんし、仕事を回すため、職場を円滑にするために必要となることもありますが、それでも長時間残業については仕方ないなんて思ってはいけません。
>>仕事量の多すぎる人の対処方法は?仕事を辞めて転職すればいい
>>毎日終電まで仕事するのは辛い!残業で終電まで働くリスク。残業代なしなら即転職
長時間残業が仕方がないと思ってはいけない理由は「月80時間の残業は過労死認定ライン」だからです。
現在の労働行政では、一応、過労死ラインは80時間(月に20日出勤とすると、1日4時間以上の残業・12時間労働)とされています。これは、健康障害の発症2~6ヶ月間で平均80時間を超える時間外労働をしている場合、健康障害と長時間労働の因果関係を認めやすいという目安です。
また、発症1ヶ月前は、100時間(月に20日出勤とすると、1日5時間以上の残業・13時間労働)を超える時間外労働をしている場合も、同様に健康障害と長時間労働の因果関係を認めやすいとされています。
月80時間を越えなければ良いと勘違いしている方も非常に多いですが、人はひとりひとり心も体も強さが違いますし、同じ肉体、同じ精神だなんてことは絶対にあり得ません。
月80時間の残業が過労死認定ラインというのは、人によってはもっと少ない残業時間でも死んでしまう可能性があるということなんですね。
長時間残業が仕方ない=「死んでも仕方ない」という恐ろしい考え方であることを理解しましょう。
冗談ではなく実話ですね!
もし、あなた自身が月80時間以上の長時間残業をしていて、当たり前になっているのであれば、今一度、あなたの人生のためにもそのまま続けるべきなのか、会社とよく話し合って改善するべきか、それとも他の会社や業種を選ぶべきなのかを考えてみることをおすすめします。
しかし、転職を考える余裕もなく、他の業種をゼロから始めるなんて無理だと判断してしまうのも現実でしょう。
>>転職を怖い・不安を感じるのは普通!怖い・不安と思う転職を乗り切るコツ
自分以外にも長時間残業に耐えている人もいる。自分だけが苦しい、きつい訳ではない。これくらい普通なんだと思ってしまうとしたら、その気持ちや考えこそが長時間残業が無くならない原因であると理解してみてください。
日本人の平均残業時間は月30時間
日本人の平均残業時間は月30時間程度であり、25日可動とすれば1日1.2時間ほどの残業となります。
残業は嫌かもしれませんが、日本人は残業することで給料の嵩上げをしてるので、多少の残業は我慢するしかないでしょうか。
月30時間で1.2時間の残業、月80時間だと3.2時間の残業であり、2時間の差であり、残業した分給料が増えたとしても、体や心への負担は非常に大きく、休日は疲れを取るだけで終わってしまったり、日々疲れを抱えたまま働くことになるのは明白です。
実際に残業80時間が「普通」か「きつい」かを知るために、前提条件を定めてみます。
- 9時出勤17時退社
- 日曜休み、土曜日は隔週で休み
- 25日可動
上記の条件で、80時間÷25日=1日平均3.2時間となります。
1時間休憩として実労働時間が7時間、拘束時間的には8時間、そこに3.2時間をプラスすると11.2時間となります。
ここに通勤時間往復2時間の通勤時間をプラスすると13.2時間であり、健康を維持するための睡眠時間が6時間~8時間、間をとって7時間として24時間-13.2時間=10.8時間からマイナスすると3.8時間です。
朝の身支度や帰宅後の家事も含めて、出勤日に自由に使える時間は3.8時間となります。う~んとなりますよね(苦笑)
こうして数字だけ見ているとわかりにくいですが、朝9時に出勤するために7時に起きて、身支度や家事をして1時間、通勤に1時間、その後11.2時間拘束、17時に退社し通勤1時間で18時、朝の身支度や家事で1時間マイナスなので、帰ってから寝るまでに使える時間は2.8時間となり、朝7時から夜11時頃までほぼノンストップの1日ということがわかります。
冷静に考えるまでもなく朝7時~夜11時まで仕事のために時間を費やすのは狂ってますよね。私は嫌です(キッパリ!)ただ、繁忙期や急な人手不足の時はしかたありませんが…
毎日の残業で疲れた心と体では、帰ってから寝るまでの時間も何か行動を起こす余裕もなく、遊びにいく機会が減ったり、友達付き合いも難しくなります。
休みの日も旅行や気分転換に出掛けたりするより、一日家で寝ている方がお金を使わないし、疲れが取れると考えてしまう方も少なくありません。
さらに、長時間労働で得た賃金もギリギリの生活をすることしかできない状態であれば、夢も希望もないまま、人生や自分自身を変えるきっかけさえも作ることが出来なくなってしまい、結果として追い詰められ、命を落としてしまう危険もあるのです。
今は責任が相応に重くなっているのと、顧客との前面に立つことも多いので対人疲れで、残業80でも結構きつい。てか、残業60~80で今月は残業少ないとか言ってる当たり自分でも頭おかしいと思う。
— 元オタクなキュアカイシャイン (@youjyoperorin3) 2017年11月28日
長時間労働、過労死ラインの月80時間の残業が普通ではないこと、きついだけでなく、異常事態として捉えるべき理由が見えてきたのではないでしょうか。
残業80時間以上は違法だろ?
月80時間という数字はあくまでも過労死認定の基準です。そもそも残業は1日8時間、週40時間を越えた時間外労働であり、基本的には禁止です。
「時間外労働の限度に関する基準」によれば36協定を結んでいたとしても1ヶ月45時間、1年360時間という限度が示されておりますが、特別条項付き36協定が結ばれていれば1ヶ月間の残業に限度がなくなるという完全に違法ではなくグレーゾーンとなっています。
>>6連勤、7連勤は違法?過労で倒れる前にブラック企業は辞めろ
長時間労働、月80時間の残業は一方の基準では違法なのに、条件を満たせば本来は違法なはずなのに働かせることができるという曖昧な部分であり、会社や経営者がルールを悪用してはいないとしても、長時間労働が常態化し、過労死認定ラインを越え続けることになれば、結果として過労死が増えたり、心や体に傷を負ってしまう人が増え続けることになります。
しかし、実際に残業80時間を1ヶ月どころか毎月しなければならない状態になると、違法であったとしても何らかの行動を起こすことも難しくなりますし、もし会社と争うなら職を失うかもしれないという不安や葛藤も生まれてしまいます。
普通に考えれば長時間労働が慢性化してる会社に媚びへつらうこと自体が間違ってますよね。探せばまともな企業はあるのですし、転職を考えるべきだと思う。
まさに八方塞がりとなってしまい、誰も助けてくれないような情況であり、会社も悪くない、自分も悪くない、誰も悪くないという考えに至る場合もあるんですね。終わってますw
仕方なく残業している人の中には「過労死認定ライン」を越えていて、いつ自分が心や体が病んだり、死んでしまうかもしれないという不安な気持ちで日々を過ごしている人もいるでしょう。
月80時間以上の残業が普通かきついかという体感的に大丈夫か、ダメなのかという問題ではなく、命の危険があるということを忘れないようにしましょう。
月80時間の残業を継続するリスク
月80時間の残業があるとしても仕事が辞められないのは、他の仕事ができなかったり、生活で精一杯、または自分の代わりがいないなど、生きていくために不安な要素と比べた時に現状に妥協するしかないのが大きな理由になっています。
よく考えてみてください。現時点で人手不足や長時間労働が改善されないということは、極端なことを言えば会社から「死んでも仕方ないけど働いてもらうしかない」と扱われているのと同じです。
人がひとり抜けたら回らなくなるような職場、人が入ってもすぐに辞めてしまうような仕事だからこそ、長時間労働は絶対になくならないのです。わかりますよね?
むしろ、長時間労働が解消され、残業が少なくなった時、今と同じ生活ができるような給料を貰える可能性はありますか?残業ありきで考えてしまうことで、自分の人生にリスクをを抱えたまま生きることになります。
でも、仕事を辞めてしまったら、誰も助けてくれない。残業が嫌でも死んでしまうとしても続けるしかないと思っているとしたら非常に危険です。
もちろん、転職や再就職は自己責任です。会社を辞めてしまえば収入源がなくなることも確かですし、不安定な未来を想像するより、働いて入れば確実に給料が貰える状態にしておきたいという気持ちもわかります。
心や体を壊してしまうリスク、日々時間に終われて疲れが取れないままの生活、何が楽しくて生きているのかわからない人生を過ごし続けることになることを忘れてはいけません。
また、現代ではひとつの職種や業種に縛られることなく働けるスタイルやスキルを持つことも大切です。
同じ仕事を続けるのはとても有意義であり、継続は力なりとも言いますし立派なことではありますが、ひとつの分野に特化し過ぎてしまうことで自らのキャリア形勢やスキルアップする機会を失う可能性もあります。
柔軟に働けるような考え方、キャリアプランを練ること、転職や再就職を怖がらないことも時には必要であると忘れないようにしてください。
長期間残業が慢性化している会社の対策
常に人手不足であり、しかも給料が安い、または給料が高くても長時間残業が慢性している会社への対策として、まずは自分自身を変える必要があります。
今の生活を守りたいと思う気持ちは非常によくわかりますし、他人に他の仕事探した方が良いと勧められても受け入れられない情況と言うのもわかります。
しかし、長時間残業をあなた自身が認めてしまうことで、会社に都合良く使われてしまっている理由なのも事実です。
同時に会社はあなたがいなくても他の誰かを雇入れたり、他人に負担を掛ける結果となるとしても自動的に回る仕組みになっています。
ですが、あなた自身はひとりしかいませんし、家族にとっては大切な人です。
生活するために働いているつもりが、心や体を壊すリスクの積み重ねを続けていることになり、最終的には働けなくなるどころか過労死となり、生活や人生が破綻することも考えられるのです。
長時間労働や残業については個人でどうこうできることではなく、声を上げたとしても改善や解決の糸口さえ掴めないのが現実です。
だからこそ、会社に何かを求めるよりも、心や体が壊れてしまう前に自分で準備をする。同じ職種でも良いですし、全く違う業界に挑戦することも視野に入れてみましょう。
どんな仕事も最初は誰でも素人であり初心者です。資格が必要で一部の人間にしかできないような仕事ばかりではありません。
本当の意味で安定した生活が過ごせるようにするためにも、月80時間以上の残業、過労死認定ラインと呼ばれるような長時間労働をしなければならないような情況から脱することを考えて、行動を起こしましょう。
月80時間以上の残業は「普通」か「きつい」か?とお悩みだったり、これから転職や再就職する仕事が長時間労働になりそうで悩んでいる方のお役に立てれば幸いです。
冷静に考えるまでもなく月80時間の残業は「きつい」です。「普通」ではありません。毎日3時間以上の残業をするんです。一時的な人員不足や一一過性の繁忙期などであれば、まだいいです。しかし1日3~4時間の残業が月に25日もあるのは「きつい」です。
私は嫌です!
20代30代の人は若く別の仕事は探せるわけですし、40代50代の人は体力の衰えなどで倒れることもあります。復活できればいいですが心身ともに病になり復職は無理なケースも多いです。
1日平均1時間ほどの残業ならば給料を嵩ましするためにも我慢は必要だと思われますが、月80時間の残業はきついので、私は転職をおすすめします。真っ当な会社生活を送りましょう…