厚生労働省が調査した「新規学卒者の離職状況」によると、昭和62年以降ほぼすべての年において、3人に1人が3年以内に会社を辞めているそうです。
職場では中高年の上司らが「今時の若者はすぐに会社を辞める」などと言っていますが、新卒者が3年以内に会社を辞めるのは、昭和の終わりから続いている現象なのです。もはやビジネスシーンにおいて、「石の上にも三年」なんて言葉は通用しないのかもしれません。
なぜみんな20代のうちに転職しているのか?その理由は簡単で、若いうちの方が未経験の分野に挑戦しやすいですし、人生の進路変更をするなら早い方が良いからです。
こういった若者のニーズもあり、転職は年々しやすい環境になっています。中でも注目すべきサービスが、「転職エージェント」です。そこでこの記事では、おすすめの転職エージェントや活用する際のポイントについて解説します。
20代は転職エージェントを使って転職しろ!その理由は?
20代の人が転職エージェントを使って転職することを勧める理由は2つあります。
・転職エージェントが人材のプロの目線であなたの良さを企業に伝えてくれる
・履歴書や職務経歴書の添削をしてもらえる
正直なところ、20代で他を圧倒するようなビジネススキルを持っている人はごくわずかです。しかし、20代の社会人にはポテンシャルや将来性があります。これは転職するうえで大きなメリットです。
とはいえ、自分にどんなポテンシャルや将来性があるのかを把握して、それを的確に面接で伝えられる人はほとんどいないでしょう。そこで、人材を見抜くプロである転職エージェントの登場です。
転職エージェントはあなたとのやり取りを通して、スキル以外にもどんな魅力があるのかを引き出してくれます。そして、それを企業に伝えてくれるのです。ここが求人情報を掲載しているだけの転職サイトとの大きな違いとなります。
さらに、転職エージェントは応募書類の添削や入社日の調整など、ほかの面でも転職をサポートしてくれます。こうしたことから、20代の転職には転職エージェントが良いとされているのです。
20代向け転職エージェントの選び方
転職エージェントでは、キャリアコンサルタントが人材を分析し、それぞれに適した企業を紹介することで転職をサポートしてくれます。自分でひとつひとつ求人情報をチェックし、応募する手間がかからないので、忙しい人の転職にもおすすめです。
ただし転職エージェントサービスは数多くあるので、それぞれの特徴を理解して、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。例えばエンジニアとして転職したい人なら、IT系の求人に特化した転職エージェントを選ぶのが得策です。
同じ系統の転職エージェントサービスなら、3~5社ほど登録しておくと良いでしょう。そうすることで自分に合ったキャリアコンサルタントと出会える確率が高くなります。少しでも早く転職を決めたいと思ったら、転職エージェントは併用が鉄則です。
20代におすすめの転職エージェント15選
ここからは、具体的におすすめの転職エージェントを紹介します。それぞれ得意分野やサービス内容が異なるので、今後自分がどのように転職活動を進めたいか、どんな仕事に就きたいかをイメージしながら選びましょう。
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、20代のビジネスパーソンから特に支持されている転職エージェントです。20代に人気の理由は、業界・職種別に専任キャリアカウンセリングがおり、5~10年後を見据えたアドバイスがもらえることにあります。
求人のほとんどが非公開であるのが特徴で、中にはマイナビエージェントのみが保有する独占求人もあります。
職種は営業職やサービス系のほか、クリエイティブ食や建築・医療系まで総合的に扱ってしており、企業も大手上場企業から人気のベンチャー企業まで幅広く扱っています。
登録後は退社の手続きや入社後のキャリアパスの相談にものってもらえるので、始めて転職する20代にもおすすめです。
>>マイナビエージェント(人気)
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、リクルートを母体とした国内最大手の転職エージェントです。もちろん公開求人・非公開求人の保有数は国内トップレベルで、定番の営業職や事務職のほか、物流関連・医療・調理師・介護士といった幅広い職種を網羅しています。
また、業界や規模をを問わずさまざまな企業を取り扱っているので、転職活動にエージェントを利用したいと思ったらまず登録しておいて損はありません。
なお、登録後は自分専用のページ(Personal Desktop)が作成され、常に新着情報を確認できます。独自にヒアリングして入手した情報も掲載されており、社風や選考のポイントなどもしることができます。さらに高い満足度を誇る面接セミナーも受けられ、転職活動をバックアップしてくれます。
>>リクルートエージェント(人気)
doda(デューダ)
dodaは大手転職サイトで知られる転職エージェントです。非公開求人が全国にわたって用意されているなど情報が充実しており、幅広い職種の人が自分に合った仕事を探すことができます。
エージェントサービスのスタッフはおすすめの求人を紹介する「採用プロジェクト担当」と書類作成など転職活動をサポートする「キャリアアドバイザー」に分かれており、分担制にすることでそれぞれ充実したサービスを受けることができます。
ライフワークバランスを重視したい、未経験の仕事に挑戦したいといった要望を聞いてもらえるので、初めて転職する人にもおすすめです。カウンセリングが実施各地で実施されているのもメリットのひとつです。
>>doda(人気)
マイナビジョブ20’s
マイナビジョブ20’sは、第二新卒や既卒者である20代のみを対象とした転職エージェントです。登録者のほどんどが社会人経験3年以内の20代が占めているという特徴から、求人も半数以上が未経験者を歓迎したものが主体となっています。
求人数は国内最大級の転職エージェントと比べたら少ない傾向ですが、そのぶん20代に特化した内容であるというのが魅力です。
登録後は、キャリアコンサルタントがマンツーマンで自己PRや志望動機から丁寧にアドバイス。そこには、大手転職サービスを運営しているマイナビならではのノウハウが活かされています。また、国際基準を用いた適性診断も受けることも可能で、これからどんな仕事に就きたいか考えたい人にもおすすめです。
ビズリーチ
ビズリーチは、年収600万円以上で管理職や専門職といったハイクラス層を対象とした転職エージェントです。求人数は比較的多く、ときには海外からの求人が取り扱われることもあります。
ビズリーチ最大の特徴は、登録が無料と有料のプランに分かれていることです。無料登録のみではスカウトを受けることができても、応募はできません。有料会員になると、非公開求人を含む求人への応募や返信といったすべてのサービスが使えるようになります。
求められるのは即戦力という傾向が強いので、今の職種でワンランクアップさせたい人には特に向いています。
>>ビズリーチ
JACリクルートメント
JACリクルートメントは、外資系・グローバル企業やハイクラス層への転職を得意とする転職エージェントです。
高収入求人が充実しており、年収800万円以上の求人が主体となっているのが特徴です。キャリアコンサルタントは業界・職種別に専任制となっており、ハイレベルなアドバイスをもらうことができます。
応募する職種に対してある程度スキルを積んでいる人であれば、高収入な良質求人を案内してもらえるのでメリットがあります。一方で未経験の仕事への応募は難しい傾向です。主に20代後半から現職での経験を活かし、キャリアアップを目指す場合に利用すると良いでしょう。
>>JACリクルートメント(人気)
パソナキャリア
パソナキャリアは、まだキャリアが浅い人や未経験の仕事に挑戦したい人に合った転職エージェントです。求人件数の多さは国内でもトップクラスで、取引実績企業には人気の大手企業も数多くあるのが特徴です。
またパソナキャリアは、キャリアコンサルタントのカウンセリングが特に親切であることも評判で、年収を重視して仕事を選びたい、子育てと両立できる仕事が良いといった要望をしっかりと聞いてくれます。
対応地域の幅広さがトップレベルであることも特徴で、ほかの転職エージェントでは求人差見つからない人も、パソナキャリアなら見つかる可能性があります。
さらに、転職するかどうかまだ迷ってい段階の人が登録するケースも多く、転職活動になれていない人のニーズにも応えてくれる転職エージェントといえます。
>>パソナキャリア
キャリトレ
キャリトレは、ビズリーチと同じグループサービスの転職サイトです。転職サイトといってもスカウト機能が充実しており、転職サイトと転職エージェントの良い所を集めたサービスといえます。
また、ハイクラス層をターゲットとしたビズリーチと異なり、キャリアの浅い20代にもマッチした求人情報が充実しているのが特徴です。
経歴情報を登録すれば、企業担当者が閲覧に来てプラチナスカウトの通知が来るほか、求人情報は自分から探さなくても人工知能がマッチする情報を届けてくれます。
キャリアコンサルタントとの対面によるカウンセリングなどは受けられませんが、忙しいのでパソコンやスマホだけで転職活動をしたいという人にはうってつけです。
>>キャリトレ
Spring転職エージェント
Spring転職エージェントは、外資系企業やグローバル展開を狙っている企業の求人情報が充実している転職エージェントです。世界中に拠点があるため、国外からも専門分野に精通した求人情報から自分に合った企業を選ぶことができます。
求人数は大手と比べてやや少ないものの、良質なものが揃っており、求人の多くは非公開であるのが特徴です。
また、取り扱っている企業の数が少ない分、キャリアコンサルタントと企業人事が直接やりとりしているため、ほかの転職エージェントでは得られない情報が得られるのもメリット。
登録後は専任のキャリアコンサルタントがつき、こうした情報を生かしてあなたの転職をサポートしてくれます。給与アップなど相談しにくいことも親身になって聞いてくれるのも魅力的です。
type転職エージェント
type転職エージェントは、営業職やITエンジニア系の求人が主に充実している転職エージェントです。
運営しているのは、転職サイト「@type」などで知られるキャリアデザインセンター社。転職後に年収がアップした人と回答する人の割合の高さは、数ある転職エージェントの中でもトップクラスで、高い顧客満足度を誇ります。
キャリアコンサルタントによる手厚いサポートも好評で、キャリアプランの相談や自己PRのアドバイスのほか、年収などの相談を企業に代わってしてくれます。
ただし対応地域に偏りが出ることがあるので、自分の地域の求人が充実しているかあらかじめ調べてから登録すると良いでしょう。
ハタラクティブ
ハタラクティブは、キャリアが浅い人や非正規雇用から正社員に挑戦したい人に特に適している転職エージェントです。
未経験者歓迎の正社員求人が充実しており、これから新たなキャリアを築きたいという人にもマッチした企業を選ぶことができます。
キャリアコンサルタントによるカウンセリングも独特で、性格も含めてどんなところにポテンシャルがあるのかといった長所を引き出すことに長けています。また、書類添削にも優れており、書類審査の通過率の高さには定評があります。
さらに面接などを終えた後の内定率も高いので、初めて転職活動をする人も安心して任せられるでしょう。
>>ハタラクティブ(人気)
第二新卒エージェントneo
第二新卒エージェントneoは、第二新卒の20代のほか、フリーターから正社員を目指したい人にも適した転職エージェントです。
転職先がブラック企業だったらどうしよう‥という、若者の悩みに特に寄り添っているのが第二新卒エージェントneoの特徴。求人数を増やすことを重視するのではなく、キャリアコンサルタントの視点で優良と思える企業だけを厳選しているので安心して選ぶことができます。企業を選ぶために、スタッフ自ら足を運んで調査しているのですから本格的です。
またサポートも充実しており、名刺交換や電話応対といった社会人としての基礎スキルの指導から書類の添削、模擬面接など幅広く対応しています。
就活力アップセミナーも実施しており、知識や実践的なスキル、応募先の業界の知識などを身につけることも可能です。転職を決めた後も視野に入れて、ビジネスパーソンとしてのスキルアップ勉強したいという人には特に向いています。
ウズキャリ第二新卒
ウズキャリ第二新卒は、その名の通り第二新卒の転職に特化した転職エージェントです。
内定率の高さに定評があることに加え、転職した後の定着率も高い数値を残していることから、「職を転々とする生活は嫌だ」「次こそじっくり腰を据えて働ける職場を見つけた」いという20代には特に適しています。
ウズキャリ第二新卒が高い定着率を誇る理由は、求人情報を載せる企業を厳選していることにあります。求人を載せる前には企業にヒアリングを行い、採用基準や面接のスタイルなどを徹底調査。ブラック企業と判断したところの求人は紹介しません。
拠点地は首都圏のみとなりますが、キャリアコンサルタントのサポートは24時間受けられます。第二新卒の中でも特に即戦力で勝負したい人に向いており、前職と同じ職種で転職したい場合は登録しておきたい転職エージェントです。
ワークポート
ワークポートは、かつてIT系のサービスを展開していたことから、IT系企業の求人を得意としている転職エージェントです。
もうひとつワークポートの特徴といえるのが、未経験者歓迎の求人が充実していること。「こんな仕事に挑戦したい」「こんな働き方をしたい」といった要望に応え、それぞれに適した企業を選んでくれます。
求人のほとんどは非公開求人であり、中には販売系などIT関連以外のものもあります。そのため、新しい分野の仕事に挑戦したい人は、ひとまず登録しておいても損はありません。
ワークポートで転職をサポートする人は「転職コンシェルジュ」と呼ばれ、おもてなしのように丁寧な対応をしてくれます。時間がない、書類作成が面倒くさいといった場合も優しくサポートしてもらえますよ。
>>WORKPORT
エンエージェント
エンエージェントは、エン・ジャパンによる転職エージェントです。エン・ジャパンといえば、大手転職サイトのエン転職が有名ですね。
エンエージェントでは営業や事務、技術系、不動産関係など幅広い非公開求人が揃っており、それぞれの分野に特化したコンサルタント(キャリアパートナー)が専任で転職をサポートしてくれます。
また性格価値観診断テストやキャリア志向に関するアンケートを受けることで、これまで培ったスキルのみならず、内面やポテンシャルから自分に適した仕事を見つけてくれるのも魅力的です。
こうしたテストは、どんな仕事に就きたいかハッキリしていない人が転職活動を始めるうえでも役立ちます。また対応地域が幅広いため、ほかの転職エージェントでは地元の仕事が見つからないという場合に、とりあえず登録しておくのもおすすめです。
リクナビNEXT
リクナビNEXTは、リクルートエージェントと同じく、リクルートを母体とする転職サイトです。転職サイトとしては国内最大規模を誇り、全国にある幅広い職種の求人情報を見ることができます。
転職エージェントではないのにもかかわらず、リクナビNEXTを紹介する理由は2つあります。ひとつは人気企業からの直接スカウトが充実しているため、もうひとつはリクルートエージェントと同時登録をすることで、より効率的に転職活動ができるためです。
リクナビNEXTだけ、あるいはリクルートエージェントだけに掲載されている求人情報があるので、両方から情報を収集することをおすすめします。また、リクナビNEXTでもキャリアアドバイザーのサポートが無料で受けられますよ。
>>リクナビNEXT(人気)
転職エージェントで転職を成功させるための注意点は?
初めて転職エージェントを利用するときは、戸惑うこともあるでしょう。そこで転職エージェントで転職を成功させるための注意点を解説します。
転職エージェントとの連絡はしっかりとする
キャリアコンサルタントとの連絡をおろそかにしていると、転職する意思がなくなったと思われたり、別の転職エージェントで転職を決めたと思われたりしてしまいます。
そうなるとマッチする求人があっても紹介してもらえないので、転職活動ははかどりません。
毎日のように連絡をする必要はありませんが、スカウトメールを依頼したら、半月に1回くらいのペースで現状報告をかねた連絡をするようにしましょう。
転職する意志のあることを断言しておく
転職エージェント側は、毎日1人でも多くの人の転職を決めて成果を出したいと考えています。だからこそ、転職したい意志が強い人ほど手厚くサポートしてくれます。
キャリアコンサルタントとの面談がある日は、転職の意思がしっかり固まっていることをアピールしましょう。
こんな仕事に就きたいという熱意を伝えるほか、「自分に合いそうなところがあるなら、今すぐにでも転職したい」と言ってしまうのもひとつの手です。
嫌な担当者は即チェンジする
キャリアコンサルタントとひと口に言っても、そのキャラクターはそれぞれです。どこの転職エージェントも求職者と真摯に向き合うことを心がけていますが、細かな部分で相性が良くないと感じる場面も出てくると思います。
この人と合わないと思ったら、遠慮せずに担当者の変更を申し出てください。安心して転職の悩みを話せない人とでは、新しい仕事を見つけられません。
わざわざオフィスへ行ってカウンセリングや面談を受けるのですから、自分が何を話すかだけではなく、相手がどんな受け取り方をしているかをシビアに見極めるようにしましょう。担当者の変更を言いにくい場合は、別の転職エージェントを探すのも良いでしょう。
推薦文の内容はしっかりと確認すること
信頼できる担当者かどうか見極めるポイントのひとつに、企業に渡す推薦文があります。推薦文は、あなたの良さを企業に伝えるための大事なものです。
だからこそ、きちんと書いてくれているか内容を確認しましょう。推薦文は200~1000文字くらいで書かれているので、読むのにそこまで時間はかかりません。このちょっとしたひと手間が、転職の成功・失敗の分かれ道となります。
転職エージェントの複数登録は必須である
冒頭でも書きましたが、転職エージェントは複数登録するべきです。それは単純にいろんな求人情報を入手できるからではなく、それぞれの担当者によってキャリアプランの立て方やマッチする求人の選び方が異なるからです。
さまざまなキャリアコンサルタントの話を聞くことで、あなたの視野も広がります。そうすることで、本当に自分に合った仕事を見つけ、転職を成功させることができるのです。
転職エージェントの中には、複数登録可能とハッキリ宣言しているところもあります。キャリアコンサルタントも複数登録が当然と思っているので、遠慮する必要はありません。
同じ案件に複数の転職エージェントから応募しないこと
複数の転職エージェントに登録することはおすすめしますが、同じ求人に複数の転職エージェントから応募することは絶対に避けてください。
複数の転職エージェントから同じ求人に応募すると、すべてのキャリアコンサルタントが企業に連絡を取ってしまい、応募先の企業が混乱してしまいます。
こうなっては企業からの印象は悪くなりますし、転職エージェントの担当者にも不信感を与えてしまいます。スムーズに転職活動を進めるためにも、こうした心配りは忘れないようにしましょう。