40代や50代になってからの転職は、若い頃よりハードルが高くなってしまいます。転職市場では若い年代が有利という定説があり、年齢の限界説について耳にする機会は多いでしょう。
長年務めていた企業やポストを捨てて、新しい職場を選ぶには勇気が必要です。それでも転職を考えるなら、その理由は軽くはありません。
仮に59歳だったとしても、定年まではまだまだ時間が残っています。そのまま働き続ける自分を想像できないのであれば、転職を選ぶべきです。40代や50代は働き方について考え直す、ラストチャンスと言えるでしょう。
少子高齢化による人手不足により、転職市場は以前と大きく様変わりしています。中高年にも20代や30代と違った価値が見出されているため、積極的に採用する企業は増えているのです。
この記事では転職を迷っている40代や50代のために、転職における年齢の限界について検証していきます。「転職は何歳までなのか」「なぜ転職が困難になるか」など、気になるポイントをチェックしていきましょう。
中高年の人の転職は難しい理由とは
転職市場では20代が一番人気があり、それを超えると少しずつ転職の成功率は下がってしまいます。年齢によって制限を設けるのは雇用対策法違反ですが、「20代が活躍中」といった文言がある求人は少なくありません。
若い人は「体力」や「吸収力」という部分で中高年よりも優れているので、1から仕事を教えても支障がありません。仕事の覚えが早く柔軟な対応ができるため、新しい仕事にもすぐに馴染めます。
40代や50代になると記憶力が衰えてしまいますし、培ってきた経験が邪魔になるケースもあるでしょう。新卒や第二新卒と違って新しい仕事への対応力が低いので、未経験業種への挑戦はほぼ不可能です。
体力にも限界があるので、働ける職は自然と限られてしまいます。採用しても働ける年数が少ないため、将来性では若い人に勝てません。
年齢にあった年収やポストの用意が必要ですし、「年下の部下」などで人間関係が複雑になるので、扱いづらいと敬遠する企業もあります。若い人と比べてしまうと、採用枠が少なくなるのが現実です。
何歳まで転職は可能なのか
年齢が上がれば内定を貰うのは難しく、転職活動にも時間がかかってしまうでしょう。「35歳」「40歳」など、転職市場では様々な限界説がささやかれています。
しかし、原則として年齢制限はなく、何歳であっても転職は可能です。企業によっては定年の年齢を制限としていますが、少子高齢化の影響もあり、働く高齢者は増加しています。
より良い働き方を求める傾向は年代を問わず広がってきており、長年務めた会社から転職する中高年は珍しくありません。年齢別に見る転職成功者の割合にも、大きな変化が生まれてきています。
・25~29歳…37.9%
・30歳~34歳…23.5%
・35歳~39歳…13.7%
・40歳以上…15.7%
20代~30代の若者の割合が多いのは当たり前ですが、35~39歳よりも40歳以上の方が、転職の成功率が高いのがわかります。15.7%の人が成功しているという事実があるなら、チャレンジする価値は十分です。
在職中に転職活動を行えば、万が一失敗した時のリスクはありません。40代や50代でも定年までは10年以上あり、不満を抱えたまま働くには長すぎる期間です。
>>働きながら転職は難しい?働きながら転職のコツ
転職の限界説は年々崩壊してきているので、年齢は転職を諦める理由になりません。自分に合った転職先を探して、なるべく早く嫌いな職場から離れましょう。
昔に比べて転職者の年齢は上がってる
同じ企業に定年まで務める終身雇用制がなくなったため、転職に関する考え方はガラリと変わりました。自分に合った働き方を模索するのは当たり前になり、年齢による制限を感じることも少なくなっています。
真面目な話、終身雇用をやめるなら若い頃の薄給も無しだからな。
経団連のアホどもって、終身雇用も定期昇給もなくすけど若者の給与水準は今のままでいいと思ってる節あるよな。
つまりずっと薄給で働く奴隷であれと、それで今まで同じくみんな働くと思ってやがる。
どんだけ物考える能力ないのかと。— 愛国心の足りないなまけ者 (@tacowasabi0141) 2019年5月24日
10年前までは29歳だった転職者の平均年齢は、年々上昇しており、今では32.5歳です。少子高齢化や人材不足といった背景によるニーズの変化があり、中高年で転職を行う人はどんどん増加しています。
平均年齢を上げている一番の原因は、40歳以降の転職成功者です。若さが何よりのアドバンテージであった以前と比べると、中高年のチャンスはかなり広まってきています。
最近は採用ターゲットの多様化が進んでおり、優秀な人材を中高年から求める企業は少なくありません。在宅で勤務できるテレワークなど働き方の変化が進んでいて、年齢に関係なく働ける環境が整ってきました。
以前は60歳だった定年を65歳にまで引き上げる法改正が進んでおり、労働者の平均年齢はどんどん上がっています。40代や50代を活かしたいと考える企業は多いため、中高年の転職成功者も増えていくでしょう。
年齢で不利になることは事実
求人に年齢制限を設けるのは禁止されており、表面上では年齢に関係なく平等と言われています。しかし、実際は若い人材の需要は高く、40代や50代になると転職の成功率は下がるのが現実です。
まったく同じ条件ならば、企業は将来性がある若い人を採用します。中には秘密裏に採用年齢の上限を決めている企業もあるため、20代や30代の転職者と比べると難易度は高めです。
転職活動を長期化させないために、年齢に応じた戦略を考えましょう。「企業のターゲット層の把握」や「マネジメントやスキルの整理」など、やれることを考えて実行してください。
これまでどのような企業に務めて、どのような仕事をしてきたのか、面接でアピールすることが重要です。今よりももっと転職が困難になる前に、成功させましょう。
しかし20代より40代50代の人材を求める企業も多い
企業には様々な年齢の人材が必要不可欠であり、新卒や第二新卒ばかりでは成り立ちません。特に新人の教育やマネジメントができる40代や50代の管理職が少なければ、仕事は円滑に進まなくなってしまいます。
>>新人教育は疲れる!ストレス!うんざり!新人教育にイライラしなく疲れないための対策
40代や50代にあって20代にないのは、熟練したスキルや経験です。長年企業に務めてきた実績を求める企業は多く、条件さえ満たせば年齢は問われません。
「専門性」「経験」が重要な業種ならば、転職は難しくないでしょう。新規事業を立ち上げるなら、経験者である40代や50代が必要です。
求人選びを間違えなければ、40代以降の年輩者でも十分に転職ができます。企業側が求めているポイントを把握することで、転職の成功率はグッと上がるでしょう。
なんらかの結果を残してきた方なら、何歳であってもキャリアアップは夢じゃあありません。自分で限界を決めるのはもったいないので、まずは転職について前向きに考えることから初めてください。