円満退職(円満退社) できない時のリスクとは?円満退職に失敗しない方法

転職・就職

転職や退職を考えている時に一番気になるのは、職場の上司や同僚の反応ですよね。「立つ鳥跡をにごさず」という言葉があるように、双方が納得した上での円満退職が理想的です。

退職は労働者にとっては当然の権利です。とわいえ、職場にいる全ての人が、笑顔で送り出してくれるとは限りません。

引き止められたり、嫌味を言われたり、辛い思いをすることだってあります。周囲とトラブルになってしまえば、後味が悪い結果は避けられないでしょう。

もちろん、「どうせ退社するのだから関係ない」という考え方も、間違いではありません。しかし、円満退職に失敗してしまうと、様々な弊害が発生する可能性があります。

この記事では、「円満退職に失敗した時のリスク」や「円満退職するための方法」について詳しく説明します。働いている会社を辞める前に、ぜひチェックしてください。

円満退職とは何か

円満転職とは、本人と会社側が納得した上で行う退職のことです。トラブルや混乱がなく、平和的に現在の会社を辞めます。

退職手続きや引き継ぎがスムーズに終わっていることが、最低限の条件です。法律で定められているわけではありませんが、ビジネスマナーの一種と言えます。

辞め方を間違ってしまうと円満退職ができないので、退職前の言動には注意しましょう。ただし、本人の行動に問題がない場合でも、円満退職に失敗してしまうケースもあります。

円満退職できる人は少ない

会社にとって優秀な人材が辞めてしまうのは大きな痛手です。育ててきた人材が退職すると、それまでの投資が無駄になってしまいます。

現在の業務に支障をきたしますし、人員の補充にはコストが必要です。特に経験やスキルが必要なマネジメント職は、代わりを見つけるのが特に難しい傾向があります。

結果的に会社や周囲に負担がかかるため、急な退職はあまり歓迎されません。強引な引き止めはもちろん、場合によっては嫌がらせをうける悪質な例まであります。

入念な準備と周囲の理解があって初めて、円満退職は成功します。対応を少し間違えただけで、トラブルに発展することが多いのです。

円満退職できない場合のリスクは?

円満退職ができなければ、辞めるまでの期間にとても辛い思いをします。人間関係が悪化し、ピリピリした空気の中で仕事をしなければなりません。

さらに、転職後や転職活動に悪影響がでることも。円満退職ができなかった場合の怖いリスクについて、1つずつ解説していきます。

転職先や業界への悪い噂

最近だと前職検査はほとんど行われていませんが、一部の業界では残っています。腹いせや嫌がらせで、わざわざ転職先や業界に悪い噂を流すような人もいるので注意が必要です。

「すぐに辞める」「問題を起こす」など、腹いせにあることないことを吹き込まれても、訂正するのは不可能でしょう。働く上で大きなマイナス要素ですし、退職後に転職活動をするなら採用にも悪影響です。

また、同じ業種の場合は、会社や個人間でのつながりがあります。ちょっとした世間話からでも、噂が広まらないとも限りません。

知らない間に誇張された悪評が転職先に流れていた、なんてケースもあります。一度貼られてしまったレッテルを剥がすのは困難です。

業界で評判が悪い社員の存在は、会社にとって大きなリスクです。本人に非がなくても、なんらかの対処をする可能性があります。

損害賠償を請求されるケースもある

会社によっては、「ライバル会社への転職」「顧客情報を持ったまま転職」を、就業規則や雇用契約書で禁止しています。

そのまま転職や退職をした場合、損害賠償や違約金を請求されるケースがあるのです。もちろん、職業選択の自由は誰にでもあるので、支払う義務は一切ありません。

しかし、「転職先に情報を漏らした」と訴えられれば、法的な手段で争うことになってしまいます。稀なケースではありますが、大事になる危険性を考えて、円満退職を心がけましょう。

前職の人脈や過去の会社の協力は無理

新しい仕事につながったり、困った時の助けになったり、仕事をする上で人脈は非常に重要です。前職で培ってきた人脈をそのまま利用できれば、転職先でも強力な武器になります。

ただし、人脈は信頼があってこそ力を発揮するものです。退社の時に周囲ともめてしまえば、全てなくなってしまいます。

転職先としても、前職でのつながりに期待する部分はあるでしょう。もしも紹介を頼まれたら、円満退職ができなかった事情を説明しなければなりません。

しかし、円満退職ができれば前職での人脈をそのまま利用できます。前職で培った人間関係を存分に活かせるため、転職先との架け橋になることだって可能です。

人脈の広さは個人の評価にもつながります。同じ業界なら顧客や取引先が被ることは多いので、良い関係を保ったままの方が有利です。

後味の悪い退職によるメンタル低下

退社の時に揉めてしまうと、「会社や仲間を裏切った」という罪悪感が残ってしまいます。

新しい職場で心機一転とはいかず、なかなか切り替えができません。「悪口を言われているのでは」「自分のせいで迷惑をかけた」など、仕事中にも前に働いていた職場のことが気になってしまいます。

また、良好だった人間関係が崩れてしまった、退職まで嫌味を言われ続けたなど、精神的なダメージを引きずることも。意欲がなかなかわかないので、仕事への集中力は下がってしまいます。

新しい人間関係を築いたり、仕事を覚えたりと、転職をした後は最初が肝心です。メンタル低下によってパフォーマンスが悪くなれば、転職先の上司や同僚をガッカリさせてしまいます。

「できない人間」というレッテルを一度でも貼られると、挽回するのは簡単ではありません。そのまま馴染むことができず、孤立してしまう可能性だって考えられます。

転職先をまた辞めたくなるという最悪のケースは、できるなら避けたいものです。気持ちよく円満退職をすれば、転職先でもポジティブに新しい仕事をスタートできます。

円満退職(円満退社)に失敗しない方法

円満退職をしたいと思った時に重要なのは、転職前の言動です。入念に準備を重ねていけば、誰にも迷惑をかけることなくスッキリ退職ができます。

では、円満退職を成功させるためのポイントについて、具体的に解説していきましょう。知っているのといないのでは、結果が大きく違ってきます。

辞める理由は個人的なことにする

上司に退職を報告すれば、当然辞める理由を聞かれます。転職を決断する理由は人によって違いますが、全てを正直に答えるのはNGです。

今の仕事が嫌だから辞めるといった理由では、相手に悪い印象をあたえます。会社が原因で辞めるのではなく、自分の事情で辞めるというスタンスをとった方が好印象です。

とわいえ、病気や結婚など、すぐに発覚するようなウソをつくのは自分のクビをしめることにつながります。信頼を無くさないためにも、辞める理由は「個人的」かつ「前向き」なものが一番です。

「違う仕事に挑戦したい」「働き方を変えたい」というように、ポジティプな理由なら印象は悪くなりません。新しい職場でやりたいことを、具体的に考えておくのがベストです。

たとえば、転職先が異なる業種ならば、理由を考えるのは難しくありません。たとえ同じ業種であっても、今の職場との「違い」を明らかにすれば、自然な理由が見つかります。

どうして今の仕事ではダメなのか、聞かれた時に答えられるようにしておきましょう。仮にウソだとしても、会社側に納得して貰うことを優先してください。

もちろん、介護や育児など、仕方がなく辞めなければならない理由があるなら、正直に話してください。引き止められることなく円満退職ができます。

信頼できる職場の人には本当の理由を話した方がいい理由

退職や転職は人生において重大なイベントです。1人で全てを抱え込んでいると、ストレスが溜まってしまいます。

信頼できる相手には、本当の理由を話しておきましょう。一緒に働く同僚や上司であれば、職場に関する悩みに共感してくれます。

退職をした後も良好な関係を続けたいなら、ウソをつくのは良くありません。万が一バレてしまえば、相手はショックをうけてしまいます。

ただし、信頼していた相手に裏切られる可能性だってあります。「話す人は1人か2人」「話す相手を選ぶ」といったポイントが、円満退職に失敗しないためのコツです。

会社への不満はNG

転職の理由で一番多いのが会社への不満です。理由を聞かれたり、職場で雑談したりしていると、ついポロリと愚痴をこぼしてしまいます。

しかし、上司や同僚に会社の悪口を話すのはNGです。不満を持っていない人や、一生懸命働いている人が聞けば、嫌な思いをするでしょう。

人間関係にも悪影響がでてしまい、退職までの間は職場に居場所がなくなります。パワハラやセクハラが原因の場合、本人の耳に入れば嫌がらせをうけるリスクだってあるのです。

「給料が安い」「労働時間が長い」など不満をいってしまえば、「待遇を良くするから残ってくれ」と引き止められます。迷いが生じてしまいますし、辞める切っかけを奪われかねません。

もちろんただの口約束でしかないので、実際に待遇が改善するとは考えにくいです。一度でも辞めるタイミングを逃してしまうと、退職を言い出しにくくなってしまいます。

待遇や不満はそのままでズルズルと働き続ける羽目になるので、注意しましょう。退職まで不満をキレイに隠してしまうのが賢いやり方です。

辞める時期と切り出し方

退職をする前にはスムーズな引き継ぎが必要です。円満退職を実現したいなら、退職したい日から逆算して十分な期間を設けましょう。

一般的なマナーとしては、1.5ヶ月~3ヶ月ほど前までがベストです。少し余裕を持って伝えておけば、有給休暇も消費しやすくなります。

ただし、繁忙期に辞める意思を伝えるのはなるべく避けてください。忙しい時期に辞めると周囲への負担になりますし、人で不足なので引き止められます。

まずは、直属の上司に相談があることを伝えましょう。落ち着いて2人になれる場所で、話を切り出すのが基本です。

とても重要な話なので「他の人がいる場所」や「雑談の途中」で伝えるのはリスクがあります。どうしても人目があるようなら、2人で話したいことをメールで送ってください。

ある程度の配慮は必要ですが、キッパリと辞めるという意思表示をすることが重要です。用意しておいた「退職の理由」「感謝の言葉」「希望する退職日」を、しっかり伝えましょう。

ただし、労働基準法では、2週間前に退職の意思を伝えれば良いとされています。休職中や精神的・肉体的な問題で働けない場合は、すぐに辞めるのも選択肢の一つです。

違法行為やパワハラなど会社側の明確な非が証明できるなら、その場ですぐに退職ができます。ブラック企業だと円満退社はかなり困難なので、早く辞めてしまいましょう。

引き止められた場合の対策

部下の退職は、上司にとって歓迎できる出来事ではありません。仕事への影響は少なくありませんし、個人の人事評価にも影響します。

「必要な人材だ」「不満があるなら言ってくれ」など、説得をうける可能性は高いです。お世話になった上司に引き止められたら、迷いが生じることがあるでしょう。

また、「もう一度考えてほしい」「もう少し待ってくれ」と言われ、引き伸ばされてしまうことも。退職を訴えても無視される、といったケースもあります。

離職率が高くて人材が不足しているブラック企業の場合は、なかなか辞められません。脅迫まがいな手段を使って。無理やり引き止めようとする上司もいます。

そこで押し負けてしまうと、いつまでたっても退職はできません。決意したのであれば、確固たる意思を持って退職を伝えてください。

上司に言っても無駄な場合は、人事部に直接掛け合ってみましょう。それでもダメならまた違った対処が必要です。

円満退職できない場合は退職代行サービスを利用する

いくらマナーを守って準備をしても、会社側に問題があれば円満退職はできません。円満退職には双方の同意が必要不可欠ですが、なかなか認めて貰えないケースもあります。

上司のパワハラやセクハラが原因の転職なら、本人と何度も話し合うのは辛いでしょう。退職のせいで人間関係が悪化してしまえば、会社に出勤するだけでも精神的な負担になります。

いくら努力や準備をしても無駄なら、円満退職を諦めるのも選択肢の一つです。ブラック企業に縛り付けられる前に、確実に辞める手段を選んでください。

退職代行サービスなら、必要な手続きや交渉を変わりに行ってもらえます。専門の第三者が介入するため、退職までの流れがとてもスムーズです。

退職代行サービスに依頼すれば、もう会社に通勤する必要はありません。会社への連絡は一切不要で個人の持ち物も郵送で届けてもらえるので、嫌な上司や職場とすぐに離れられます。

まとめ

「悪い噂」「損害賠償」「メンタル低下」など、円満退社の失敗には様々なリスクがあります。どうせ退職するなら気持ちよく職場を去りたいものです。

「辞めてしまえば関係ない」とやるべきことを放棄すると、後になって苦労します。新しい職場で順調なスタートをきるためにも、円満退社のための準備は怠らないようにしましょう。

「理由」「タイミング」「切り出し方」など、正しい方法を知っていれば、円満退社は難しくありません。引き止められたり、理由を聞かれたりしても、十分に対処できます。

ただし、社員の退社を妨害するようなブラック企業なら、退職代行サービスの利用を検討してください。残っても良いことはないので、なるべく早く転職をしましょう。

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