山中武(@tyblogty)です。
美甘祐司さんが個人福祉ビジネスなる企業のモデルを打ち出していますが、広告を見た一部の人からは怪しいとの声も上がっているようですね。確かに福祉に関するビジネスで稼ごうと聞くと大丈夫なのと思うかもしれませんが、福祉で稼げる人が増えるのはそれを利用する方の利益にもつながります。
実際個人福祉ビジネスを調べてみましたが、向き不向きはあるものの怪しい感じはしませんでした。それでは個人福祉ビジネスの詳細を見ていきながら、始めるにあたっての注意点等も紹介していきます。
個人福祉ビジネスについて
まず個人福祉ビジネスについて簡単に概要をまとめておきます。これは美甘祐司さんがWEBセミナーやスクールで紹介しているビジネスで、障がい者福祉に繋がります。
障がい者就労継続支援B型事業所を開業することで利益を出すのがビジネスモデルなのですが、こういわれても具体的なイメージが湧きにくいでしょう。そこで少しかみ砕いて説明します。
まず障がい者就労継続支援B型事業所とは障がい者の方が軽作業等で収入を得るための施設で、短時間であったり日数であったり各個人にあった働き方ができます。障がいや難病などで一般の会社での就業ができない方が社会復帰するための支援をするのが目的とされています。
美甘祐司さんによるとこの事業所をつくると国から補助金が出るため比較的安定的な利益を上げることができ、また同時に社会貢献にもつながるようです。
ただド素人が何の知識もないまま見切り発車で成功するのが難しいのはどんなビジネスでも同じでしょう。そこで福祉関係で既に事業展開している美甘祐司さんがスクールでそのノウハウを伝授してくれるようですね。
個人福祉ビジネスは怪しい?
最初のところでも触れましたが個人福祉ビジネスについて怪しいとの声が上がっています。まあネットで福祉ビジネスを教えるセミナーと聞くと、その内容って信用できるものなのかと疑問に思うかもしれません。
ただ美甘祐司さんの個人福祉ビジネスの中身については怪しいものではありません。きちんと運営できれば障がい者福祉に貢献できますし利益を出すのも不可能ではないでしょう。
福祉で儲けるのに抵抗感があるとの声もありますが、利用者のためになる福祉ビジネスを展開してきちんと利益を上げることができればそんなにいいことはないですよね。なので福祉ビジネスのと聞いただけでアレルギーを起こすのはどうかと思います。
個人福祉ビジネスの内容に関しては危ないところや怪しいところは見つかりませんでしたが、ビジネスである以上誰でも同じように成功できるかどうかはまた別問題です。起業して成功できるかどうかは最終的には個人の資質や努力によるところが多いです。向き不向きもあるのでその辺りはここで紹介する情報なども参考に御自身で自分に向いているかどうかを判断してください。
個人福祉ビジネスの美甘祐司氏について
先程から何度か名前が出ていますが、個人福祉ビジネスを提唱しているのは美甘(みかも)祐司さんで、広告に写真付きで登場しています。名前で検索すると愛知県豊橋市で『みかも鍼灸接骨院』を展開する株式会社みかもの代表であることがわかりました。本当に存在する人物で事業を展開しているのも本当のようですね。
紹介されている経歴をまとめるとこうなります。
・鍼灸師でスポーツトレーナー
・サッカー歴がありサッカートレーナーを目指していた
・2009年から起業家に
・医療・介護・福祉の分野で30もの事業を行う
・福祉の分野で年商4億円越えも
鍼灸師としての資格やスポーツトレーナーとしての経験をもとに起業し、億越えの年商を叩き出しているようです。会社としてスポンサーとなり社会人サッカーチームを立ち上げているところからして、資金力やスポーツへの情熱は本物のようですね。
先程みかも鍼灸接骨院を経営しているといいましたが、それ以外でもゆうみの家なるグループホームを10箇所以上経営されています。事業の実態がしっかりしているので、この会社や美甘祐司さんに対して悪い印象は受けませんでした。
個人福祉ビジネスの運営会社
個人福祉ビジネスを展開しているのは株式会社みかもではなく株式会社フクシのミカタです。特商法に基づく記載に会社名こそありましたが、代表者名や電話番号、それに所在地などの必要な情報がなかったのが気になりました。
ただ株式会社フクシのミカタはきちんと登録されている会社で、企業情報を検索すると所在地は美甘祐司さんが経営する施設の1つと同じです。おそらく美甘祐司さんが経営する会社の1つなのではないでしょうか。ただそれならそれときちんと書いておいてほしかったです。
個人福祉ビジネスの詳細
個人福祉ビジネスについてもう少し詳しく紹介しておきます。個人福祉ビジネスを始めるにはまずLINE登録が必要ですが、LINEである程度ビジネスモデルを知ることができます。また無料WEBセミナーでもきちんと説明してもらえます。悪質な副業案件はお金を払うまで詳細がわからないことがほとんどなので、この点でも個人福祉ビジネスとの違いが出ています。
国の給付金がもらえる
個人福祉ビジネスで安定的な利益が上げられるとされる根拠は、この障がい者就労継続支援B型事業所の事業を展開すると国から給付金がもらえるからです。
・障がい者一人に対し1日5,600円
・送迎や食事も提供すると追加で月に30万円
20人の利用者と月に23日の稼働日数を見込んだ時、国からの給付金だけで月に270万円程度が施設に入ってきます。それに実際の障がい者の方が作業した分の売り上げを入れると、月商300万円ほどが見込めるとされます。
国からの給付金が月商のほとんどを占めるので赤字になりにくく比較的安定した収入を見込めるとされています。
また運営コストがあまりかからないビジネスのため利益も上げやすいとのことなんですよね。確かに主な経費は場所代とスタッフの人件費くらいで仕入れや設備投資にお金がかかるわけでもないので、運営コストは抑えられそうです。
資格等なしでやる気だけで始められる
障がい者の福祉に関わる仕事なので、始めるにあたって資格や審査が必要なのではと思うかもしれません。でもなんと障がい者就労継続支援B型事業所を開くにあたって必要な資格は何もないんです。
やる気と熱意さえあれば誰でも始められるので想像するより参入しやすいようですね。また国や自治体のサポートも充実しているのも起業初心者に嬉しいです。
ただ資格はいらないものの事業を始める要件を満たして、指定を受ける必要はあるので注意してください。ただこの要件は建物やスタッフの人数など基本的なことなので、比較的簡単に準備可能です。
今の社会に求められる仕事
障がい者就労継続支援B型事業所は障がいや難病を抱えた方の就業や社会への参加の場を提供する場所で、今でも既に需要が高いのはもちろんこれからの時代にもっと利用希望者が増えていくと思われます。
すぐにダメになりそうなビジネスではなく、長期的に続けられる見込みのあるビジネスであることは大きな魅力でしょう。
さらに障がい者福祉につながるビジネスは社会に求められる仕事です。社会貢献をしながら利益を出せることにやりがいを見出す方もいるのではないでしょうか。
このビジネスを軌道に乗せるためには利用者を安定的に確保することがポイントになりますが、作業してくれる障がい者の方を集めるのに大切なことに美甘祐司さんは十分な賃金を支払うことを上げています。決して障がい者の方のやりがい搾取などせずに、真っ当な方法で運営していく気持ちが現れていますね。
障がい者就労継続支援B型事業所の経営をしながら福祉の世界について学んでいくと、将来的にグループホーム経営など事業を広げていける可能性もあります。福祉事業を始めたいと考えている人にとっては最初の一歩になる事業なのではないでしょうか。
個人福祉ビジネスを始める手順
個人福祉ビジネスではどうすれば障がい者就労継続支援B型事業所を成功させられるのかの手順も詳しく教えてもらえます。福祉事業を始めるとなると準備が大変なのではと考えるかもしれませんが、その手順は意外にも次の3ステップになっています。
1、地域を決める
2、建物を確保する
3、スタッフを集める
まず最初に事業所を開く地域を決めますが、これが安定的に利用者を集められるかどうかの大きな鍵になるようです。地域はただ人口が多いところを選べばいいわけではなく、その地域の障がい者の方と障がい者就労継続支援B型事業所の数をリサーチします。障がい者の数を事業所の数で割って200から250だとやっていける可能性が高いとされています。
美甘祐司さんの経験に基づく値らしくそれ以外に根拠はないのですが、一応成功者から具体的な数字を示してもらえるのは新規参入を考えている人にとっては大きいでしょう。
そして地域を選定したら今度は事業所を開く場所とスタッフの確保です。やはり福祉施設として指定をうけるためにクリアするべき最低条件があるので注意したいです。
建物については
・各市町村で規定されている広さの建物(定員×2㎡や3㎡など)
・市街化区域内
・建築基準法や消防法に準拠している
といった条件があることが一般的です。
人員については20名以上の利用者を見込んでいる場合
・責任者1人
・指導員3人
が最低でも必要です。
選定や人員集めにかかる期間は平均6か月程度とのことで、この準備期間のことも考えながらキャリアプランを考えたいですね。
個人的にこういった具体的な手順について無料セミナーでしっかり説明してもらえるのは少し驚きです。怪しいセミナーだとほとんど何の説明もなく抽象的な話だけで高額商品を売りつけようとされることもあるので、やはり個人福祉ビジネスはその辺の詐欺案件とは違うんだなと思ってしまいました。
ただ障がい者就労継続支援B型事業所として指定されるにはこれ以外にも法人設立などの基準があるので気をつけてください。
個人福祉ビジネスを始めるにあたっての注意点
ここまで個人福祉ビジネスのメリットを中心に見てきましたが、ビジネスを始める以上デメリットももちろんあります。どんなところに注意すべきかまとめてみました。
障がい者への給与支払いに国の給付金は使えない
障がい者就労継続支援B型事業所に支給される給付金はスタッフへの給与や家賃などには利用できても障がい者への給与支払いには使えません。あくまで作業を請け負った分の売上から支払わないといけません。
つまり障がい者就労継続支援B型事業所で利用者を集めるには安定的に作業を受注する必要があります。ここが滞ると障がい者の方を集めたはいいが仕事が十分になく納得してもらえる給与も払えなくなるので、利用者が集まらなくなってしまいます。
いかに作業単価の高い仕事を提供できるかが成功のカギになってきます。
副業気分では始められない
個人福祉ビジネスに興味を持った方の中には、気軽に始められる副業を探している方もいるかもしれません。
ただ障がい者就労継続支援B型事業所の運営は本業の合間に適当にできるものではありません。がっつり起業を目指す方向けなので、そこは間違えないようにしたいです。
始めるには資金が必要
どんな事業でも始めるには資金が必要です。障がい者就労継続支援B型事業所を始めるには大体300万円ほどの初期費用が必要とされているので、これを用意できる当てがない方には厳しいです。また本格的に個人福祉ビジネスのノウハウを丸ごとタダで教えてもらえるとも思えません。
また国からの支給金は2カ月遅れで振り込まれます。最初の2ケ月を赤字で乗り越えるだけの資金力も必要になるので、この分も計算に入れておきたいです。
全ての事業所で最初から定員いっぱいの利用者が見つかるわけではないことを考えても、用意できる資金は多ければ多いほど安心です。
逆にお金をかけずに副業を始めたいと考えている方にはおすすめしにくいので注意してください。
まとめ
個人福祉ビジネスには怪しいとの声もあるものの、セミナーなどでその内容を確認すると真っ当なビジネスだろうと思われます。ただ気軽に始められる副業ではなくがっちり取り組むビジネスなので、軽い気持ちで試せるものではありません。
国からの給付金で比較的安定した運営が見込めるものの、全くリスクなく始められるわけではありません。どんなビジネスでもそうですが事業を始めるとなると資金や時間それに覚悟が必要になるので、それでも障がい者就労継続支援B型事業所や障がい者福祉に関心がある方はセミナーで話しを聞いてみてもいいのではと思います。