「人間関係」「ハードワーク」など、仕事をしていればある程度のストレスは避けられません。しかし、嫌なことやストレスがずっと継続しているなら、それは異常な事態です。
パワハラやセクハラを受けたり、ブラック企業で過酷な労働を強いられたりすれば、肉体的・精神的に過度な負担がかかります。もう会社に行くのは嫌だ、と思うことは多くなるでしょう。
責任感が強い人は、自分の限界を超えてついつい頑張ってしまいがちです。忍耐強さは美徳ですが、行き過ぎれば自分を追い詰める結果になってしまいます。
働きすぎによる精神疾患や自殺は、他人事ではありません。自覚がないまま限度を超えてしまい、働けなくなる人は沢山います。
「辛いのは自分だけではない」「頑張ればなんとかなる」と無理をしても、いつか絶対に限界がきます。もっと早くに辞めておけば、と後悔しても遅いのです。
重要なのは自分の体が発する「限界サイン」を見逃さないことです。「危険なサイン」や「辞め時のサイン」について解説するので、当てはまる人はすぐに対処してください。
仕事の限界を超えた人の結末
疲れやストレスが解消されないまま働くと、体への負担は蓄積されていきます。限界に近い状態で無理をすれば健康を損ねるのは当然です。
一定の限界を超えてしまえば最悪な結末が待っています。真面目で仕事熱心な人ほど、危険なサインを見逃しがちです。
前日までは大丈夫だったのに、ある日急に働けなくなってしまうことも。精神疾患を発症してしまえば、医師の治療が必要になります。
うつ病や自立神経失調症になれば、完治までは長い時間が必要です。耐えられなくなり自殺してしまう事例だって珍しくありません。
働けなくなった間は無収入なので生活に困ります。条件が当てはまれば傷病手当金の支給がありますが、金額は給料の2/3です。
それも最長で1年と6ヶ月までなので、その後は貯蓄を切り崩すしかありません。期間内に治る保証はどこにもありませんし、治療費だってかかります。
さらに、仕事に対する恐怖心が強くなってしまうので、転職活動にも支障がでます。精神疾患の病歴や空白期間ができてしまうため、採用率にも悪影響です。
1人で乗り越えるのは困難ですし、家族がいれば迷惑をかけてしまいます。無理をして頑張ったために人生がメチャクチャに、なんて事態は絶対に避けなければいけません。
給料や立場のために健康や生活を犠牲にして働くのでは、本末転倒です。大事な命や家族よりも優先しなければならない仕事など、この世には存在しません。
仕事の限界のサイン
限界に近づいている体や心の悲鳴はサインとなって現れます。必ず兆候があるので、見逃さないように注意してください。
体調が悪くなっても、一時的なことだと思って放置している人はいるでしょう。しかし、そのままだと悪化するので、1つでも当てはまる項目があるならすぐに適切な対策をしてください。
手遅れになってしまう前に、自分の体と精神の状態を見つめ直してみましょう。早めに会社から離れることで、また元気に働けます。
寝れなく終日眠気を感じる
「寝付きが悪い」「寝起きがスッキリしない」こんな状態を続くと、とても辛いと思います。なんとか睡眠時間を増やそうとしても、寝れなければ意味がありません。
睡眠は精神状態と大きく関係しており、ストレスを感じると睡眠の質は落ちていきます。「嫌なことがあった」「不安なことがある」など、ちょっとしたことでも寝れなくなってしまうのです。
睡眠は健康のバロメーターなので、連日寝れないようなら注意が必要です。自律神経が乱れている可能性が高いため、放置すれば深刻な病気に発展します。
また、睡眠には脳や体を休ませる効果があります。不足してしまえば脳の機能に悪影響がでるので、判断力・記憶力・集中力の低下は避けられません。
夜は寝れないのに、昼間にだけ強烈な眠気に襲われるケースも。よく寝ているのに眠気がとれない場合は、「無呼吸症候群」が疑われます。
こうなってしまうと、会議中や取引先や顧客と話している時でも、起きているのが難しい状態です。まともに仕事がこなせなくなるので、時には深刻なトラブルや事故に発展します。
仕事にかかる時間が長くなってしまうので、睡眠時間はますます削られるでしょう。睡眠薬で一時的な対処はできますが、ほとんどに依存性があるので根本的な解決にはなりません。
「眠れない」「昼間眠くなる」「仕事ができない」のくり返しで、体はどんどん弱っていきます。周囲に迷惑をかけたり、役立たず扱いをされたり、仕事がどんどん嫌になってしまいます。
健康でいるためには良質な睡眠が必要不可欠です。不眠や過眠の症状が少しでも現れたら、すぐに対策を考えましょう。
常に疲れている
「朝起きた時からもう疲れている」そんな経験はありませんか?もし前日に疲れていても、グッスリと眠れば回復しているのが普通です。
眠りが浅かったり、精神的な問題だったり、疲れがとれない原因は色々と考えられます。ハードワークによる肉体的な疲れや、ストレスによる精神的な疲れなども、限界を超えれば回復が間にあいません。
いくら疲れていても仕事はなくならないため、クタクタの体で毎日働く必要があります。その間は疲労が溜まっていく一方なので、疲れはいつまでたってもとれないでしょう。
常に疲れているならパフォーマンスが落ちるのは当然です。業務は終わらず失敗続きになり、疲労はますます溜まっていきます。
精神的な疲労の場合はいくら休んでも効果がないので、特に注意が必要です。周囲からの理解が得にくいので辛い思いをしますし、原因がなくならなければ解消されません。
ゆっくり休んだ休日の後にでも疲れているようなら、体への負担が限界に達しているサインです。疲れがとれないまま無理を続けると、いつか体を壊してしまいます。
ストレスを原因とする体型の変化
体重が増加したり、逆に減ってしまったり、体の急激な変化にはなんらかの原因があります。人は疲れやストレスを感じると、ついつい暴飲暴食に走りがちです。
脳がストレスを感じると食欲のコントロールが狂います。満腹を認識できなくなるので、過剰に食べてしまうのです。
「時間に関係なく食べてしまう」「甘い物や油っぽい物ばかりを食べる」ようなら、特に注意しましょう。糖質や油は幸福感を呼び起こす効果があるため、依存性があります。
その場限りのストレス解消のために食べてしまい、止められなくなってしまうでしょう。体重はどんどん増加してしまいますし、メタボリックシンドロームや肥満のリスクは高くなるばかりです。
さらに、食べていなくても太ってしまうケースも。ストレスを感じるとコルチゾールというホルモンが増え、体が脂肪を溜め込みはじめます。
睡眠不足や疲れで自律神経が乱れると基礎代謝が下がるので、痩せにくく太りやすい体質になります。他にも疲れて外食ばかりになったり、残業で夜ご飯が遅くなったりと、太る原因は様々です。
根本的な原因は仕事なのでダイエットをしても効果がなく、リバウンドをくり返します。空腹を我慢して食事制限をしてもストレスは増えるだけなので、まったくの逆効果です。
また、太っていなくても、中性脂肪や血糖値の値が高い人は注意してください。目に見える変化がない分、体に異常がおきていても気づきにくい傾向があります。
「ただ太っただけ」「年齢のせい」と思わずに、食べ過ぎや体重増加の原因を考えてみましょう。急激に体重が増えるのは、体がストレスを感じている時にサインです。
過食と拒食をくり返したり、ご飯を食べられなくなったりすれば、さらに深刻度は高くなります。「うつ病」や「摂食障害」の可能性が高いので、すぐに受診してください。
以前よりイライラする
イライラするのは心の余裕がなくなっている証拠です。周囲に八つ当たりしたり、怒りっぽくなったり、ダメだとわかっていても自分では止められません。
精神が不安定になる原因は心理的な負担やストレスです。仕事中にイライラ、家に帰ってもイライラと、心を休める暇がなくなります。
他人への優しさを忘れてしまうと、当然人間関係は悪化していきます。イライラは周囲に伝染するので、職場の空気まで悪くなってしまうでしょう。
自覚症状がない場合もあるので、誰かに指摘された時は素直に受け入れてください。無意識のうちに、異常な行動をくり返しているかもしれません。
他人への対応が荒れてしまうのは、当たり前の気遣いができないくらい追い詰められている、ということを示しています。一日中イライラが続くようなら、かなり危険な状態です。
大事な家族や友人から嫌われる前に、穏やかになれる環境を見つけてください。精神的に安定すればイライラがなくなって優しい自分に戻れます。
>>仕事中にイライラして辞めたい人!イライラの解消法
悪夢を見る
悪夢で夜中に飛び起きる、なんてことはありませんか?仕事が終わらなかったり、嫌いな上司がでてきたり、夢は本人の深層心理を表しています。
まだまだ解明が不十分な分野ですが、不安や恐怖が現れるという説もあります。嫌な夢が続くようなら、精神的なダメージは避けられません。
睡眠時には記憶や情報を整理しているため、仕事中にあった嫌なことを反映するケースも。ストレスを溜め込んでいる時は、自然と悪夢が多くなるのです。
また、眠りが浅い時のほうが、夢を見やすい傾向があります。悪夢を見るのは、疲れやストレスで睡眠の質が悪化しているからです。
悪夢が続けば眠れなくなりますし、眠るのが怖くなってしまいます。たかが夢と軽視してそのままにすれば、良い結果は招きません。
危険!仕事を辞め時のサイン
辛いと感じているだけなら、リフレッシュや有給休暇で回復する可能性はゼロではありません。しかし、少しでも限界を超えてしまうと、今の会社で働き続けるのは危険です。
心が悲鳴を上げている時、体には色々な症状が現れます。うつ病や精神病の可能性が高く、そのままだと悪化するだけです。
この項目では「今すぐ辞める時のサイン」について紹介します。少しでも心当たりがあるのなら、すでに深刻な状態です。
精神が限界に達する一歩手前なので、ことは一刻を争います。取り返しがつかなくなる前に、すぐに退職してください。
原因不明の体調不良
ストレスや精神的な苦痛が体に与える影響は計り知れません。自律神経が乱れたり、胃腸の機能が正常に働かなくなったり、時には深刻な事態に発展します。
・腹痛
・じんましん
・動悸
・頭痛
・手の震え
・肩こり
・腰痛
・耳鳴り
・めまい
・息苦しい
・吐き気
このように、人によって様々な症状が現れます。働いている時や仕事のことを考えている時に感じるなら、単なる体調不良ではありません。
病院にいってもなかなか原因がわからないので、苦痛は長引きます。ストレスによる体調不良の場合は、薬や治療だけだと治すのは困難です。
病名が発覚しなければ周囲の理解や協力は得られないので、1人で耐えることになります。会社で「仮病なのでは」と疑われることもあり、とても辛い思いをするのです。
ハードワークが原因の体調不良なら、十分に休息をとれば一時的には回復しますが、労働環境が変わらないならあまり意味がありません。
精神的・肉体的な負担が消えない限り、体調不良が良くなることはないでしょう。無理に働けば症状はより悪化するので、すぐに仕事を辞めてください。
無気力状態
「何もする気がおきない」「人や物に対する興味や関心が薄くなった」と感じるのは、かなり危うい兆候です。
趣味や遊びによる気分転換は健康でいるために必要不可欠ですが、無気力状態になれば、それさえも億劫になってしまいます。
身だしなみを気にしなくなり、テレビやニュースにも無関心に。何をしても、「面白い」「楽しい」という感情がわかなくなります。
仕事を淡々とこなすだけで、休日は家にこもりきりの人は注意しましょう。興味や喜びを感じられなくなるのは、うつ病の典型的な症状です。
仕事の効率やスピードはかなり落ちますし、周囲の人に迷惑をかける頻度は高くなります。掃除や食事の用意など、最低限の日常生活に支障をきたすケースもあるほどです。
何もできなくなるので、家族や友人には「怠けている」「付き合いが悪い」と取れれてしまいます。人との交流を避けるようになり、周囲との関係がどんどん希薄になっていくでしょう。
無気力状態が2週間以上続くようなら、かなり危ないサインです。自覚症状を感じたら、すぐに精神科やメンタルクリニックを受診してください。
また、好きなことだけに意欲的になる「非定型うつ病」も存在します。「気分の浮き沈み」「過眠」「疲労感」といった症状があるなら、無気力状態でなくても注意が必要です。
死にたくなる
うつ病や心の病気になると、精神のコントロールが狂ってしまいます。何をしてもマイナスに考えてしまい、不安感がなくなりません。
急に悲しくなったり、パニックになったり、時間や場所に関係なく感情が暴走。本人の意思とは関係なしに、涙が止まらなくなります。もしも死にたいと感じているなら、とっくに限界を超えた状態です。
精神の状態が正常ではないので、楽になること以外を考えられなくなります。今はまだ実行に移していなくても、衝動的に死を選ぶ時が来るかもしれません。
「死にたくなる」と感じるのは、「死ぬほど辛い」と心がSOSを発している証拠です。もはや仕事ができる状態ではないので、今すぐ辞めることをおすすめします。
このままだと「ヤバい!」と思ってる人の対策
辛くても今まで堪えたということは、あなたが責任感が強く仕事熱心な人間だということを示しています。しかし、そのままだと「健康」「友人」「幸福」、さらには「命」まで、大事な物を全て失ってしまいます。
自分の「限界サイン」を感じたなら、すぐに対策をすることが重要です。そのまま働いていてもダメージが蓄積されるだけなので、何よりも心の回復を優先させてください。
実際に辞めるとなると、「体裁」「立場」「給料」などが頭によぎるかもしれません。そんな時はなぜ働いているのかをよく考えれば、本当に優先すべきことが浮かんできます。
まずは、落ち着いて働ける転職先を探しましょう。会社は1社だけではありませんし、あなたは働きやすい職場を選ぶ権利を持っています。
休職で回復を待つという選択肢もありますが、一度休むと復帰は絶望的です。なんとか治しても根本的な解決にはならないので、また同じことをくり返えしてしまいます。
症状が重いなら休職でゆっくりと休みながら、少しずつ求人を探しましょう。早めに休職して心を癒やすことに専念すれば、その分回復は早くなります。
原因である会社から離れて適切な治療をすることで、体の不調やうつ病は直せます。新しい環境でまたスタートすることが、今のあなたにとって一番重要です。
自分の心や体の状態を一番把握できるのは本人です。限界のサインを感じ取ったなら、すぐに辞める決断をしてください。