山中武(@tyblogty)です。
ライフコンシェルジュはシーンに合わせたお店を紹介してくれたり、旅行や出張などの手配を代行してくれたりといった、生活を便利にするサービスを提供するとしている会社です。ただこういったサービス内容より、マルチ商法を行う企業としての評判が目立ちます。
マルチ商法は長く比較的安定的に営まれている会社もありますが、ライフコンシェルジュについてはとにかく酷い噂ばかりなんですよね。検証してみるとなるほど、怪しい点がボロボロ出てきました。それではライフコンシェルジュについて、実態や危険性それに評判などをまとめていきます。
ライフコンシェルジュとは
まずライフコンシェルジュについて簡単におさらいしておきましょう。
最初のところでも少し触れましたが、ライフコンシェルジュはお店や交通手段の手配、さらに様々なシチュエーションでのマナーの助言など秘書や執事のようなサービスを提供している会社です。
正確な会社名は株式会社ライフコンシェルジュで、代表者は岡本公功さんです。2014年設立の会社で、もともとは公開されている通り東京都文京区が所在地だったものの、2022年になって大阪に移転しているようですね。
ライフコンシェルジュが話題になるのはその事業内容ではなく、マルチ商法によってです。実はサービスの会員をマルチ商法の仕組みで募集しているんですよね。
ここまではまあよくある話なんですが、ライフコンシェルジュで問題なのはサービス自体の提供がまだ始まってないところです。会員は将来始まるであろう旅行手配などの提供をもって他の会員を勧誘している形です。ライフコンシェルジュは現在何のサービスも開始しないままで、ただ会員だけを集めている状況なんですよね。
ライフコンシェルジュの気になるビジネスの仕組み
ライフコンシェルジュのマルチ商法の仕組みをみていきましょう。
ライフコンシェルジュのビジネス会員になるには最低でも1口99,000円の費用を支払う必要があります。1人最大5口(495,000円)まで登録可能で、年更新でさらに11,000円が必要になります。このビジネス会員はセレソン会員と呼ばれているようです。
これはあくまでライフコンシェルジュのマルチ商法に参加したい人の参加費用で、旅行手配代行などのサービスだけを受けたい方は2,000円の月額料だけでOKです。ただこの一般サービスはまだ始まってないので、現状はビジネス会員しかいない状態ですね。
ライフコンシェルジュは会員にサービスが一般公開されれば、一般会員の会費の一部をセレソン会員への配当に当てると説明しているようです。ただこんなサービスを必要とする方が沢山いるとはなかなか思えませんし、一般会員の数とセレソン会員の数の割合によってはまともな配当額が受け取れるかどうか微妙なところでしょう。
しかも配当は自分が勧誘したセレソン会員の数や会員費の口数によって変動するとされています。相当数の勧誘が成功した人、つまりマルチ商法ならではの階層上位の方しか満足いく報酬を得るのは難しいのではと思いますね。
セレソン会員になれるのはサービスの一般公開前の今だけで、公開後にはセレソン会員にはなれないとの説明です。配当を得たいなら今がチャンスと言いたいんでしょうが、果たして高い費用を払う価値はあるんでしょうか。
そもそもライフコンシェルジュが提供するといっている出張や旅行手配代行などのサービスに、一体どれくらいの需要があるのでしょうか。出張の代行は会社のジムや秘書的な立場の人がやってくれますし、旅行の手配だって今時スマホ一つで可能です。お店やマナーのアドバイスもネットでいくらでも無料で出てきます。
ライフコンシェルジュのビジネス会員になってもらうには、このサービスに賛同したうえで高額な費用を払っても勧誘活動したいと思ってもらえる必要があります。こんな勧誘は素人ではなかなかできないですよね。
マルチ商法は会員獲得のための勧誘がいきすぎて、大切な友人や家族を軒並み失ってしまう危険もはらんでいます。参加は本当に慎重に検討したいですね。
ライフコンシェルジュに行政処分が下る
概要からしてちょっとなと思うライフコンシェルジュですが、なんと兵庫県から行政処分が下ったようですね。ライフコンシェルジュは当時東京に本社を構えていましたが、兵庫県内で悪質な勧誘が相当数行われ数多くの苦情や相談が寄せられていたことから兵庫県単独の処分が科されたようです。関係あるのかないのか、代表の岡本公功さんは兵庫県出身ですね。
マルチ商法に対する行政処分を兵庫県が単独で出すのはこれが初めてらしいので、どれだけ悪質だったんだろうと思ってしまいます。処分内容は6か月間の業務停止命令で、特定商取引に関する法律に違反したことが理由です。
様々なリスクを理解したうえで副業でマルチ商法を始めようと考える方もいるでしょう。私はそれ自体は何とも思いません。ただ始めるなら母体となる会社の信用度は重要です。マルチ商法で稼げるようになったところで、会社がいきなり業務停止命令を受けたり解散したりすると月々の稼ぎが消えてしまいますからね。わざわざすでに行政処分を受けている会社に高い登録費用を支払う必要はないんじゃないでしょうか。
こういった行為があればマルチ商法も違法です
先程ライフコンシェルジュの処分の理由は特定商取引に関する法律に違反したからだといいました。マルチ商法はねずみ講と違ってビジネス自体は違法ではないのですが、実は適切な勧誘をしないと違法となります。その適切な勧誘方法について定めているのが特定商取引に関する法律なんですよね。ライフコンシェルジュで違反があったとされたのはこちらの事項です。
・氏名等不明示勧誘 事前にマルチ商法の勧誘と言わずに友達や家族を呼び出す
・不実を告げる勧誘 勧誘でうそをつく
・断定的判断の提供による勧誘 『絶対稼げる』など確定していないことを言って勧誘する
・概要書面や契約書類の不交付
どれもマルチ商法でよく聞く勧誘方法ですが、実は全部違法なんですよね。よく昔の友達から急に連絡が来て会いに行くとマルチの勧誘だったなんて話を聞きますが、これも実は違法な勧誘です。ただよくありすぎてこういった件を全部摘発するのは物理的に無理なので、ライフコンシェルジュのように特に悪質と判断されたところが行政処分の対象になっているんでしょう。
ただよく聞く勧誘方法なのはそうでもしないと新会員なんて獲得できないことの表れでもあります。マルチ商法で違法勧誘はしないと誓って、それでも沢山の新規会員を獲得できる人ってすごいスキルの持ち主だと思うんですけどね。今回の処分は会社に対してですが、勧誘が余りに酷い場合別の丸と商法の会社で会員が逮捕されたケースもあります。マルチ商法を始めるかどうかは、勧誘方法によっては違法行為になることも頭に入れて判断したいです。
ライフコンシェルジュの気になる評判
ライフコンシェルジュの評判ですが、いい話はまず聞きません。行政処分があったことからもわかるように、勧誘が酷いといった苦情はあちこちに上がっています。ここではその中から特にひどい評判や噂をピックアップしました。
一般公開がどんどん延期されている
ライフコンシェルジュはサービスが一般公開されてから今いるセレソン会員に一般会員の会費が配当される仕組みです。でもサービスを一般公開する時期がどんどん延期されているとの噂があります。
最終的に一般公開されずに会社が飛んだりでもしたら、支払った登録費用やこれまでの会員勧誘の努力が全部無駄になってしまいます。これもライフコンシェルジュへの登録を急がない方がいいかなと思う大きな理由の一つですね。
社長の評判が悪い
ライフコンシェルジュ社長の岡本公功さんですが、ファイナルファンタジーなどの超有名ゲームや人気テレビ番組の制作にかかわったとの経歴が公表されています。
ただゲームや番組の制作者一覧に名前が出てこないらしいんですよね。そのため経歴自体の信ぴょう性を疑われているようです。
持続化給付金を不正受給した疑いあり
これは本当に事実だとしたら詐欺として立件される可能性もあるのですが、ライフコンシェルジュには持続化給付金を不正受給した疑いも上がっています。
持続化給付金を不正受給に関してはすでに別件で逮捕者も出ています。もしそうなるとサービス立ち上げやマルチ商法どころではなくなるので、やはり危険かなと思ってしまいますね。
まとめ
ライフコンシェルジュについてみてきましたが、数あるマルチ商法のなかでもビジネス形態や報酬体系に不安が生じる内容になっていました。『これからサービスが始まったら配当を出します』といった未来投資型のビジネスはよっぽど信頼できる運営会社でないと関わるのは危険です。
ライフコンシェルジュに登録してしまったものの後で評判を見てヤバいと気付いて困っている方もいるかもしれませんが、契約から20日以内だとクーリングオフができるはずなので記録が残る形で書面の送付を急いでください。気になる方は消費者センターに相談しましょう。