お客様と直接コミュニケーションをとる接客業は、ストレスがたまる仕事です。相手に合わせた臨機応変な対応が必要なので、マニュアル通りに仕事をするだけではいけません。
個人の接客能力の有無は、そのまま職場への評価にもつながります。間違った対応をすれば、口コミですぐに広まることだってあるのです。
営業職で働いている以上、「失敗してしまうかも」「クレームが来たらどうしよう」といった、悩みはなくなりません。プレッシャーとストレスが重なれば、働くのが嫌になってしまいます。
もちろん、接客が得意な人がいれば、不得意な人もいます。自分は接客業に向いていないのでは、と真剣に悩んでいる人は多いはずです。
しかし、他人と自分を比べて落ち込んでいても、なんの解決にもなりません。接客に必要な能力は、ちょっとしたコツを知れば鍛えられます。
では、接客への苦手意識を改善する方法や、それでもダメだったときの対処法について、解説してきましょう。方法や考え方を見直すだけでも、辛さを軽減できます。
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苦手な接客を克服するには?
「コミュニケーションが苦手」「失敗が怖い」「自分に自身がない」など、接客が苦手な理由は人それぞれです。多くの人が勘違いしていますが、接客が苦手なのは能力の有無が原因ではありません。
心がけを変えるだけでも、接客への苦手意識は減らせます。実践的な6つの方法について、詳しく説明していきましょう。
笑顔の練習をする
そんなつもりはないのに、「不機嫌に見える」「態度が悪い」と言われることはありませんか?笑顔は接客業の基本ですが、作り笑いは以外と大変です。
無表情と笑顔では、相手に与える印象が全く違います。コミュニケーションを円滑にするために役立つ、自然な笑顔作りから始めましょう。
「笑顔でいると周囲の人も笑顔になる」という研究をご存知でしょうか?朗らかな笑顔で話せば、客の心理や態度にも良い影響を与えます。
表情を見られていることを意識して、笑った顔をキープできるようにしてください。作り笑いが苦手な人でも、練習をすれば自然に笑えるようになります。
まずは、鏡の前で笑顔を作る習慣をつけましょう。笑顔が固くなってしまうのなら、好きな物や人を思い浮かべてみてください。
笑顔にコンプレックスがある人は、口角を上げるだけでもOKです。微笑んでいるように見えるので、それだけでも十分な効果があります。
口角と一緒に目尻を下げるようにすると、より自然な笑顔に。状況によって、複数の笑顔を使い分けるようになれば完璧です。
また、笑顔にはリラックス効果があるため、作り笑いをするだけでも気分が明るくなります。副交感神経が働くので、ストレスや不安の解消にもおすすめです。
「キツい」「辛い」と感じたときこそ笑顔を作るようにすれば、良い気分転換になります。笑顔が自分や他人にもたらす効果は、思っている以上に大きいのです。
不細工でも自分の容姿に自信を持つようにする
自分の容姿に自信がないと、必要以上に人の目が気になってしまいます。必要以上に萎縮すれば、言動が不自然になりミスも多くなるでしょう。
顔をそらしてしまったり、髪や化粧で顔を不自然に隠したりすれば、お客様からの印象は悪くなります。
あなたは買い物や食事に行く店舗で、店員やオーナーの顔を覚えようとしますか?人は思っているほど他人の顔に注目していません。
顔を気にして下を向いたままでは、暗い性格だと思われます。目をみてしっかり話す人のほうが好印象です。
営業職なら、容姿よりも身だしなみと清潔感に気を使いましょう。無理なオシャレは不要なので、ナチュラルさを意識してください。
「歯をキレイに磨く」「服にアイロンをかける」など、ちょっとしたことでも印象は違ってきます。女性ならナチュラルメイクにして、髪をまとめるだけでも効果的です。
ダイエットをしたり、自分に似合う髪型を探したり、実際に行動してみるのも良いでしょう。見た目が少しでも変えられれば、それが自信につながります。
「不細工だから」と卑屈になっても、良いことは何一つありません。自分を変えるという意識こそが、コンプレックス解消への近道です。
失敗を恐れないようにする
仕事中に失敗をすると、お客様や同僚に迷惑がかかります。ミスを責められたり、嫌な顔をされたりすれば、落ち込むのは当たり前です。
しかし、失敗を怖がって必要以上に慎重になると、パフォーマンスにも影響します。緊張しすぎると疲れやすく、スムーズに接客ができなくなるので、良い結果にはつながりません。
失敗は誰にでもあることなので、完全に防ぐのは不可能です。失敗しても謝れば良いだけ、と考えれば気持ちが楽になります。
ちょっとしたミスなら、言い訳をせず真摯な対応をすれば許してもらえます。仮に失敗したとしても、引きずりすぎるのはNGです。
焦れば失敗がさらに増えてしまうので、まずは落ち着いてください。適切に対処すれば、失敗は挽回できます。
失敗から学べることは多いので、次に活かすことを考えましょう。無駄に悩まずに早く切り替えれば、精神的な負担が軽くなります。
もちろん、失敗しないための対策はしっかりと行ってください。「やるべきことをメモする」「対策をノートにまとめる」など、簡単な方法でも効果があります。
初対面の人と気軽に話せるようにする
接客業の場合はほとんどのお客様が初対面です。性格や年齢はそれぞれなので、相手によって違う対応が求められます。
どのような人かわからない相手と、スムーズに会話をするのは大変です。話が続かなかったり、反応に困ってしまったりが続くと、苦手意識が育ってしまいます。
人見知りの人は、会話やコミュニケーションを避ける傾向があります。ただ、苦手だからと言って必要最低限の会話しかしないと、接客としては失格です。
まず、初対面の相手と会話できるように、練習をしてください。「自分から挨拶をする」「相手の話を笑顔で聞く」といった簡単なことでも、続ければ少しずつ自信がついてきます。
また、自分の中で対応をマニュアル化するのも効果的です。頭の仲でシュミュレーションしておけば、初対面の相手でも落ち着いて接客ができます。
経験を地道に重ねていけば、人とどう会話すればよいのかがわかります。反復練習と実践をくり返して、苦手意識を克服しましょう。
人の行動に敏感になり過ぎないようにする
接客業では、お客様の言動に気を配るのは当たり前です。表情や態度の変化を察知して行動すれば、確かに良い接客が出来るかもしれません。
しかし、あまり顔色を伺ってばかりだと、無駄に疲れてしまいます。一挙手一投足に過剰に反応していても、お客様は不審に思ってしまうでしょう。
「早く対応しなければ」「どう思っているのか」とビクビクしていれば、接客は上手くいきません。コミュニケーションや会話への苦手意識が大きくなるだけです。
お客様に気を配るのは接客に必要なスキルですが、手を抜くことも覚えましょう。人の気持ちを100%把握するのは不可能です。
「もともと不機嫌に見える人」「疲れているだけ」など、ただの思い過ごしであるケースもあります。声をかけられるのが苦手な人もいるので、あまり押し付けがましい接客もNGです。
丁寧な接客を心がけていれば、お客様を不愉快にさせることはあまりありません。実際に求められたときに対応できるように、準備するだけでも十分です。
接客スタイルを確立させれば、お客様の言動もさほど気にならなくなります。人の言動が気になるのは、自分の接客に自信がないからです。
自分の接客方法に不安があるなら、同僚や家族に意見を求めてみましょう。客観的な意見を取り入れれば、自分の欠点が見えてきます。
プライベートでサービスを利用したときに、良いと思った接客を参考にするのもおすすめです。接客や日常の中で学べることは多いので、成長の切っ掛けにしてください。
理不尽な要求を流せるようにする
接客業をしていると避けては通れないのがクレームです。ミスを責められたり、過剰なサービスを要求されたり、辛い思いをすることは多いでしょう。
店や自分に非があるなら、理由を聞いて適切に対処すればいいだけです。しかし、中には理不尽な要求や嫌がらせが目的の、悪質なクレーマーも存在します。
しかし、正論で返しても、火に油を注ぐだけです。「態度が悪い」「反省していない」と、相手を怒らせる材料を与えてしまいます。
相手のペースに飲まれてしまうと、どんどんエスカレートしていきます。「土下座をしろ」「慰謝料を払え」など、信じられないような要求をされる可能性だってあるでしょう。
言われるがまま流されてしまうと、より大きなトラブルに発展します。不可能な要求をされたときは、できないことを冷静に説明しながら謝罪してください。
神妙な顔で相槌をうっていれば、いずれ満足します。終わったらさっさと忘れて、精神的な負担を抱え込まないようにしましょう。
どうしても自分だけで対応できないときは、同僚や上司に助けを求めてください。気弱そうな店員や女性を選んでクレームをつけるような相手なら、複数人で対応するだけでも効果があります。
本当に接客が嫌なら転職すればいい
対策をしても接客業の仕事が苦痛なら、転職を検討しましょう。「仕事に行くのが辛い」「お客様が怖い」というような状態だと、克服は困難です。
人には向き不向きがあるので、いくら頑張っても無駄なケースはあります。トラウマや生理的な拒否感があるなら、対策をしても辛さは変わりません。
お客様を相手にする接客業である以上、クレームやコミュニケーションを避けるのは無理です。我慢して働いても、いずれ精神的に追い詰められてしまいます。
ストレスがたまれば体にも悪影響が出るので、働けなくなる可能性だって考えられます。最悪の事態に発展する前に、自分に合った職場を探しましょう。
もともと接客業はハードでブラックな業界です。給料が同じでも、精神的・肉体的な負担が少ない求人はいくらでもあります。
心機一転新しい職場を見つければ、苦手な接客から開放されます。接客業にしがみつくメリットはないので、早めに転職活動をスタートさせましょう。