労働時間は長いし、不規則だし、精神的にもキツい。コンビニの社員がこんなにブラックだとは思わなかった、辞めてしまいたい…そんな悩みをもっていませんか?
全国どこに行っても必ずあるのがコンビニですよね。内装や商品の配置も大体同じなので、初めていった店舗でも欲しい物の位置がすぐに分かるのが魅力です。
新作のスイーツやお菓子を楽しんだり、学校帰りや仕事帰りにホットスナックを食べたり、近所のスーパーよりも親近感があって働きやすそうだとコンビニの社員を選んだ人も多いはず。
学生時代にアルバイト経験があっても、正社員という立場になると働き方は全然違いますよね。バイト時代はコンビニで働くことがラクで楽しかったのにと後悔しても後の祭り、社員として一度入社してしまえば簡単には辞められません。
今回は、そんなコンビニで店長や社員として働く人たちのお悩みと現状を紹介していきます。
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コンビニをブラック勤務だと思う理由
コンビニがブラックだと言われる理由には次の3つがあげられます。
・長時間勤務
・給与が安い
・ノルマがきつい
コンビニは基本フランチャイズですよね。それぞれのオーナーによって従業員への待遇や給与が決められています。なるべく働きやすい環境をと努力しているオーナーも数多くいますが、それも店が儲かっていなければ無理な話で無い袖は振れません。
節約を意識してバイトの人数をギリギリにしていると急な休みで割を食うのは社員のほうで、バイトの穴埋めをしながら社員の仕事もしなくてはならず、体力的にも精神的にも限界がきてしまいます。
さらに追い打ちをかけるのが本部から課せられる「目標」という名のノルマ。高額なおせちやクリスマスケーキなど、コンビニで売るには難しい商品を押しつけられるのですからたまったものではありません。
一人暮らしであればホールケーキやおせちを買ったりしませんし、買うとしてもコンビニではシュークリームなどの一人用スイーツがせいぜい。立地条件によっては無茶な要求以外の何物でもなく、それでも本社との関係を考えて受け入れれば自腹行きです。
薄給で長時間労働、しかも厳しいノルマ付き。オーナーによっては自腹やサービス残業も加わるとあっては、かなりしんどい職場といえます。
バイトの急な休みによる長時間労働
コンビニのバイトは年齢層も幅が広く、大学生や主婦やフリーターで構成されています。特に大学生と主婦は多いですよね。
主婦は決まった時間に入ってくれるメリットがある一方で、小さな子どもを抱えている場合は急な休みになりがちというデメリットがあります。年末年始や連休なども難しい場合が多く穴埋めが大変です。
大学生はシフトの融通がきいて夜間も入ってくれるので有り難い存在ですが、急な授業延長やテスト期間の休みがイタいところ。その上、どんなに良い人材でも卒業と同時に辞めてしまうので最長4年というところがネックになります。
時間の融通がきいて長く勤められるフリーターの応募があれば苦労はしませんが、コンビニの時給は低いところが多く人集めに苦労するのが現実。
バイトのシフトが埋まらないところは社員がフォローし、バイトがドタキャンしたところも社員がフォロー。結果的に長時間労働になり、場合によっては休日も潰される…これでは社員として長く働けませんよね。
自腹で商品を購入することもある
商品の発注はバーコードで商品をスキャンした後に数量を入力するかたちになっています。
発注だけに集中できれば一番良いのですがギリギリの人数で回しているところが多いため常に片手間です。
お客様が多くて手が離せなくても、発注データの送信期限は待ってくれません。バタバタしながら発注作業をすると入力ミスが起こり、気付かずにそのまま送信してしまうという事故が発生します。
プリンを3個注文したつもりが33個と誤入力していたなんて事はよくある話。日持ちするものならまだ良いのですが、数日で廃棄になるものを間違えると最悪です。
納品された品物をどうするかは、その店の店長やオーナーの裁量になります。店頭では売り切ることができず、そのままでは大量廃棄になってしまうときはミスした社員が自腹で買い取ることもあるでしょう。
例えバイトの発注ミスであっても責任者は社員です。オーナーや店長から叱られるよりはと買い取りを選択する社員も少なくありません。
本社やお客による理不尽な要求に辟易する
店舗と本社は、いってみれば現場と会議室。もちろん現場の数の方が圧倒的に多いわけですから、本社の要求すべてが現場状況とかみ合うはずがありません。
かみ合わずとも本社からの要求は絶対ですから、いかにしてそれを飲み込むかが社員の悩み。カレンダー的には冬かもしれないけど、今年は暖冬でまだ暑いからおでんなんか売れないよ…と思っても「ウチは1ヶ月後から開始します」とは言えないのです。
また接客や販売をしていると必ず経験するお客からのクレーム対応も店の責任者である店長や社員になります。
中には「無茶言わないで…」という内容のクレームもありますよね。店にかかってきたクレーム電話の対応は当然ですが、本社経由でのクレームも本社が対応してくれるわけではないので店で処理せねばなりません。
掃除や補充、発注や接客を忙しくこなす合間のクレーム対応、本社からの要求への対策などで社員は精神的にも削られていきます。
尋常ではない変則勤務
コンビニの場合は社員のシフトを固定するのはかなり困難。黙っていてもバイトが応募してくるような環境であれば問題ありませんが、そうでなければバイトが入ってくれる時間帯に休むしかないからです。
そうなると社員の勤務は自然と変則勤務になります。朝の出勤時間が数時間ズレるくらいならかわいいもので、ひどい場合は昼勤と夜勤が一日おきに入れ替わるというハードなことも。
工場に勤務している人がよく一週間交替で昼勤と夜勤をこなしていますが、一週間交替でもキツく自律神経の乱れから最終的には鬱病を患う人もいるほどです。いかにコンビニの勤務が厳しいか分かりますよね。
バイトの指導に疲れる
バイトリーダーと呼ばれるほどにデキるバイトがいれば指導を任せることもできますが、それでも全時間帯に入っているわけではないので社員がノータッチとはいきません。
問題のないバイトもたくさんいるものの中には問題児も存在するので、その対応には頭を悩ませます。
何度注意しても聞かなかったり、目を離すとサボっていたり…バイトが多ければクビにしたいところですが、人数的に余裕もないし、せっかく働き始めたのだからバイトを通じて成長してくれればという期待もあります。
あまり厳しくすると「合わないので辞めます」という電話一本で即日来なくなる可能性もあるので厳しい指導というのも難しく、かといって甘くもできない。
すべてはバイトの応募がたくさん来るなら解決する話なのですが時給の低いところは特に難しいですよね。募集の広告費もばかになりませんし、教育指導中は一人分の戦力としてカウントできないため人件費も二倍。なんとも頭が痛いお話です。
薄給激務である
コンビニの正社員は本社の人間ではない限り薄給であることがほとんどです。
仕入れ原価は高く、売上からロイヤリティを支払えばオーナーの手元に残るのは商品によっては売上の10%ほどと言われています。そこから人件費などの必要経費を払うのですから、雇われている社員に高給が支払われるはずがありませんよね。
求人をよく見ると良さげに見える給与は残業代込みだったり、待遇も「店舗状況による」なんて但し書きが付いていたりとちょっと心配になります。
オーナーによっては激務にならないような仕組みを作っている店もありますが、現場に丸投げで社員がろくに休めず疲弊していても気付かないようなオーナーの配下になると悲惨のひとこと。
コンビニは一日の中でやらなくてはいけない作業が細かく決められています。それを接客や掃除、納品チェックや品出し、クレーム対応をしながらこなさなくてはいけません。勤務中に終わらなければ当然残業です。
「今日の夜勤、行けなくなりました」と連絡が入ればそのまま夜勤が決定…体がもちませんよね。充分な人数がいれば他の人に打診もできますが、そこまで人材を確保しているコンビニは稀でしょう。
短期間の間つなぎ程度であれば良いかもしれませんが、定年まで勤め上げる職場としてはキビシイといえます。
ノルマ地獄である
本社は商品販売と店舗からのロイヤリティで成り立っています。計算の仕方はそれぞれですが、本社としては商品をたくさん仕入れてもらって多く売ってもらう方が儲かることには違いありません。
特におせち料理やクリスマスケーキといったイベント予約商品は売り上げを大幅アップできる格好のアイテムです。
売れなかった昨年の結果を踏まえて、今年は半分…なんてことはできません。本社は本社で地域を統括する社員にエリアごとのノルマを課されますから、たくさん仕入れてもらわねば困るのです。
とはいえ売上の大半を原価やロイヤリティにとられた上に売れなかった分は店舗の丸損になるわけで、本社に逆らえないなら売るしかありません。
店舗での売り込みやバイトの協力があっても余るなら、残る手段は営業ですよね。コンビニの中だけでもいっぱいいっぱいなのに、営業しなくてはさばけない量の予約商品を押しつけられるのは地獄です。
まとめ
コンビニの正社員はオーナーによって労働環境にかなりの差がありますが、働いていて何かモヤッとするのであればコンビニ以外に目を向けてみるのもアリです。
「まだまだ大変なコンビニはあるよ」と言う人もいるかもしれません。しかし常に自分より下の環境を見て安心するような働き方が健全と言えるでしょうか。同じ働くならポジティブな思考で働きたいですよね。
今はまだ大丈夫だけれど十年二十年続くのはゴメンだ!と思うなら、早く動き始めた方が賢明です。
限界まで我慢して自律神経を乱したり鬱病を患ったりすれば転職の妨げになりますし、そもそもそんな働き方を黙認しているところが責任をとってくれる可能性はゼロに等しいでしょう。
将来を考えたとき今の職場に魅力はありますか?一度立ち止まって考えてみましょう、将来を考えるタイミングに「早すぎる」はありませんよ。