6年目看護師に転職を決意させた4つの不満

転職体験談

辞めたいと思うときこそ、世界を広げるチャンス

私は転職を経て、現在とある病院で医療コンシェルジュをしている看護師です。

今はやりがいを感じつつ、プライベートとも健全なバランスを保てていますが、2年前までは四六時中業務に追われ、一時は食事途中で倒れこむほど疲れ果ててしまったこともありました。

看護師を辞めたいと思うほどの気持ちになっているのに、いろんな事情で躊躇しているあなたに、他に選択肢もあると言いたくてこれを書きました。

新人時代の洗脳が解ける日までの軌跡

転職は悪と刷り込まれた新人時代

当時勤めていた病院で、辞めたいと漠然と思い始めたのが看護師になって3年目の頃。しかし、どんな不満があっても、一つの場所で頑張ることこそ美徳と思っていました。

それは、教育係だった係長に着任早々「あなたたち新人は、他のスタッフや患者さんに迷惑をかけながら育ててもらっている。ここまでしてもらったら5年はやめられないよ」と言われたことが影響しています。

その教育係は、転職でやってきた中途採用のスタッフに当たりが強く、転職したらろくな目に合わないと知らないうちに刷り込まれていました。

でも、実際に転職してみて、そのイメージは払拭されました。転職は悪どころか、むしろ世界を広げてくれ、待遇面も職場環境もかなり良くなったからです。

その不満はあなたの貴重な時間を食いつぶしていないか?

もといた病院にとっては、育てた新人が他の病院に流れるのは痛手かもしれません。でも、人材が流れるだけの理由があり、経営者の都合で人を縛り付けておくことはできません。

もしあなたが看護師を辞めたいと思っているなら、それはあなたの能力や適性の問題ではなく、勤務先の問題かもしれません。そこであなたが頑張ってしまうが故に、経営陣は「このままでなんとかやれる」と判断している可能性もあります。

あなたの代わりはいくらでもいますが、あなた自身の時間は有限です。不満を感じているのなら、見切りをつけて次の場所に行った方が、病院とあなた両者にとってよかったということもあります。

一つの場所でキャリアを積むのも悪くないけれど

一つの場所でキャリアを積むメリットがないわけではありません。一つの場所である程度のキャリアがあることを採用条件にしている施設もあります。

ただ、本当に看護師としてやりたいことがあり、それが自分のステップアップだと考えられる、あるいはあまりにも疲弊してしまった時の転職は、必ずしもマイナスにはなりません。

ちなみに私自身は、6年勤めてから転職しました。漠然と不満を感じていた時に、転職エージェントをしていた知人から言われた「あなたなら、○○クリニックが合うと思うな」という一言がきっかけでした。

それで情報を集めたところ、旧職場に感じていた不満が解消しそうだということがわかりました。

エントリーの条件は「一つの病院で4年勤務していたこと」だったので、その面では旧職場で頑張ってよかったです。

それでも、正直4年で済んだのなら、2年も引っ張らなくてよかったなぁと思います。

私の場合、旧職場へ4つの点で不満がありましたが、転職で全て解消しました。今は日勤だけの勤務にも関わらず収入アップしましたし、残業もかなり少ないです。

現職場に不満があったり、辞めたいと思われている人に参考になればと思います。

不満ではなく真っ当なニーズ?私はこんな不満で転職した

健康面:過労死も他人事じゃなかった激務

3年目くらいから不規則勤務、長時間勤務による体調不良が気になるようになりました。休むほどではありませんでしたが、疲労の蓄積か、5年目のある日勤中動悸で急に苦しくなり、処置室で倒れました。

「このままこんな勤務を続けていたら命が削られる」と危機を感じました。当時、看護師の過労死もニュースになったりして、他人事ではありませんでした。

夜勤が得意な人もいると思いますが、私には負担が大きすぎました。現在、日勤だけで残業はほぼなし、体調不良で倒れたことは一度もありません。

人間関係:私は先輩の嫁じゃない!

入職2年目くらいから、先輩からのちょっとした誘いが増え、ストレスを感じるように。

日勤後に居酒屋に誘われたり、夜勤明けに延々長電話。休日も呼び出され何故か家族旅行にもついてくるように言われて断れず…。わけもわからずお墓参りを手伝いました。

先輩は喫煙者だったので、喫煙室にも連れていかれて長話。タバコの臭いが苦手だと言っても、「あとちょっとだけ」と更に1時間話が続いたり。

先輩の気持ちを受け止めるためだけに、何時間も拘束されていたなと思います。はっきり言って、私にとっては何のメリットもない時間でした。

おかげでますますリフレッシュする時間が削られ、体力・気力を消耗する結果に。

しかも、この先輩だけじゃなかったんですよね。可愛がるという名目で、ストレス解消のために後輩を拘束する人…。

このまま私もここにいたら、こんな先輩になるのかと内心がっかりしたものでした。

現職場の先輩は、適度な距離を持って付き合ってくれます。こんな上司になりたいな、と思う人とも出会えましたし、距離感がとても心地よいです。

給与:転職するだけで手取りが○万増えるなんて…

前職場の基本給は6年目で22万円でした。二交代夜勤を月6回やっても手取りは26万ほど。

夜勤は2時間仮眠をとって良いことになっていましたが、休憩をとれても1時間。患者さんの急変も多い病棟だったため、仮眠を取れないこともしばしば。

しかも残業は1時間が当たり前。3時間のこともザラでした。それなのに、給与明細を見ると、申請した残業代はほとんどカットされていました。

患者さんの命を預かる現場で、休憩を取れないのは致し方がない部分もあるとはいえ、正当な報酬とはとても思えません。

遊んでいたわけじゃないのに、残業代がもらえないことに不満が募っていました。

残業が多いと師長(看護師長)の評価に影響があるため、残業代を申請しても師長の判断で消されていたようです。

その点、現職場は、できるだけ残業しなくて良いようにチーム全体が協力しあっていて、15分単位で確実に残業代がもらえます。現在月収は手取り36万円と、日勤だけなのに10万円も増えました。

何より、QOL(生活の質)が断然よくなりました。昇給も万単位ですし、仕事のモチベーションを保てています。

あってないような休日:苦行でしかない業務以外の出勤

ただでさえ残業が多い職場なのに、委員会、ミーティング、勉強会と業務以外で出勤することが多いのは辛かったですね。

特に、夜勤明けに「やっと眠れた」と思ったら途中で起き、意識が朦朧としたまま再びミーティングのために職場に出向かなければならないとき。足が本当に重かったです。

また、情報収集のため、始業時間より1時間早く出勤するのは通例でした。当時は当たり前のことだと思っていましたが、転職後の今は情報収集も業務時間に組み込まれていたので、純粋に業務時間内で完結します。職場の風土によってえらく違うんだなと痛感しました。

【まとめ】不満はより良い職場への種にしよう

ある程度頑張れそうなら最低限4年くらいは続けてみても良いかもしれません。転職時、プラスの評価になる場合があるからです。

でも、看護師は売り手市場なので、体や心を病むほどなら、積極的に転職活動をした方が良いと思います。職場への不満を抱え、文句や愚痴を後輩を垂れ流す先輩になりたくないですしね。

看護の業務スタイルは幅広く、若い時ほどつぶしも効きます。今の職場に不満があるなら、早くから転職も視野に入れて情報収集してはいかがでしょうか。

転職するにしろ、今の職場でキャリアを積むにしろ、世界が広がると思います。

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