院内の乱れた人間関係に疲れて

人間関係の不満

何の問題もなかった。あの泥沼以外は

新人のころから3年お世話になった病院。待遇も業務も悪くありませんでした。

患者さんは優しいし、優しくて綺麗な先輩に恵まれ、配属された当初は本当に嬉しかったんです。

そんな職場から抜け出したいと心底思った理由。

ズバリ、恋愛の泥沼です

あまり大きな声では言えませんが、ボロ雑巾のようになった尊厳を取り戻すには、転職しか思いつきませんでした。

恋愛に節度のない病院でモチベーションが地に落ちた私が、不倫・多角関係に対策を講じていた病院を転職するまでの体験をお話しします。

院内の乱れた人間関係に疲れて

あまりに無知すぎた新人

私は看護学校卒業後、500床ほどの総合病院に就職しました。

配属先は呼吸器内科病棟。
新人ナースとして毎日懸命に働いていました。

就職して2ヶ月くらい経った頃、他の病院から移ってきた男性医師がいました。

その若い医師は、患者さんに優しく、ベテランドクターに負けない手際の良さに加え、ナースへの思いやりも抜群でした。

緊急で処方した薬を手配するのに、他のドクターは入力だけしてあとはナースを走らせるのに、そのドクターは薬剤部に電話してくれて、手の空いた人を探して手配してくれました。

このドクターを増田Dr(仮)とします

増田Drは人気がありましたが、私は恋愛どころではなく、業務をこなすことで精一杯の毎日でした。

そんなある日、歓迎会がありました。
新人ナースと新たに配属されたドクターの歓迎会です。

私と増田Drは、近い席に座ることになりました。

「君に興味がある」

参加者にお酒も回って賑わってきた中、増田Drに耳打ちされました。

恥ずかしながら私は男性を知らず、言われた意味がよく分かりませんでした。

「抜け出さない?外で待ってるよ。これ取りに来て」

増田Drは私のハンカチをさっとポケットに入れて、出て行ってしまいました。

律儀にハンカチを取りに行った夜以来、私は増田Drと付き合っているものと思っていました。2年の間は。

病棟、部署をまたいでの女のバトル

「あのね、私の好きな人のことなんだけど」

主任からファミレスに呼び出され、飲み物をオーダーした直後でした。

そう言われた時、すぐに増田Drのことだと分かりました。

「もしかして渡辺さん(私)、その人と関係があるのかなって。思い当たるよね?」

「彼氏はいます。でも、その人が主任の好きな人かどうか…」

「増田先生よ。私、仲良くさせてもらってて」

「え…」

「そっか、やっぱり。もやもやしてたからスッキリしたわ。ありがとう。これで何か甘いものでも食べて帰って」

主任は、2,000円私に渡して、帰っていきました。

確かに、主任と増田Drが仲良く話しているところは見たことがありました。でも、同僚以上の関係とは思ってもみませんでした。

でも、こうして呼び出してまで問いただすということは、主任と増田Drは深い関係にあるのではないかと、疑うようになりました。

絶対にすまいと思っていた携帯チェックをしました

すると、私に声をかける前から主任とは身体の関係があり、また別な病棟のナース、同じ病棟の既婚ナースと1つ上の先輩ナース、事務スタッフ、検査部の検査技師とも深い仲にあることが、芋づる式に分かりました。

私が夜勤の時には、必ず別な女性をローテート。

頭が真っ白になりました。
他に六人女性がいたなんて…

自分の勘の悪さを呪いました。

遊ばれてたんだ…。

食事も喉を通らなくなり、別れたいと願うと同時に執着心に苦しみ、ガリガリに痩せました。

仕事をしている時でも、目の前で先輩と楽しそうに話したり、事務スタッフと2人きりで休憩室に入ったりしているのをみると、胸がバクバクして、冷静さ取り戻すのに苦労しました。

とても抱えきれず、増田Drにもうこれ以上は苦しすぎて辛い、と打ち明けました。

増田Drは、君のことは好きだけど、僕は変わらない、それでもよければこれからも会ってほしい、と言いました。

「いいわけないよ!信じられな!」

私は泣いて泣いて、泣き腫らす毎日でした。

仕事の時が一番楽でした。目の前の患者さんのケアで頭も心もいっぱいにして、一生懸命になれたからです。

後で分かったことですが、何も知らなかったのは私だけでした。主任、同じ病棟の先輩たち、検査技師、事務は、互いの存在を探り合っていて、増田Drを奪い合うようにしていました。

しかも、増田Drは結婚していました。前の病院で不倫騒動を起こし、奥さんと離婚調停中だったのです。そのため、別な病院に来たということも知りました。

私以外の女性達は、お互いのことを散々噂していました。もちろん、私のことも。

私が増田Drに渡したプレゼント、どこに遊びにいったか、どんな手料理を作ったか…。ほかの女性のことを知って、どれだけ取り乱していたか。

仕事では普通に協力していた人たちのそんな姿を知り、怒りと悲しみしかありませんでした。

ナース達が傷つき、傷つけあっていた病院

「ごめん、私知ってたんだけと、渡辺ちゃんから相談してくれるまでは言わないでおこうって思ってて…。辛かったね」

同期のヒロが、夜勤明けのカフェで打ち明けてくれました。

「なんだかこの病院、ひどいよね。他の話もいっぱいあるよ。渡辺ちゃんはそういうの嫌いでしょ。だから言わなかったんだけど」

同期ナースが、内科部長と不倫していること、院内の仮眠室が、ラブホテル化していて掃除のおばさんが愚痴を言っていることなど教えてくれました。

私が配属されていた病棟だけでも、50歳前の係長は小児科医と不倫中、後輩は既婚の患者さんと不倫、40代の師長代行は放射線技師と不倫し妊娠、略奪婚をした人でした。

こうして改めて書いてみると作り話のようですが、本当の話です。

こんな話が他の部署にもゴロゴロ転がっていました。

人間としても、医療者としても幻滅しました。この病院にはそんなモラルのない人たちが集まっているのかと、モチベーションは下がる一方でした。

やめて再出発したい

この病院は看護に定評があり、名医が集まる病院としても有名でした。

有名な病院だからこそのストレスがあって、そのはけ口が恋愛になるのか分かりません。

きらびやかな表の顔とは裏腹に、内情は泥沼の愛憎劇が日夜繰り広げられていました。

噂にさらされて消耗しきった私には、この病院から出て一からやり直したい、という気持ちだけが残りました。

こんなことで、転職するのは悔しかったですが、世間知らずだった自分にも非があると気持ちを切り替えました。

転職を決意してからは早かったです。

すぐに、看護師求人サイトに登録し、コンサルタントさんに、人間関係や院内の風紀を重視したいことを正直に伝えました。

やっと手に入れた穏やかな日々

たまたまタイミングよく、同程度の規模の病院に転職することができました。

隣県に引っ越し、心機一転のスタートでした。

退職については、師長や主任からの引き止めは一応あったものの、私の噂は耳に入っていましたし、強くは言われませんでした。

新しい病院では、即戦力として呼吸器内科に配属されました。

転職理由は、コンサルタントさんと相談し、呼吸器内科の知識やスキルをさらに磨きたいから、という理由にしました。

新しい勤務先ではもう10年になります。
内部事情も分かった今、管理職からして不倫していた前の病院とは違うな~と思います。

もちろん、院内恋愛はあります。知らないだけで不倫をしている人もいるかもしれません。実際、以前は不倫問題を起こした人もいたそうです。

でも、前の病院と違うのは、こうした風紀の乱れを問題視した看護管理職が、新人へのOJTに、院内恋愛のリスク、モラルについても触れるようになったということ。スタッフ同士が節度ある距離を保っていることです。

OJT
日常業務を通じた従業員教育のこと。日本の企業が開発したもので、業務現場における日常的経験の積み重ねによって就業スキルを向上させていくというもの。いわゆる社会人大学院などで見られるような専門的知識やスキルを得るために業務外で行われるOffJTとは逆に、業務現場でしか得られない仕事の進め方や知識、技能を習得できる。業務現場以外の急変する環境に即した教育が可能なOffJTとともに、社員教育の相互補完的な役割を担っていると言えるだろう。

引用元:https://kotobank.jp/

こうした内部情報をつかんでいたコンサルタントさんのおかげで、待遇や条件を落とさず、重視しているポイントを満たす求人に出会えたと思っています。

今は、がん看護を専門に学びつつ、臨床に立っています。

恋の苦しみが転職で癒えることもある

院内恋愛は、別によいと思います。でも、世間知らずの若い看護師を食い物にする医師やコメディカルがいるのは事実。

あなたが前の私のように、恋愛に疲れて辞めたい、苦しい、辛いという状況にもしあるなら、そのことを転職コンサルタントさんに相談してみても良いのではないかと思います。

一番はそういう男を見抜く目を養うことですが、看護師が不毛な恋愛をしていることって結構あるよな…というのが私の経験です。

病院の風土にも左右されることなので、私は思い切って転職してよかったと思っています。

痛い人生経験でしたが、おかげで少しは図太くなれたかな。今は結婚もして子育てしながら働いています。

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